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YGサーブ(ヤングジェネレーション・サーブ)は、手の甲側を相手に向けて、内から外へこすり出す横下回転のサーブです。巻き込みサーブと回転の向きが逆になるので、相手のツッツキが自分のバック側へ流れていきます。ただし覚える順番があります。先に下回転と横回転が出せるようになってから——これが結論です。
この記事では、YGサーブが何なのか、巻き込みとの違い、回転の向きと相手の返球がどこへ行くか、ルールで落とされやすい3点(ITTF 2.6)、出し方の手順、入らない原因、いつから練習するか、返し方までをまとめます。この技はできなくても試合に出られます。その前提で読んでください。
巻き込みサーブは卓球の巻き込みサーブ、サーブ全体の種類と覚える順番は卓球のサーブの種類にあります。この記事はYGサーブだけを扱います。
まず即答|先に下回転と横回転。YGはその後
- 手の甲側を相手に向ける——ひじを体の前に上げ、前腕を内側にひねってから、外へ戻しながらこする
- 回転は巻き込みと逆——相手のツッツキが自分のバック側へ流れる。3球目をバックで待てる
- 覚える順番は3番目以降——下回転・横回転が出せてから。いきなりYGから入ると、どちらの回転も曖昧になる
- ルールで落とされやすい——ひじを上げる形なので、体や腕でボールを隠しやすい(ITTF 2.6.4)
YGサーブは「かっこいいから覚えたい」と言われることの多い技ですが、試合で効くのは、相手が下回転と横回転を返せるようになってからです。初心者どうしの試合では、基本の3種類のほうが点が取れます。
今すぐ確かめる手順:ラケットを持って、ひじをおへその高さまで上げ、前腕を内側にひねって、手の甲を自分の顔に向けてください。そこから力を抜いて外へ戻します。この往復がYGサーブの動きです。肩や手首が痛むなら、その形は無理をしています。
YGサーブとは|巻き込みと何が逆なのか
YGは「ヤングジェネレーション」の頭文字です。正式な技の名前として規則に出てくるものではなく、現場での呼び名です。
| 項目 | YGサーブ | 巻き込みサーブ |
|---|---|---|
| ラケットの向き | 手の甲側を相手に見せる | 手のひら側を相手に見せる |
| こする向き | 内から外へ | 外から内へ |
| ひじ | 体の前に上げる | 体の横に置く |
| 相手のツッツキが行く先 | 自分のバック側 | 自分のフォア側 |
| 3球目を待つ場所 | バック | フォア |
| 覚えやすさ | 腕をひねる分だけ難しい | こちらのほうが入りやすい |
この表でいちばん大事なのは「相手のツッツキが行く先」です。サーブは出して終わりではなく、3球目をどこで待つかまでが1組になります。配球の考え方は卓球の配球にまとめています。
なぜ「逆」が効くのか
多くの選手は巻き込み系の横下回転に慣れています。そこへ逆向きの横回転が来ると、いつもの角度で返したときに球が横にずれます。相手が横回転を返せる段階にいるほど、この差が効きます。逆にいえば、横回転をまだ返せない相手には効きません。
ルールで落とされやすい3点(ITTF 2.6)
YGサーブは、ひじを上げて体の前で打つ形になるため、サーブの規則に触れやすい技です。関係する条文を先に押さえてください。
| 条文 | 求めていること | YGで起きやすいこと |
|---|---|---|
| ITTF 2.6.1 | 静止させた手のひらを開いた状態でボールを乗せて始める | ひじを上げる動作に気を取られて、ボールを持つ手が動いてしまう |
| ITTF 2.6.2 | 回転をかけずに、手のひらを離れてから16cm以上ほぼ垂直に上げる | 低く上げて急いで打とうとして、16cmに届かない |
| ITTF 2.6.4 | 打つまでボールは台の面より上・エンドラインより後ろにあり、相手から隠れていないこと | 上げたひじと前腕がボールの前に来て、相手から見えなくなる |
実際の試合でいちばん指摘されるのは2.6.4です。ひじを上げる形そのものは問題ありませんが、その腕がボールを隠す位置に来ると反則になります。
あわせてITTF 2.6.5は、ボールを上げたらフリーアーム(空いている腕)と手をボールとネットの間から外すと定めています。サーブのルール全体は卓球のサーブのルール5つにまとめました。
今すぐ確かめる手順:自分のサーブを見てもらえる人がいるなら、相手側のコートに立ってもらって「ボールが見えているか」だけ聞いてください。見えていないと言われたら、ひじの位置を少し外へずらします。これは一人では確かめられない唯一の項目です。
出し方の手順
右利きを前提に書きます。左利きの人は左右を入れ替えてください。立つ位置はバック側のコーナーが基本です。
- バック側のコーナーに立つ——体は台に対してやや斜め。台から拳ひとつ分離れる
- ボールを手のひらに乗せる——指は開いたまま、静止させる(ITTF 2.6.1)
- ひじをおへその高さまで上げ、前腕を内側にひねる——手の甲が自分の顔のほうを向く
- ボールを16cm以上、まっすぐ上げる——このとき腕がボールの前に来ないように、少し外へ(ITTF 2.6.2/2.6.4)
- 落ちてきたところを、内から外へこする——ラケットの先を下に向けたまま、体の中心から外へ。押さない
- 振り終わったら、すぐバック側で構える——相手のツッツキはバックへ来る
⑤の「押さない」が要点です。前へ押すと横回転が消えて、ただ飛ぶだけの球になります。こする向きだけを意識して、力は抜いてください。
先に「横下」から。横上は後
YGには横下回転と横上回転がありますが、先に覚えるのは横下です。相手が持ち上げにくく、返球が浮きやすいためです。横上は、横下が入るようになってからこする向きを少し上へずらすだけで出せます。
回転そのものの理屈は卓球の回転にあります。
入らない原因|3つに分かれる
| 起きること | 原因 | 直すところ |
|---|---|---|
| ネットにかかる | こする位置が球の下すぎる/ラケットが下がりすぎている | 球の横をこする。真下を触ると前に進まない |
| 台を大きく越える | 押している/トスが高すぎて打点が定まらない | 押さずにこするだけ。トスは16cmを少し超える程度にそろえる |
| 回転がかからない | ラケットの面が寝ている/当たりが厚い | ラケットの先を下に向けたまま、薄く当てる |
もう一つ、YG特有のつまずきがあります。ひじが下がることです。ひじがおへその高さより下がると、前腕をひねる場所が無くなり、手首だけで振ることになって回転が乗りません。手首の使い方は卓球の手首の使い方にまとめています。
肩やひじが痛むときは、その日は止めてください。YGは腕をひねる動きなので、繰り返すと負担が出ます。痛みの見方は卓球の怪我にあります。
いつから練習するか
次の3つができてから始めると、遠回りになりません。
- 下回転サーブが10本中7本入る——まだならサーブの打ち方が先
- 横回転サーブが出せる——横の回転がどう働くかを、先に体で知っておく
- 3球目をどこで待つか決めている——YGは待つ場所がバックに変わる技。そこが決まっていないと意味が出ない
練習の時間配分の中では、サーブ練習は1回10分までが現実的です。長くやっても、腕をひねる動きは疲れてから形が崩れます。練習メニュー全体の組み方は卓球の練習メニューにあります。
台が使えないときは、卓球の一人練習メニューのとおり、③の腕の往復だけを鏡の前で繰り返す形でも練習になります。
YGサーブを返すとき
相手がYGを出してきたときの返し方も書いておきます。横下回転のYGは、自分のバック側へ流れていきます。
| 返し方 | どうするか | 向いている場面 |
|---|---|---|
| ツッツキ | ラケットの面をやや右へ向けて(右利き)、流れる分を戻す | いちばん確実。まずこれ |
| ストップ | 台の上で短く止める | 相手に3球目を打たせたくないとき |
| 払う(フリック) | 横の回転に負けないよう、前へ運ぶ | 球が浮いて出てきたとき |
いちばん多い失敗は、いつもと同じ面の角度で返して、球が右へ飛び出すことです。1本目は入らなくて構いません。どちらへ流れるかを見てから、2本目で面を直してください。
台の上での処理は卓球の台上技術、レシーブの構えは卓球のレシーブにまとめています。
用具は関係あるか
先に結論を書きます。YGが入るかどうかは振り方で決まります。ただし、次の2つは回転量に関わります。
| 用具 | 見るところ | YGサーブへの影響 |
|---|---|---|
| ラバーの種類 | 裏ソフトかどうか | こすって回転をかけるサーブなので、表ソフト・粒高では回転が乗りにくい |
| シートの粘り | 粘着かどうか | 粘りがあるほど、こすったときの回転は乗りやすい。ただし振りができてからの話 |
粘着ラバーの考え方は卓球の粘着ラバー、ラバーの種類は卓球ラバーの種類と選び方にあります。
なお、サーブのときにラバーのロゴが見えていることは規則の要求です(ITTF 3.2.1.3)。試合前にラケットを相手と審判に見せる場面もあります(ITTF 2.4.8)。
よくある質問
まとめ
YGサーブは手の甲側を相手に向けて、内から外へこすり出すサーブです。巻き込みと回転が逆になるので、相手のツッツキは自分のバック側へ流れます。3球目をバックで待つところまでが1組です。
出すときの要点は3つ。ひじをおへその高さに上げる・押さずにこする・ラケットの先を下に向けたまま。ひじが下がると手首だけの振りになり、回転が乗りません。
ルールで落とされやすいのはITTF 2.6.4(相手から隠さない)です。ひじを上げる形そのものは問題ありませんが、その腕がボールの前に来ると反則になります。相手側に立ってもらって、一度見てもらってください。
そして順番。下回転が10本中7本入り、横回転が出せてから始めれば、遠回りになりません。YGが無くても試合には出られます。
用具えらびのチェックリスト(PDF)をお送りします
はじめて道具をそろえるときに「何を・どの順番で決めるか」を1枚にまとめたものです。印刷して、そのままお店で使えます。あわせて、ラバーを貼った状態で届く貼り上がり完成ラケット(来春の予約企画)の先行案内もお届けします。
