卓球で切り替えが振り遅れる3つの原因|フォアとバック

【本記事について】
本記事は「卓球スタートショップ」が運営する情報メディア「卓球はじめの一歩」の記事です。記事内で紹介している商品には、当店で販売しているものが含まれます。

フォアだけなら続く。バックだけでも続く。ところがフォアとバックが交互に来たとたん、2本目で振り遅れる——ここでつまずく人はとても多いです。

結論を先に書きます。切り替えで遅れる原因は3つで、①打ったあとラケットが戻っていない ②足が止まっている ③振りが大きすぎる。この順番で直すと、フォームを作り直さなくても間に合うようになります。

フォアハンド・バックハンドそれぞれの打ち方はフォアハンドの打ち方バックハンドの打ち方にまとめています。この記事はその2つをつなぐところだけを扱います。

まず即答|遅れる原因は3つ

上から順に直す
  1. ①打ったあと、ラケットが戻っていない——振り終わった場所に置いたままになっている
  2. ②足が止まっている——上半身だけひねって届かせようとしている
  3. ③振りが大きすぎる——大きく振るほど、戻るまでの時間が長くなる

この3つは順番があります。①を直さないまま②③を直しても、間に合うようにはなりません。まず「戻す」だけを意識して1週間——これがいちばん早い道です。

今すぐ確かめる手順:次の練習で、1本打つたびに「戻す」と口に出してみてください。声に出すと、戻していないときに自分で気づけます。

切り替えとは、何をしているのか

切り替えは技ではなく、技と技のあいだの動きです。フォアハンドとバックハンドは、ラケットの面の向きも、体の向きも、打つ位置も違います。その2つを、球が来るたびに作り直しているのが切り替えです。

フォアハンドバックハンド
打つ位置体のやや前・横体の正面
体の向き少し横を向く正面を向いたまま
ラケットの面手のひら側で打つ手の甲側で打つ
戻る場所どちらも体の正面どちらも体の正面

最後の行が答えです。打ち終わったあとに戻る場所は、フォアもバックも同じ——体の正面です。ここに戻っていれば、次がどちらでも同じ距離で届きます。戻っていないと、片方は近く、もう片方は遠くなります。

技そのものの名前と覚える順番は卓球の打ち方一覧にまとめています。

原因①|打ったあと、ラケットが戻っていない

いちばん多い原因です。フォアを打ったあと、ラケットが体の左側(右利きの場合)に残ったままになります。そこから次のバックに入ろうとすると、ラケットが通る距離が2倍近くになります

戻す場所を1か所に決める

戻す場所は体の正面、へそからみぞおちくらいの高さです。ここにラケットの先を相手のほうへ向けて置きます。「構え」に戻る、というより「置き場所に返す」と考えるほうが動きが速くなります。

戻すときのチェック
  1. 打った直後に、ラケットを体の正面へ返す
  2. ひじを体から離しすぎない——離れるほど戻りが遅くなります
  3. 手首の力を抜く——握り込んだままだと戻りに時間がかかります
  4. 戻ったら一度止める——止まる場所があると、次の動きが決まります

打ち終わりの「戻り」についてはフォアハンドの打ち方でも扱っています。切り替えが苦手な人の多くは、単体の打ち方ではなくここで遅れています

今すぐ確かめる手順:鏡の前で、フォアを1本振って、戻して、止める——これを10回やってください。毎回同じ場所に戻っていれば、台の前でも同じ場所に戻せます。

原因②|足が止まっている

上半身だけで切り替えようとすると、体が回りきらず、ラケットの面が斜めのまま当たります。入るときと入らないときが混ざるのはこれが原因です。

卓球台の幅は1.525m(ITTF 2.1.1)。真ん中に立てば左右それぞれ約76cmです。76cmは、横に一歩ずらせば届く距離——走る必要はなく、足の位置を半歩ずらすだけで体の正面で打てます。

来た球足の動きやりがちな間違い
フォア側(浅い)右足を半歩、右へ足を動かさず腕を伸ばす
バック側(浅い)左足を半歩、左へ体を回してフォアで取ろうとする
体の正面動かない下がってしまう

※右利きの場合の書き方です。左利きの人は左右を入れ替えて読んでください。左利きで気をつけることは卓球の左利きにまとめています。

動き方の型は卓球のフットワークにあります。切り替えで使うのは「寄り足」ひとつで足ります。

原因③|振りが大きすぎる

大きく振るほど、振り終わってから戻るまでの時間が長くなります。1本ずつなら問題なくても、交互に来ると間に合いません。

切り替えの練習をしている間は、「強く打つ」をいったん外してください。振りの大きさを半分にして、当てる場所と戻る場所だけを合わせる——これが正しい順番です。

振りの大きさ起きること
大きい1本は速いが、2本目で間に合わない
半分2本続けて同じ場所に返せる
小さすぎる球が飛ばず、ネットに落ちる

2本続けて同じところに返せる大きさが、いまの自分に合った振りの大きさです。続くようになってから、少しずつ大きくしていきます。

フォア→バックと、バック→フォアは難しさが違う

同じ「切り替え」でも、方向によって難しさが変わります。ここを分けて練習すると、苦手なほうだけを直せます。

向き難しいところ直し方
フォア→バックフォアで体が横を向いたぶん、正面に戻す動きが要る打ったら、まず体を正面に戻す(腕より体が先)
バック→フォア正面から横向きを作る時間が要る右足を先に引く(右利きの場合)

自分がどちらで遅れているかは、ミスが出る順番を見れば分かります。バックのあとのフォアでミスが出るなら、体の向きを作るのが遅い。フォアのあとのバックでミスが出るなら、正面に戻すのが遅い、ということです。

今すぐ確かめる手順:練習中、ミスしたときに「フォアの次」「バックの次」のどちらだったかを10本だけ数えてみてください。偏っていれば、そちらから直します。

練習の順番——いきなりランダムにしない

切り替えの練習は段階を飛ばすと身につきません。順番はこれです。

段階内容次に進む目安
①1本1本フォア→バック→フォア→バックと交互に20本続く
②2本2本フォア2本→バック2本20本続く
③片方だけランダム相手が自由に、自分は返すだけ10本続く
④両方自由ラリーの中で切り替える——

①で20本続かないうちに③へ行かないでください。ランダムは、切り替えが身についている人が精度を上げるための練習です。身につく前にやると、間に合わないまま振る形が固まります。

球を出してもらって数をこなす方法は卓球の多球練習、限られた練習時間の割り振りは卓球の練習メニューにまとめました。

そもそも1本も続かない段階なら、切り替えより先に見るところがあります。卓球でラリーが続かないを先に読んでください。

切り替えができると、試合で何が変わるか

練習のための練習に見えますが、試合でいちばん効くのがここです。相手は、返ってくる場所を動かして点を取ろうとします。切り替えが間に合わないと、その一手でラリーが終わります。

切り替えが遅いと切り替えが間に合うと
左右に振られた2本目で終わる2本目も同じ強さで返せる
届かせるために腕を伸ばす→球が浮く体の正面で打てる→高さがそろう
相手は同じ攻め方を繰り返すだけでよい相手が攻め方を変えざるを得なくなる

つまり切り替えは、「返せる範囲を広げる」技術です。打つ力を上げなくても、返せる球が増えるだけで、相手のミスが増えます

どこへ返すかを選ぶ考え方は卓球の配球にまとめました。自分が振られて困るなら、相手も同じように困ります——この2つはそのまま裏返しの関係になっています。

守りだけでなく、構えの位置も変わる

切り替えが間に合わない人は、無意識にフォア寄りに立って、バックを回り込んで取ろうとします。その結果、フォア側が大きく空きます。

切り替えが間に合うようになると、台の真ん中に立ったままでいられます。立ち位置が真ん中なら、左右どちらも約76cm——どちらに来ても一歩で届くという、いちばん有利な状態になります。

相手がいなくてもできること

切り替えの3つの原因のうち、①戻す ②足は一人で練習できます。

  • シャドー(素振り)で交互に振る——フォア・バックを交互に、戻す場所を毎回同じにする
  • 足だけ動かす——ラケットを持たずに、半歩ずつ左右へ。1回30秒
  • ボールつき——ラケットの表と裏で交互に突く。面を返す動きが速くなります

やり方と、家でできる範囲は卓球の一人練習メニューにまとめています。素振りは「振る」より「戻す」を数えてください。戻した回数を数えると、動きが変わります。

用具が原因になることもある

直しても間に合わないときは、ラケットが重い可能性があります。切り替えはラケットを何度も往復させる動きなので、重さの差がそのまま戻りの速さに出ます。

たとえば当店で扱う入門クラスの板でも、アミン FL(税込¥4,180)は重量約75gエクスターV(税込¥3,850)は平均重量83gとメーカーが公表しています。板だけで8gの差があり、ここにラバーを2枚貼るので、完成したラケットの重さはさらに開きます。

ただし軽ければよいという話ではありません。軽い板は返しやすい代わりに、球の勢いに押されやすくなります。重さの決め方は中学生の卓球ラケットの選び方、選び方全体は卓球ラケットの選び方にまとめました。

もうひとつ、ラバーが寿命を過ぎていると、同じように振っても引っかかる球と滑る球が混ざります。判断のしかたは卓球ラバーの張り替え時期と貼り方にあります。

Q切り替えの練習はいつから始めればいいですか?
A.フォアだけ、バックだけで20本続くようになってからです。片方が続かないうちに交互にすると、どちらも身につきません。
Q1本1本の練習が続きません。
A.まず振りの大きさを半分にしてください。それでも続かないなら、打ったあとにラケットを体の正面へ戻せていない可能性が高いです。
Qフォアで取るか、バックで取るか迷います。
A.体の正面より利き手側ならフォア、反対側ならバックと決めておいてください。迷う時間がいちばん遅れる原因になります。
Q回り込んでフォアで打つのはだめですか?
A.だめではありませんが、切り替えの練習中は使わないでください。「バックで取る」と決めているから、切り替えの練習になります。
Qラケットが重いと切り替えが遅くなりますか?
A.影響します。ただし軽ければよいわけではなく、軽い板は球の勢いに押されやすくなります。まず戻す位置と足を直して、それでも間に合わないときに用具を考えてください。
Qどのくらいで身につきますか?
A.人によりますが、続いた本数を毎回数えていれば変化が見えます。「1本1本で20本」を目標に、そこまでは1つのことだけ直してください。

まとめ

フォアとバックの切り替えで遅れる原因は3つです。①打ったあとラケットが戻っていない ②足が止まっている ③振りが大きすぎるこの順番で直してください。

鍵になるのは「戻る場所は、フォアもバックも同じ」ということです。体の正面、へそからみぞおちくらいの高さ——ここに毎回返していれば、次がどちらでも同じ距離で届きます

練習は1本1本 → 2本2本 → 片方ランダム → 両方自由の順に。1本1本で20本続くまで、次へ行かないのがいちばんの近道です。

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