卓球のペンホルダー|中国式と日本式の違い・裏面打法

【本記事について】
本記事は「卓球スタートショップ」が運営する情報メディア「卓球はじめの一歩」の記事です。記事内で紹介している商品には、当店で販売しているものが含まれます。

ペンホルダーは、ペンを持つように握るラケットのことです。日本では長く主流でしたが、いま新しく始める人の標準はシェークハンドです。理由のいちばん大きい部分は「選べる本数」にあります。

当店で扱っている板282点のうち、シェークのグリップ(フレア・ストレート・アナトミック)で買えるものは135点。これに対して、変種名にはっきり「中国式」とあるものが39点、「日本式」が8点です。値段の入口も、シェークが¥3,850から、中国式ペンが¥6,050から、日本式ペンは¥9,900から——同じ1本目でも、2.5倍以上の差が出ます。

この記事では、日本式と中国式の違い・裏面打法・バック側をどう守るか、そして片面だけ貼るときのルールまでを扱います。握り方そのものはラケットの正しい握り方、シェークとの選び分けは卓球ラケットの選び方にあります。

まず即答|今から始めるならシェークが標準。ペンは理由がある人の選択

どちらが強いかという話ではありません。規則ではラケットの大きさ・形・重さは自由と定められていて(ITTF 2.4.1)、ペンが不利になる決まりはありません。

それでも1本目にシェークをすすめるのは、次の3つの理由からです。

1本目にシェークをすすめる理由
  1. 選べる本数が多い。同じ予算で比べられる候補が3倍以上あります
  2. 教われる人が多い。部活でも教室でも、シェークを使っている人のほうが多くなります
  3. バック側の作り方が1通りで済む。ペンはここに分かれ道があります(後述)

逆に、すでにペンで打ち始めている人が、わざわざシェークに替える理由はありません。握り替えは技術の作り直しになるので、そこにかける時間があるなら今の握りで打てる数を増やすほうが得です。

ペンホルダーとは(何がシェークと違うのか)

いちばんの違いは手首の自由度です。ペンは親指と人差し指でつまむように持つので、手首が広い範囲で動きます。サーブで回転をかけたり、台の上で細かく操作したりする場面で効きます。

ペンホルダーシェークハンド
持ち方親指と人差し指でつまむ握手するように握る
手首広く動く動く範囲は狭い
フォア側面を作りやすい面を作りやすい
バック側作り方が数通りある(ここが分かれ道)そのまま振れる
ラバー片面のみ、または両面両面
重さ片面だけなら軽くなる両面ぶんの重さになる

もう一つの違いが重さです。片面にしかラバーを貼らないタイプでは、ラバー1枚ぶん軽くなります。振りやすさで言えば有利ですが、そのぶんバック側を別の方法で作る必要が出てきます

ペン以外も含めた種類の全体像を知りたい方へ。シェーク・日本式・中国式・反転式に、ジュニア用・守備用・ラージボール用を加えた一覧と本数は卓球ラケットの種類一覧にまとめています。

日本式と中国式の違い

ペンホルダーは大きく2種類あります。形も、想定している打ち方も違います

日本式ペン(日ペン)中国式ペン(中ペン)
ブレードの形角型・角丸型・丸型など。縦長のものが多いシェークとほぼ同じ形
グリップ木の柄が長く、裏に指を置く突起がある短い柄。裏側は平ら
ラバー片面だけ貼るのが基本両面に貼れる
裏面打法想定していない使える
重さ軽くなりやすい両面ぶん。シェークに近い
当店で買える本数8点39点
いちばん安いもの¥9,900¥6,050

形が違うので、ラバーの貼り方も変わります。日本式は縦長のブレードなので、シェーク用のラバーを買って自分で切ることになります。中国式はシェークと同じ形なので、ラバーはそのまま使えます。

当店で買える中国式で価格がいちばん低いのは水谷隼 メジャー(バタフライ・¥6,050・板86g)で、ほかにスワット CHN(中国式ペン)(¥7,150・板80g)などがあります。日本式ではハッドロウJPV(¥10,450・板78g)が「ドライブ向き」「速攻向き」の2種類から選べます。

反転式という3つ目

日本式のなかに反転式(はんてんしき)と呼ばれるものがあります。両面に性質の違うラバー(裏ソフトと粒高など)を貼り、ラリーの途中でラケットをくるりと回して使い分けるための作りです。

相手から見ると、同じ振り方でも返ってくる球の性質が変わります。これが得点源になる一方、回す動作そのものを覚えなければならないぶん、始めたばかりの人が最初に選ぶものではありません。

当店ではTOMETATSU(トメタツ)反転式(ジュウイック・¥9,900)などを扱っています。規則の上では、片面は黒、もう片面は黒とボールの色の両方とはっきり区別できる鮮やかな色と決まっている(ITTF 2.4.6)ため、回して打っても、相手からどちらの面かは色で分かります。「隠して使う」ための道具ではありません。

裏面打法とは何か

中国式ペンの裏側(ふだん指が当たっている面)に貼ったラバーで打つ打ち方です。バック側に来た球を、ラケットを裏返して打ちます。

裏面打法でできるようになること
  1. バック側から回転をかけて打てる。押して返すだけでなくなります
  2. フォアと同じ考え方が使える。面の角度と当てる位置の作り方が共通します
  3. 相手のバック側への配球に対応できる。狙われても打ち返せます

ただしラバーが1枚増えるので重くなります。片面だけの日本式が軽いという利点は、裏面を貼った時点で消えます。また、手首の返し方を新しく覚えることになるので、フォアが安定してから取りかかるのが順番として無理がありません。

打ち方の考え方そのものはバックハンドの打ち方卓球のドライブの打ち方と共通します。面の角度と打点の作り方は、握りが違っても変わりません。

バック側をどう守るか——ペン最大の分かれ道

ペンを選ぶということは、バック側の作り方を選ぶということです。シェークならそのまま振れば済むところに、ペンでは3つの道があります。

やり方内容必要なもの
押して返す(ショート)ラケットの表面のまま、体の前で当てて返す追加の用具は不要。まず覚えるのはこれです
裏面打法裏側に貼ったラバーで打つラバーがもう1枚必要。重くなります
回り込んでフォアで打つ足を使ってバック側の球もフォアで処理する用具は不要。かわりに動く量が増えます

実際には、この3つを場面で使い分けることになります。最初に覚えるのは1番目の「押して返す」です。ここが返せないうちに裏面打法へ進むと、バック側に来た球のうち返せない球が増えて、試合の形になりません。

3番目の回り込みは、フットワークの練習が前提になります。足の運び方は卓球のフットワークにまとめてあります。

今すぐ確かめる手順:自分のラケットを持って、体の正面でバック側の球を受ける形を作ってみてください。ペンの場合、ラケットの面が自分のほうを向いていないことを確認します。面が自分を向いていたら、手首の角度を変えて相手側へ向けます。

ペンとシェークのどちらにするかがまだ決まっていない人は、質問に答えるだけで候補が出る卓球ラケット診断から入るのも手です。

選べる本数と値段の現実

ペンを選ぶときに、いちばん現実的な制約がここです。当店の板282点を数えると、次のようになります。

握り買える本数いちばん安いもの
シェーク(フレア・ストレート・アナトミック)135点¥3,850
中国式ペン39点¥6,050
日本式ペン8点¥9,900

数え方は変種の名前にその表記があるものです。ペン用として作られていても表記が「標準」となっている商品があるので、実際の選択肢はこれより少し多くなります。それでもシェークとの差は明らかです

本数が少ないと、実際に何が起きるか
  1. 予算に合う1本が見つからないことがある。日本式は¥9,900からです
  2. 重さを選べない。「軽いペン」「重いペン」の両方はそろいません
  3. 同じ機種を買い直せないことがある。廃番になると代わりを探すのに苦労します

この3つ目は、続けるほど効いてきます。使い慣れた1本と同じものをもう1本買っておく、という備えがシェークより早い段階で必要になるということです。

片面だけ貼るときのルール(見落としやすい1条)

日本式で片面だけラバーを貼るとき、貼らないほうの面にも規則がかかります。ここは見落とされがちです。

規則はこう書かれています——「打球面を覆う材料の表面、または覆っていない場合はその面は、つや消しで、片面は黒、もう片面は黒とボールの色の両方とはっきり区別できる鮮やかな色でなければならない」(ITTF 2.4.6)。

ここから言えること
  1. ラバーを貼らない面も、規則の対象になる。「何もしていないから関係ない」ではありません
  2. つや消しであることが求められます。光沢のある仕上げは認められません
  3. 色は、黒/黒とボールの色の両方と区別できる鮮やかな色の2面構成

実際の運用は大会の要項や審判の判断によります。公式戦に出る予定があるなら、事前に確認してください。ここは条文から言えるところまでが上の内容で、それ以上は一次資料では確かめられません。

あわせて、打球面の材料はブレードの端まで覆い、それを超えてはいけないこと(ITTF 2.4.5)も覚えておくと役に立ちます。ただしハンドルにいちばん近く、指で握る部分は、覆わないままでも、どんな材料で覆ってもかまいません。中国式ペンで指が当たる部分にコルクなどを貼るのは、この条文の範囲です。

ペンに向いている人・避けたほうがいい人

好みで決めてかまわない部分と、条件で決まる部分があります。条件のほうを先に見てください。

こういう人向き・不向き理由
周りにペンを使う人がいる向いている教われる人がいるかどうかが、いちばん大きい条件です
手首を使ったサーブを出したい向いているペンは手首が広く動くので、回転をかける動作の自由度があります
台の近くで速く展開したい向いている手首で細かく面を作れるので、台の上の処理がしやすくなります
周りに1人もペンがいない避けたほうがよい打ち方を教われず、練習相手も慣れていません
予算を¥5,000以内にしたい避けたほうがよいペンの入口は¥6,050からです。シェークなら¥3,850から選べます
用具を細かく試したい避けたほうがよい選べる本数が少なく、比較にならないことがあります

部で最初の1本を決める場面なら、中学生の卓球ラケットの選び方もあわせて見てください。重さと予算の目安を実データで出しています。

途中で握りを変えられるか

変えられます。ただしそれまでに作った技術の一部は作り直しになります。面の角度の作り方と手首の使い方が変わるためです。

変えるなら、この条件で
  1. 試合まで3か月以上あるとき。1か月では戻りません
  2. 変える理由がはっきりしているとき。「なんとなく」では続きません
  3. 教われる人がいるとき。独学で握りを変えるのは遠回りになります

逆に、変えなくてよい理由もあります。型は握りだけで決まるものではなく、卓球の戦型で扱っているように立ち位置や配球でも決まります。「バック側が弱い」という悩みなら、握りを変えるより配球で解決できることがあります。

よくある質問

Qペンとシェーク、どちらが強いですか?
A.規則の上ではどちらも同じ条件です(ITTF 2.4.1)。差が出るのは練習量と、教われる人がいるかどうかのほうです。
Q日ペンと中ペン、どちらを選べばいいですか?
A.裏面打法を使うつもりなら中国式です。日本式は片面だけを想定した作りになっています。選べる本数も中国式のほうが多く、当店では39点と8点の差があります。
Qペンでも両面にラバーを貼れますか?
A.中国式なら貼れます。日本式でも物理的には貼れますが、ブレードの形に合わせて切る必要があり、重くなります
Qペン用のラバーは別に売っていますか?
A.中国式はシェーク用と同じものが使えます。日本式は縦長の形に合わせて自分で切って貼ります。貼り方はラバーの張り替え時期と貼り方にあります。
Qペンは手が痛くなりませんか?
A.握りが強すぎると、親指と人差し指のあいだが痛くなります。つまむ力を抜くのが基本です。痛みが続く場合は卓球の怪我も参考にしてください。
Q子どもにペンを持たせてもいいですか?
A.選べます。ただし子ども向けの軽いペンは種類がさらに少なくなります小学生のラケットの選び方で重さの目安を確認してください。

まとめ

ペンホルダーは手首が広く動くのが最大の特徴で、サーブや台の上の細かい操作に向きます。規則の上でシェークに劣る点はありません(ITTF 2.4.1)。

選ぶときの現実的な制約は本数と値段です。当店の板282点のうち、シェークで買えるものは135点、中国式ペン39点、日本式ペン8点。入口の価格はそれぞれ ¥3,850/¥6,050/¥9,900 です。

そしてバック側をどう作るかを先に決めてください。「押して返す」「裏面打法」「回り込む」の3つがあり、まず覚えるのは押して返すこと。片面だけ貼る場合は、貼らない面の色にも規則がかかります(ITTF 2.4.6)ので、公式戦に出る前に大会の要項を確認してください。

用具えらびのチェックリスト(PDF)をお送りします

はじめて道具をそろえるときに「何を・どの順番で決めるか」を1枚にまとめたものです。印刷して、そのままお店で使えます。あわせて、ラバーを貼った状態で届く貼り上がり完成ラケット(来春の予約企画)の先行案内もお届けします。

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