卓球のウォーミングアップ|試合前に何を何分やるか

【本記事について】
本記事は「卓球スタートショップ」が運営する情報メディア「卓球はじめの一歩」の記事です。記事内で紹介している商品には、当店で販売しているものが含まれます。

試合前のウォーミングアップでいちばん先に知っておくことは、台の上で打てるのは2分だけということです。ITTF 3.4.3.1は「試合開始の直前に、試合台で最大2分間練習することができる」と定め、通常のインターバル中の練習は認めていません。延長は審判長の許可が要ります。

つまり、打って体を作る時間は2分しかありません。残りは台の外で済ませておくことになります。ここを知らずに会場へ行くと、1試合目だけ体が動かないまま終わります。

この記事では、60分前から逆算した時間の使い方、台の外でやることの順番、2分をどう使うか、試合と試合の間の過ごし方、練習の日のウォーミングアップ、冬と夏で変えることをまとめます。

当日の持ち物は卓球の試合の持ち物、緊張への対処は卓球の試合で緊張する人へにあります。この記事は体を温めることだけを扱います。

まず即答|台で打てるのは2分だけ

先に知っておく3つ
  1. 試合台での練習は最大2分(ITTF 3.4.3.1)。ゲーム間の休みに打つことはできない
  2. 体を温めるのは台の外——2分は「球とコートに慣れる時間」であって、体を作る時間ではない
  3. 始める時刻を先に決める——呼ばれてから動き出すと間に合わない

2分という数字を知っているかどうかで、当日の動き方が変わります。「台に上がってから温めればいい」と思っていると、体が動き出したときには1ゲーム目が終わっています

大会の会場には、練習用の台が別に用意されていることがあります。世界選手権やオリンピックなどの主要大会では、ウォームアップと練習用のホールの明るさまで定められています(ITTF 3.2.3.4)。ただし身近な大会では用意されているとは限らないので、台が無くてもできる手順を持っておくほうが確実です。

今すぐ確かめる手順:大会要項で自分の試合の開始予定時刻を確かめ、その40分前に「アップを始める時刻」として印を付けてください。時刻を決めておくことが、いちばん効く準備です。

60分前から逆算する

試合開始までやること時間
60分前会場に入る。台の場所と自分の番号を確認する——
40分前台の外のアップを始める(歩く・関節を動かす)10分
30分前素振り。ゆっくりから、ふだんの速さまで上げる5分
25分前練習台が空いていれば打つ。無ければ座らずに体を動かし続ける——
10分前呼び出しの場所へ。ジャージを脱ぐ準備——
0分台上2分(ITTF 3.4.3.1)2分

40分前という時刻には理由があります。体を温めてから冷めるまでに20〜30分あるので、早すぎると試合のときには元に戻っています。反対に20分前から始めると、素振りまでたどり着きません。

試合が遅れることはよくあります。遅れたら座らない——これだけ決めておいてください。座ってしまうと、もう一度温め直すことになります。

今すぐ確かめる手順:会場に着いたら、いちばん先に自分の試合台の番号を確かめてください。場所が分かっていないと、アップの途中で探しに行くことになり、温めた体が冷めます。

台の外でやること|順番が決まっている

3段階で上げる(合計15分)
  1. ①体温を上げる(5分)——会場の中を速めに歩く、その場で軽く足踏み。息が少し上がるまで
  2. ②関節を動かす(5分)——肩を回す、腰をひねる、ひざを曲げ伸ばしする。止めずに動かし続ける
  3. ③素振り(5分)——ゆっくりから始め、ふだんの速さまで上げる

順番を入れ替えないでください。冷えたまま素振りをすると、フォームが固い形で入ります。①と②を飛ばして③から始めるのが、いちばん多い失敗です。

②で止まって伸ばし続けるより、動かしながら可動域を広げるほうが、このあとの素振りにつながります。止まって長く伸ばすのは、練習や試合が終わった後に回します。

③の素振りは、卓球の素振りと同じやり方で足ります。本数を稼ぐのではなく、速さを段階的に上げることが目的です。

今すぐ確かめる手順:①は会場の壁沿いを速歩きで往復するだけで足ります。場所を取らず、じゃまになりません。走る場所が無い会場のほうが多いので、これを既定にしておくと迷いません。

台上2分の使い方

2分は短いので、何を打つかを先に決めておきます。その場で考えていると、フォアを打っただけで終わります。

順番打つものおよその時間確かめること
1フォアクロス40秒台の高さ・球の弾み方
2バッククロス30秒同じ
3自分のサーブを2〜3本20秒台の滑り具合
4相手のサーブを受ける30秒相手が何を出してくるか

3番目を入れておくのが要点です。台と球の組み合わせは会場ごとに違います。サーブを1本も出さずに試合に入ると、1本目でどのくらい滑るか分かりません。

2分でやってはいけないのは、厳しいコースを狙って打つことです。入らないまま試合に入ると、そのまま入らない感覚が残ります。台の真ん中に入れて、感覚を確かめるほうが先です。

なお、ボールやラケットが壊れて交換したときは、再開前に数本のラリーまでしか認められていません(ITTF 3.4.3.3)。ここでも2分はもらえません。

今すぐ確かめる手順:2分の中身を紙に書いて、かばんに入れてください。緊張しているときは順番を思い出せません。練習ノートの最初のページに書いておくと、当日そのまま使えます。

試合と試合の間はどうするか

次の試合までやること
すぐ(10分以内)座らない。歩き続ける。水分を取る
30分ほど一度座ってよい。10分前から②関節を動かす+③素振りをやり直す
1時間以上①体温を上げるところからやり直す。15分かかる前提で時刻を決める

いちばん取りこぼしやすいのが3つめです。午前中に1試合して、午後にもう1試合——という日に、朝のアップの記憶のまま午後の試合に入ると、体は完全に冷えています。

待ち時間にジャージを着ておくと冷えにくくなります。ただし試合中にジャージは着られません。ITTF 3.2.2.1は競技服装を「半袖またはノースリーブのシャツ、短パンかスカートまたはワンピース、ソックス、競技用シューズ」とし、他の衣類は審判長の許可がなければ試合中に着てはならないとしています。アップ用のウェアは当店のアパレル売場にもありますが、手持ちのジャージで足ります。

試合中に使える休みは決まっています。ゲームの間は1分以内(ITTF 3.4.4.1.1)、6点ごとと各ゲームの終わりにタオルを使えます(ITTF 3.4.4.1.2)。この時間に打つことはできません

練習の日のウォーミングアップ

練習の日は、試合の日ほど時間をかけなくて足ります。ただし順番は同じです。

場面時間中身
部活(2時間)10分体温を上げる3分+関節3分+素振り4分
クラブ・レッスン(1時間)7分同じ配分で短くする
家で素振りだけ3分足踏みと肩回しだけでよい

練習時間が短いほど、アップを削りたくなります。ただし削ると、最初の15分が体を温める時間に変わるだけで、結局その分の球数を失います。

文科省のガイドラインは、学校の部活動について平日は1日2時間程度、休日は1日3時間程度、週の合計は11時間程度の範囲内としています。限られた時間の割り振り方は卓球の練習メニューにまとめました。

今すぐ確かめる手順:部活なら「10分」とだけ決めてください。中身より、毎回同じ時間やることのほうが効きます。

冬と夏で変えること

時間5分足す(合計20分)ふだんどおり
服装脱ぎながら上げていく早めに薄着にする
待ち時間ジャージを着る。座るなら床に直接座らない風の通る場所で休む
水分取る量が減りやすいので意識して取るこまめに取る

冬は体が温まるまでの時間が長くなります。同じ15分では足りないので、①体温を上げる段階を5分延ばしてください。冬の服装の決め方は卓球の冬の服装にあります。

夏は逆に、アップで温めすぎないようにします。ただしアップを飛ばしてよいわけではありません。暑い日でも関節を動かす②と素振り③は同じだけやってください。

よくある3つの失敗

やりがちなこと起きること直し方
台上2分で全力で打つ入らないまま試合に入る真ん中に入れて感覚を確かめる
呼ばれてから動き出す1ゲーム目が終わるころに体が動き出す40分前に時刻を決める
試合が遅れたので座る温めた体が冷める。もう一度15分かかる座らずに歩き続ける

3つとも、体力や実力とは関係ありません。時刻を決めているかどうかだけの違いです。初めての大会でいちばん多いのは2つめです。

よくある質問

Q台上練習の2分は、必ずもらえますか。
A.ITTF 3.4.3.1は「最大2分」と定めていて、延長は審判長の許可があるときだけです。大会の進行が遅れていると短くなることがあるので、2分より短くなる前提で準備しておくほうが安全です。
Q練習台が空いていないときはどうしますか。
A.素振りに切り替えてください。台が無くてもできる手順にしておくのが、この記事の組み立て方です。壁に向かって打つのは、会場によっては禁止されています。
Q相手が先に来て打っている場合は、割り込んでいいですか。
A.試合台での2分は両方の選手のものです。審判に「お願いします」と伝えれば、一緒に打ち始めます。進行は卓球の試合の流れとマナーにまとめました。
Qアップで疲れてしまいます。
A.①の体温を上げる段階が強すぎます。息が少し上がるまでで止めてください。走り込みをする必要はありません。
Q団体戦のときはどうしますか。
A.いつ自分の番が来るか分からないので、1試合ごとに「次は自分か」を確かめて、その2試合前から②と③をやり直すと間に合います。オーダーの見方は卓球の団体戦にあります。
Q小学生でも同じ手順でいいですか。
A.同じで足ります。ただし15分は長く感じるので、①3分・②3分・③4分の合計10分から始めてください。大事なのは順番です。

まとめ

試合台で打てるのは最大2分です(ITTF 3.4.3.1)。通常のインターバル中に打つことはできません。だから体を作るのは台の外になります。

台の外では①体温を上げる(5分)→②関節を動かす(5分)→③素振り(5分)の順。順番を入れ替えないでください。始めるのは試合の40分前です。

2分の中身は先に決めておきます。フォアクロス→バッククロス→自分のサーブ→相手のサーブを受ける。サーブを入れておくと、その台がどのくらい滑るかが分かります。

試合が遅れたら座らない。1時間以上空いたら①からやり直す。冬は①を5分足します。これだけで、1試合目の入り方が変わります。

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