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サーブは自分のペースで出せますが、レシーブは相手が出したボールを返すので、思いどおりにいきません。初心者がいちばん最初にぶつかる壁が、たいていここです。この記事では、立ち位置の作り方から、短い・長いの見分け方、回転別の返し方までを順番にまとめました。覚える順番どおりに読めば、その日の練習から試せます。

レシーブとは? ラリーの2球目を返すこと
レシーブとは、相手のサーブを打ち返すことです。競技規則では、ラリーで2番目にボールを打つ人をレシーバーと呼びます。
サーブには「自分のコートに1回バウンドさせてから相手コートへ」という決まりがありますが、レシーブにこの決まりはありません。打ったボールが相手コートに入れば、それでよいのです。ネットに触れてから入っても構いません。つまりレシーブは、サーブより「入れる」こと自体は簡単です。
技術が足りないからではなく、判断する時間が短いからです。相手が打ってから自分が打つまでは1秒ほど。ここで「短いか長いか」「どんな回転か」を一度に考えようとすると間に合いません。見る順番を決めておくだけで、同じ実力のまま返球率が上がります。
参照:国際卓球連盟 競技規則 2.5.10(レシーバーの定義)/2.7.1(リターン)
まず構え——立つ位置・体の向き・姿勢
レシーブは、打つ前にほとんど決まっています。ボールが来てから慌てないために、次の3つを最初に作ってください。
| 何を | どうする | なぜ |
|---|---|---|
| 立つ位置 | 台から一歩ぶん下がる | 近すぎると長いサーブに詰まり、下がりすぎると短いサーブに届きません。一歩で台の中に入れる距離がちょうどよい位置です。 |
| 体の向き | やや台の中央へ向ける | 真横を向くと、反対サイドに出されたときに遠くなります。中央を向いておけば左右どちらにも同じ距離です。 |
| 姿勢 | ひざを曲げて低く | 目線がボールの高さに近づくほど、短いか長いかが見分けやすくなります。棒立ちだと一歩目が出ません。 |
右利きなら、台の真ん中よりわずかにバック(左)側に立ちます。理由は単純で、フォア側は腕を伸ばせば届くのに、バック側は体ごと動かないと届かないから。左利きの場合は左右が逆になります。まずは真ん中から始めて、返しにくい側があれば半歩ずらす、という直し方で構いません。
最初に見るのは「短いか長いか」
回転より先に見るのが、そのボールが台から出るかどうかです。これが決まらないと、前に出るのか下がるのかが決められません。

| 短いサーブ | 長いサーブ | |
|---|---|---|
| 見分け方 | 自分のコートで2回弾む | 1回弾んだあと台から出ていく |
| 1バウンド目 | ネットに近いところ | エンドラインに近いところ |
| 体の動き | 前に一歩入って台の中で打つ | その場か半歩下がって打つ |
| 返し方の基本 | 小さく当てて短く返す | 振り切って深く返す |
試合中に2バウンド目まで待っていては間に合いません。実際に見るのは1バウンド目の場所です。ネットの近くで弾めば短い、エンドラインの近くで弾めば長い。この判断だけを何度も繰り返して覚えると、体が勝手に動くようになります。
短いと思って前に出たのに長かった場合、体が詰まって何もできません。逆に、長いと思って構えていたら短かった場合は、一歩前に出れば間に合います。判断に迷ったときは長い側に賭けておくほうが、事故が小さくて済みます。
次に見るのは「回転」——4パターンの返し方
短いか長いかが決まったら、次は回転です。回転そのものは見えないので、相手のラケットが動いた向きを見ます。下から上なら上回転、上から下なら下回転、横に払ったら横回転です。
| 来たサーブ | ラケットの面 | 打ち方 | 技の名前 |
|---|---|---|---|
| 下回転で長い | 上に向ける | 下から前へ、持ち上げて深く返す | ツッツキ |
| 下回転で短い | 上に向ける | 台の中に入り、小さく当てて短く止める | ストップ(短いツッツキ) |
| 上回転で長い | 下にかぶせる | 振らずに、当てて返す | ブロック |
| 横回転 | 曲がってくる側へ向ける | 押し返すように、まず入れる | — |
回転の仕組みそのものは卓球の回転|上回転・下回転・横回転の見分け方と返し方に詳しくまとめました。「面を回転と逆向きに傾ける」という原則さえ分かっていれば、この表は覚えなくても導けます。
上回転のボールは、相手がすでに前へ進む力をかけてくれています。こちらが強く振ると、その力に自分の力が足されてオーバーします。ラケットを少しかぶせて、当てるだけ。これがブロックで、初心者が最初に覚えるべき「返す技」です。
迷ったときの1本を決めておく
試合中は、どうしても分からないサーブが来ます。そのときのために「これで返す」と決めた1本を持っておくと、崩れなくなります。
おすすめはツッツキで台の中へ短く返すことです。理由は3つあります。
- 下回転でもナックルでも大事故になりにくい:面を上に向けて当てるので、相手の回転がどちらでもネットとオーバーの両方を避けられます。
- 短く返せば強打されない:相手が振りかぶるスペースを消せます。返球が甘くても、いきなり決められることは減ります。
- 次の1球を見る時間が作れる:短いボールは相手も慎重になるので、こちらが構え直す余裕が生まれます。
反対に、分からないときに強く振るのは最も損です。回転が読めていない状態で振り切ると、入る確率が大きく下がるうえに、体勢も崩れます。
レシーブで知っておきたいルール3つ
① サーブがネットに触れて入ったら、やり直し
相手のサーブがネットに触れてから自分のコートに入った場合は、反則ではなくやり直し(レット)です。点は動かず、もう一度同じサーブ権で出し直します。追いかけて打ってしまっても構いませんが、いったん止めて出し直しになります。
② 構えていないときに出されたサーブも、やり直し
まだ準備ができていないのにサーブを出された場合も、レットになります。ただし自分(またはダブルスの相方)が打とうとしなかった場合に限ります。打ちにいって外したあとで「構えていなかった」とは言えません。準備ができていないときは、手を上げるなどして打つ前に意思表示をしてください。
③ 台の上にあるボールに触ると、相手の得点
相手が打ったボールがまだ自分のコートに落ちていないのに、台の上で体や服に当たると「オブストラクト」で相手の得点になります。明らかに台から出ていくボールは、台の外に出てから取れば問題ありません。また、レシーブのときにラケットを持っていない手が台に触れるのも失点です。台に手をつく癖のある人は早めに直しておきましょう。
参照:国際卓球連盟 競技規則 2.9.1.1・2.9.1.2(レット)/2.5.8・2.10.1.6(オブストラクト)/2.10.1.11(フリーハンドが台に触れる)/日本卓球協会「ルール」
初心者がやりがちな失敗3つ
失敗1:全部のサーブを強く返そうとする
レシーブは点を取る球ではなく、ラリーを始める球です。返球の8割は「まず入れる」で構いません。強く返すのは、明らかに甘い長いサーブが来たときだけ。この割り切りだけで、1試合の失点がはっきり減ります。
失敗2:ボールを見てから動きはじめる
ボールを目で追ってから足を動かすと、確実に遅れます。見るのは相手のラケット。打つ瞬間のラケットの向きと動きで、短いか長いか・どの回転かのほとんどが分かります。ボールは、動き出したあとで追いかければ間に合います。
失敗3:レシーブのあと、固まってしまう
返した瞬間に「入った」と安心して止まると、次の球に間に合いません。返したらすぐ構えに戻る。レシーブは2球目ですが、試合を決めるのはたいてい4球目以降です。基本姿勢に戻る動きはラケットの正しい握り方と一緒に練習しておくと定着が早くなります。
いろいろなサーブを1本ずつ受けても、身につきません。同じサーブを続けて20本受けると、3本目くらいから体が勝手に合いはじめます。相手に出してもらえない場合は、練習球をまとめて用意しておき、自分でサーブを出して落ちてくるボールを打つだけでも、面の角度の練習になります。
よくある質問
まとめ
レシーブは、構え → 短いか長いか → 回転の順に見ると、慌てなくなります。立つ位置は台から一歩ぶん、体はやや台の中央へ、ひざを曲げて低く。これだけ作っておけば、あとは一歩で間に合います。
そして、迷ったときの1本を決めておくこと。ツッツキで台の中へ短く返す、と決めておけば、読めないサーブが来ても崩れません。まずは同じサーブを20本受けるところから始めてみてください。
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