卓球のロビングとは|高く返すコツと天井のルール

【本記事について】
本記事は「卓球スタートショップ」が運営する情報メディア「卓球はじめの一歩」の記事です。記事内で紹介している商品には、当店で販売しているものが含まれます。

ロビングは、台から下がって高く山なりに返す守りの技です。点を取りにいく技ではなく、次の1本までの時間を買う技だと考えてください。そして知っておくべきルールが1つあります。ボールが天井や照明に触れたら、その時点で失点です(ITTF 2.10.1.3=ネット組立部以外の何かに触れたら相手の得点)。

この記事では、ロビングがどういう場面の技なのか、高さに制限が無いかわりに天井が壁になること、相手のロビングを打ち返すときに気をつける「オブストラクト」、打ち方の手順、決められる原因、返す側の考え方、練習の順番までをまとめます。ロビングはできなくても試合に出られます。その前提で読んでください。

止める側の技は卓球のブロック、打ち返す技は卓球のスマッシュが入らない3つの原因にあります。この記事はロビングだけを扱います。

まず即答|ロビングは「時間を買う」技

ロビングで押さえる4つ
  1. 点を取る技ではない——次の1本までの時間を作り、体勢を立て直すための技
  2. 高さに決まりは無い——ITTFの競技規則にロビングの高さを制限する条文はない
  3. ただし天井に当たったら失点——ITTF 2.10.1.3。ネット組立部以外の何かに触れたら相手の得点
  4. 上回転をかけて返す——ただ高く上げるだけだと、落ちてきたところを決められる

ロビングを覚える前に確かめてほしいのは場所です。天井が低い体育館や公民館では、高く上げた時点で失点になります。まず自分が打つ場所の天井の高さを見てください。

今すぐ確かめる手順:いつも練習している場所で、ボールを1個、真上に思い切り投げ上げてください。天井に届くなら、そこではロビングを高く上げられません。届かないなら、どのくらい余裕があるかが分かります。

ロビングとは|どの場面の技か

ロビングを使うのは、台の近くでは返せない球が来たときだけです。具体的には次の3つです。

場面なぜロビングなのか
強いドライブやスマッシュで台から追い出された下がった位置からでは、低く速い球は返せない。高く上げれば落ちてくるまでに戻れる
体勢が崩れて構えられないまっすぐ返そうとしても面が作れない。高く返して、その間に構え直す
相手が決めにきていて、1本でも返せば流れが変わる相手はスマッシュを続けることになる。ミスの確率が上がる

逆にいうと、台の近くで対応できる球にロビングを使うのは損です。相手に打つ時間を渡すだけになります。台の近くで止める技は卓球のブロック、打ち返す技は卓球のカウンターにまとめています。

ルール|高さに制限は無い。ただし天井に当たれば失点

ロビングについて、ITTFの競技規則に「何メートルまで」という決まりはありません。その代わり、次の条文が実際の上限を決めています。

条文書いてあることロビングでどう効くか
ITTF 2.10.1.3サービスまたは返球のあと、ボールがネット組立部以外の何かに触れたら、相手の得点天井・照明・梁に当たった時点で失点。高さの上限は、その場所の天井が決める
ITTF 2.10.1.4相手が打ったボールが、自分のコートに触れずに越えていったら、相手の得点上げすぎて台に落ちなければ、当然そこで失点
ITTF 2.5.8/2.10.1.6ボールが競技面の上にあるか、競技面へ向かっているとき、自分のコートに触れる前に選手(または身につけている物)が触れると妨げ(オブストラクト)で相手の得点相手のロビングを、落ちてくる前に空中でつかまえに行くと反則になりうる

3つ目が見落とされがちです。高く上がった球を早く処理したくて前に出ると、台の上に来た球を、バウンドする前に触ってしまうことがあります。ラケットで打つ場合は問題ありませんが、体や服が当たった場合はこの条文に触れます。

そのほか、下がったときに起きやすい失点

条文内容
ITTF 2.10.1.9相手(または身につけている物)が競技面を動かしたら、こちらの得点
ITTF 2.10.1.10相手(身につけている物を含む)がネットに触れたら、こちらの得点
ITTF 2.5.7打球とは、ラケットまたは手首から先のラケットを持つ手で触れること

ロビングは大きく動く技なので、戻るときに台やネットに触れやすいという特徴があります。ルール全体は卓球は何点先取?にまとめています。

今すぐ確かめる手順:練習している場所で、台からいちばん下がれるところまで歩いて、何歩あるか数えてください。壁や他の台までの距離が3歩しかないなら、その場所ではロビングを使う練習はできません。

打ち方の手順

必要なのは高さ・深さ・回転の3つです。このうち回転が抜けると、相手にとってただの「打ちやすい高い球」になります。

ロビングの5手順
  1. 台から下がる——2〜3メートル。落ちてくる球を待てる位置まで
  2. ひざを曲げて、ラケットを低く構える——球より下から始める
  3. 下から上へ、体の正面でこすり上げる——当てるのではなく、こする。ここで上回転が入る
  4. 相手コートの奥(エンドライン近く)をねらう——浅いと踏み込んで打たれる。深さが命
  5. 打ったらすぐ中央に戻る——次もロビングになる前提で構え直す

③の「こする」が、この技のいちばんの要点です。上回転がかかった球は、相手のラケットに当たったときに上へ跳ねます。だから相手は面を伏せて打たなければならず、そのぶんミスが増えます。回転がかかっていない高い球は、ただ落ちてくるだけなので決められます。

こする感覚そのものは卓球のドライブの打ち方で扱っています。回転の働き方は卓球の回転にあります。

決められてしまう原因|3つに分かれる

起きること原因直すところ
すぐ決められる浅い——相手コートの手前に落ちている深さを優先。高さより、奥に落とすことを先に考える
相手が楽に打てている回転がかかっていない——当てただけで上げているこすり上げる。下から上へ、薄く長く
自分の台に落ちない下がりすぎ/力みすぎ下がるのは2〜3メートルまで。それ以上下がると、届かせるだけで精一杯になる

この3つのうち、いちばん多いのは1つ目(浅い)です。高さばかり意識すると、真上に近い球になって相手コートの手前に落ちます。ロビングは「高く」より「深く」——順番はこちらです。

相手のロビングを打ち返す側

自分がロビングを打たれる側になったときの考え方も書いておきます。急がないことが最大の要点です。

やること中身理由
バウンドを待つ落ちてくる球を、台で弾んでから打つ空中で触りにいくと、体や服が当たって妨げ(ITTF 2.5.8)になる場合がある
頂点から落ちはじめで打ついちばん高いところではなく、少し落ちたところ高い位置で打つと、上から角度をつけるのが難しい
面を伏せる上回転がかかっているので、そのままだと上に飛ぶ相手のロビングに回転が乗っているほど、面を伏せる必要がある
コースを変える同じ場所へ打ち続けないロビングを上げている相手は、同じ場所なら何本でも返してくる

打ち返すときに力いっぱい振ると、台を越えるか、ネットにかかるかのどちらかになります。高い球を打つときの原因の切り分けは卓球のスマッシュが入らない3つの原因にまとめてあるので、そちらを読んでください。

どこで練習できるか|場所の条件

ロビングは、練習できる場所が限られます。次の3つがそろっていることを先に確かめてください。

ロビングを練習できる場所の条件
  1. 天井が高い——当たった時点で失点(ITTF 2.10.1.3)なので、低い場所では成立しない
  2. 台の後ろに3メートル以上ある——下がれないと、そもそもこの技の形にならない
  3. 周りの台と離れている——高い球は隣のコートに落ちる。人にぶつかると危ない

公民館や家庭用の台では、この3つがそろわないことがほとんどです。打てる場所の探し方は卓球ができる場所にまとめました。

条件がそろわない場所では、ロビングの練習は後回しにしてください。同じ時間で、ブロックやツッツキのほうが試合で使う回数が多くなります。時間の割り振りは卓球の練習メニューにあります。

練習の順番

段階内容止めどき
① 高さを作る下がった位置から、相手コートに入れる。深さは気にしない10本中7本入ったら
② 深さを作る相手コートの奥半分に落とす10本中5本が奥に入ったら
③ 回転を足すこすり上げて、上回転をかける相手が「伏せないと入らない」と言ったら
④ 続ける相手に打ってもらい、3本続けて返す3本続いたら
⑤ 試合の中で追い出されたときだけ使う。使わずに済む球は使わない判断ができるようになったら

②を飛ばさないでください。ロビングの練習でいちばん多いのは、高く上げる練習だけして、深さを作らないまま終わることです。それでは試合で1本も返せません。

球を数そろえて練習するなら、当店ではTWC スクール・トレーニングボール 40+(100球入り)が¥3,850です。ロビングは球が遠くへ飛ぶので、拾う手間も考えて数を用意してください

よくある質問

Qロビングの高さに決まりはありますか
A.ITTFの競技規則に高さを制限する条文はありません。ただしボールが天井や照明に触れた時点で相手の得点になります(ITTF 2.10.1.3=ネット組立部以外の何かに触れたら失点)。実際の上限は、その場所の天井が決めます。
Q天井に当たったらやり直しになりませんか
A.なりません。失点です。ITTF 2.10.1.3は「ネット組立部以外の何かに触れたら相手の得点」と定めています。やり直し(レット)になるのは、サービスがネットに触れたときなど、2.9.1に挙げられた場合だけです。
Qロビングは初心者が覚えるべきですか
A.急ぎません。まずブロックで20本返せること、ツッツキで下回転を返せることが先です。ロビングは「台から追い出されたとき」の技なので、そこまで追い込まれる展開自体が初心者どうしでは多くありません。
Q相手のロビングを空中で打ってもいいですか
A.ラケットで打つのは構いません。気をつけるのは、ボールが自分のコートに触れる前に体や服が当たった場合です。ITTF 2.5.8の「妨げ(オブストラクト)」にあたり、相手の得点になります。
Qロビングマンとは何ですか
A.ロビングを主な武器にして戦う選手を指す現場の呼び名です。規則に出てくる分類ではありません。戦型の考え方は卓球の戦型にまとめています。
Qロビングとフィッシュは違いますか
A.同じ「下がって返す」技ですが、高さが違います。フィッシュは低めに返して相手に強く打たせない返し方、ロビングは高く上げて時間を作る返し方です。呼び名の整理は卓球の打ち方一覧にあります。
Q用具で変わりますか
A.こすり上げて上回転をかける技なので、裏ソフトかどうかは関わります。ただし入るかどうかは深さと回転で決まり、用具では決まりません。ラバーの種類は卓球ラバーの種類と選び方にあります。

まとめ

ロビングは時間を買う技です。台から追い出されたとき、体勢が崩れたときに、高く返して次の1本までの時間を作ります。点を取りにいく技ではありません。

高さに決まりはありませんが、天井や照明に触れた時点で失点です(ITTF 2.10.1.3)。練習する場所の天井の高さと、台の後ろの広さを先に確かめてください。

打つときは「高く」より「深く」。相手コートの奥に落とし、こすり上げて上回転を入れます。回転のかかっていない高い球は、ただ落ちてくるだけなので決められます。

返す側は急がないこと。バウンドを待ち、頂点から少し落ちたところを、面を伏せて打ちます。自分のコートに触れる前に体や服が当たると、妨げ(ITTF 2.5.8)で失点になります。

用具えらびのチェックリスト(PDF)をお送りします

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