本記事は「卓球スタートショップ」が運営する情報メディア「卓球はじめの一歩」の記事です。記事内で紹介している商品には、当店で販売しているものが含まれます。
中学生のラケットは、大人と同じ「普通サイズ」で問題ありません。小学生用として売られている小型・軽量のラケットは、中学生にはむしろ扱いにくくなります。迷いどころは大きさではなく重さと予算です。
当店で¥4,000〜¥12,000のあいだにあり、全種類そろって購入できる板は91点。そのうちメーカーが平均重量を公表している74点を数えると、中央値は83gでした。そして75g以下は74点のうち10点しかありません。「軽いのがいい」と決めてから探すと、選べる本数が一気に減るということです。
この記事は中学の部活で最初の1本を買う場面に絞って書いています。ラケット選びの考え方そのもの(4つの軸)は卓球ラケットの選び方に、小学生の場合は小学生のラケットの選び方にあります。
まず即答|中学生は大人と同じ「普通サイズ」でよい
卓球のラケットは、競技規則で大きさ・形・重さが決められていません。「ブレード(板)が平らで硬いこと」だけが条件です(ITTF 2.4.1)。つまり中学生用という区分は規則上は存在せず、メーカーが子ども向けとして小さめ・軽めに作っているものがあるだけです。
- 大きさは普通サイズ。小学生用の小型モデルは3年間使えません
- 重さは81〜85gあたりから。ここに選べる本数がいちばん多くあります
- 板は木材5枚合板から。特殊素材(カーボンなど)は入っていなくてかまいません
今すぐ確かめる手順:すでに持っているラケットがあれば、キッチンスケールに載せてください。ラバーを貼った状態で160g前後なら、板は80g台です。180gを超えるなら重い部類なので、振り遅れの原因になっていないか確かめる価値があります。
小学生用から普通サイズへ移る境目
小学生のうちに卓球を始めた人は、中学入学のタイミングで普通サイズへ移すのが区切りとして自然です。理由は体格ではなく、使える期間にあります。
小学生向けの小型ラケットは、ブレードが小さいぶんラバーも専用の小さいものが必要になり、交換のたびに選択肢が減ります。3年間使うことを考えると、普通サイズに移しておいたほうが後の買い物が楽になります。
移す目安は、普通サイズのラケットを振っても手首が落ちないことです。素振りで10回振って、5回目以降にラケットの先が下がってくるなら、まだ重い可能性があります。その場合は軽い板を選ぶことで解決できます——大きさを小さくする必要はありません。
重さ|部活の予算帯74点を数えると、中央値は83g
重さは、選び方のなかでいちばん影響が大きい項目です。ただし「軽ければよい」わけではありません。軽い板は振りやすいかわりに相手の強い球に押されやすくなります。
当店で¥4,000〜¥12,000にあり、全種類そろって購入できる板91点のうち、メーカーが平均重量を公表している74点の内訳です。
| 板の重さ | 本数(74点中) | どんな人向きか |
|---|---|---|
| 70g以下 | 6点 | 体格が小さい・振り遅れる人。ただし選択肢が少ない |
| 71〜75g | 4点 | 軽さを優先したいとき |
| 76〜80g | 14点 | 軽さと安定のあいだ |
| 81〜85g | 39点 | いちばん本数が多い帯。迷ったらここ |
| 86〜90g | 9点 | 体格がある人・強く打ちたい人 |
| 91g以上 | 2点 | 中学生の1本目としては重い部類 |
中央値は83gでした。つまり81〜85gを選べば、選択肢を狭めずに、標準的な重さに収まるということです。ここから外れる理由がなければ、この帯から選ぶのが手数として少なくて済みます。
なお、これは板だけの重さです。ラバーを両面に貼れば、そのぶん重くなります。貼ったあとの重さはカタログに出ていないので、比べられるのは板の重さだけです。板で10g違えば、完成した状態でもそのまま10gの差になります。
卓球ラケットの選び方では、中高生・大人の目安を83〜95gとしています。これは「振り切れる範囲でいちばん重いものを選ぶ」という考え方からの範囲です。本記事の81〜85gは「選べる本数がいちばん多い帯」という別の切り口なので、両方が重なる83〜85gから見ると、選択肢の広さと重さの両方を満たしやすくなります。
軽い板を探すと、選べる本数が一気に減る
前の表でいちばん大事なのは、75g以下が74点のうち10点しかないという部分です。「軽いのがいい」と決めてから探し始めると、色・グリップの形・値段のどれかを必ずあきらめることになります。
実際に軽い板を挙げると、次のようになります。いずれも当店で購入できるものです。
| 商品 | メーカー | 板の重さ | 税込価格 |
|---|---|---|---|
| カナルディ2 FL | ニッタク | 65g | ¥5,280 |
| アミン FL | ニッタク | 75g | ¥4,180 |
| ウイングライト FL | ニッタク | 76g | ¥6,600 |
| サナリオンS FL | ニッタク | 78g | ¥6,600 |
| メイス アドバンス | バタフライ | 78g | ¥6,270 |
標準的な重さの帯(81〜85g)なら、選べる本数は39点あります。
今すぐ確かめる手順:メーカーの表記は平均重量です。同じ商品でも1本ごとに数グラムの差があります。「85g」と書かれていれば、実物は83〜87gのどこかだと考えてください。1g単位で選ぶ意味はありません。
軽い板の実例と「振り切れるか」の確かめ方は。65〜76gで買える板の一覧、軽い板の得と損、ラバーを貼ったあとの重さの見方は卓球ラケットの重さにまとめています。
予算|打てる状態にするまでの合計
見落としやすいのは、板だけでは打てないということです。ラバーを2枚(表面・裏面)と、貼るための材料が必要になります。
| 買うもの | 例 | 税込価格 |
|---|---|---|
| 板 | スタリア FL(85g・木材5枚) | ¥4,950 |
| ラバー2枚 | フレクストラ(バタフライ)×2枚 | ¥2,200×2=4,400円 |
| 貼るもの | チャックシート2(貼り付けシート) | ¥330 |
| 合計 | 9,680円 |
この組み合わせだと9,680円になります。一方、ラバーが2枚ついた状態で売られているセットもあり、例えばエクスターV(軽量)+マークV のジュニアセットは ¥9,200 です。単品でそろえるより安くなる場合がありますので、中身と差額は卓球の初心者セットは買っていい?で確かめてから決めてください。
部活1年目に必要になるお金の全体像は中学の卓球部の費用にまとめてあります。ラケット以外にシューズ・ウェア・ボール・ゼッケンなどがかかります。
部で指定されるとき・先輩と同じにするとき
部によっては「最初はこれ」と決まっていることがあります。その場合は指定に従うのが先です。同じ用具のほうが顧問や先輩が教えやすく、不具合が出たときに原因を切り分けやすいという実務上の利点があります。
指定がない場合、先輩と同じものを選ぶのは悪い判断ではありません。ただし1つだけ確かめてください——その先輩と自分の体格が近いかです。体格が違うのに同じ重さを選ぶと、振り遅れるか、逆に軽すぎて押されます。
- 板の重さ。10g以上違うと、まったく別のラケットになります
- グリップの形。手の大きさが違うと持ちやすさが変わります
部活で相談できる相手がいないときは、卓球ラケット診断が目安になります。持ち方と予算を答えると、ラバーと貼る道具まで込みの金額で候補が出ます。
カーボン入りは中学生に要るのか
売り場には「特殊素材入り」「カーボン」と書かれたラケットがあります。規則では、板の厚さの85%以上が天然木であることが条件で、中の接着層をカーボンなどで補強する場合は全体の厚さの7.5%か0.35mmの薄いほうを超えてはいけません(ITTF 2.4.2)。つまりカーボン入りでも、中身のほとんどは木です。
1本目に必要かというと、必要ありません。カーボンは弾みを増やす方向に働くので、力の加減がまだ定まっていない段階では、ミスの幅が広がります。木材5枚合板から始めて、振れるようになってから検討するほうが順番として無理がありません。
値段の面でも差が出ます。木材5枚合板は¥4,000台から選べますが、特殊素材入りは価格帯が上がります。3年間でラバーを何度も替えることを考えると、最初の板にかけない分をラバー代に回すほうが実際的です。ラバーの交換時期と費用は中学生の卓球ラバーにまとめてあります。
カーボン入りの中身をもう少し知りたい方へ。インナーとアウターの違い、5枚合板と7枚合板の差、¥8,000未満で特殊素材入りが何本あるかは卓球ラケットの合板とカーボンにまとめています。
グリップの形は「握ってみて決める」
シェークハンドのグリップには主に3つの形があります。性能の差ではなく握り心地の差なので、正解はありません。
| 形 | 特徴 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| フレア(FL) | 先が細く、手前が広がっている。手の中で位置が決まりやすい | 迷ったらこれ。当店でも本数がいちばん多い形です |
| ストレート(ST) | まっすぐで太さが一定。握り替えがしやすい | ペンから移った人・グリップを回す打ち方をする人 |
| アナトミック(AN) | 中央がふくらんでいる。手にはまる感じが強い | 手の形に合えば安定します。取り扱い本数は少なめです |
通信販売では握って試せないので、迷ったらフレアで問題ありません。実際、同じ機種でもフレアだけ在庫が用意されていることがあります。握り方そのものはラケットの正しい握り方にあります。
女子の1本目で迷っている方へ。「女子用」の板が規則にもメーカーにも無いこと、変わるのは振り切れる重さと握りの太さだけであること、75〜80gで買える板の実例は卓球ラケットの女子・女性の選び方にまとめています。
3年間で、ラケットは何本買うことになるか
板そのものは、3年間で1本のままという人が多くいます。板には「何年」という寿命がなく、反る・欠ける・打球感が変わるといった症状が出るまで使えるためです。
替えることになる理由は、たいてい次の3つです。
- 反ってしまった。規則が求める「平らで硬い」状態から外れます(ITTF 2.4.1)
- 縁が欠けた・ささくれた。ラバーが浮いて貼れなくなります
- 重さや弾みを変えたくなった。技術が変わったときに起きます
逆に言えば、手入れをすれば3年もつということです。見分け方と手入れは卓球ラケットの寿命にまとめました。一方ラバーは消耗品で、こちらは1年に1〜2回は交換することになります。
ラケット以外に、部活で必ずかかるお金
用具のほかに、試合に出るための登録料がかかります。日本卓球協会の基本規程 第40条では、種別ごとの登録料が定められています。
| 種別 | 対象 | 登録料 |
|---|---|---|
| 第4種 | 中学生 | 700円/人 |
| 第3種 | 高校生(高体連) | 900円/人 |
| 第1種 | 一般 | 1,500円/人 |
登録の期間は毎年4月1日から3月31日まで(第45条)、手続きは原則として3月1日から6月30日までに完了することとされています(第46条第3項)。納入するとゼッケンが提供され(第44条第2項)、一度納めた登録料は原則として返金されません(第44条第4項)。
ゼッケンの付け方・書き方は卓球のゼッケンの付け方と書き方にあります。これに加えて部費・遠征費・ボール代などがかかるので、1年目の総額は中学の卓球部の費用で実売価格から積み上げてあります。
よくある質問
ラバーを貼った状態で届くラケットを探している方へ。張り替えできる正規の貼り上がりを型番で見分ける方法と、セットとの差額は卓球の貼り上がりラケットにまとめています。
まとめ
中学生のラケットは大人と同じ普通サイズで、木材5枚合板・83〜85g・フレアグリップから始めれば外しません。当店の該当帯74点を数えると、この重さの帯に39点が集まっており、選択肢がいちばん広く残ります。
軽さを先に決めると、選べる本数が74点中10点まで減ります。振り遅れるという実際の困りごとがある場合を除いて、軽さから入る必要はありません。
板だけでは打てないので、ラバー2枚と貼るものまで含めて予算を組んでください。単品でそろえると9,680円ほど、セットなら¥9,200からあります。そして板は3年もちますが、ラバーは消耗品——ここを分けて考えると予算が立てやすくなります。
用具えらびのチェックリスト(PDF)をお送りします
はじめて道具をそろえるときに「何を・どの順番で決めるか」を1枚にまとめたものです。印刷して、そのままお店で使えます。あわせて、ラバーを貼った状態で届く貼り上がり完成ラケット(来春の予約企画)の先行案内もお届けします。
