本記事は「卓球スタートショップ」が運営する情報メディア「卓球はじめの一歩」の記事です。記事内で紹介している商品には、当店で販売しているものが含まれます。
売り場に立つと、聞いたことのない名前がずらりと並んでいます。バタフライ、ニッタク、ヴィクタス、ヤサカ、スティガ——どれがどう違うのか、値段以外に見分けようがないというのが正直なところだと思います。
結論を先に書きます。メーカーから先に決める必要はありません。初めての1本で意味があるのは「そのメーカーに入門価格帯の商品があるかどうか」だけです。実際、いちばん安いラケットが3,850円のメーカーもあれば、9,900円からのメーカーもあります。
この記事では、当店で扱う13社・976商品を実際に数えた結果を並べます。性能の優劣は書きません(比べられる公表値がないためです)。ラケットそのものの選び方は卓球ラケットの選び方、ラバーは卓球ラバーの種類と選び方にまとめています。
まず即答|メーカーで決めない。見るのは「入門帯があるか」
- ①予算を決める——ラケット+ラバー2枚で、いくらまで出すか
- ②その予算に商品があるメーカーだけ残る——ここで自然に絞れます
- ③残った中から、重さと握りの形で選ぶ
- ④メーカーはそろえなくてよい——ラケットとラバーが別会社でも問題ありません
「どのメーカーが良いか」という質問には答えがありません。どのメーカーも入門から上級まで作っていて、同じメーカーの中でも、値段によって別物だからです。意味があるのは「そのメーカーが、いくらから作っているか」のほうです。
今すぐ確かめる手順:まずラケットに出せる金額を1つ決めてください。4,000円なのか8,000円なのかで、選べるメーカーが半分に減ります。
当店が扱う13社を、数で見る
2026年9月時点で、当店が扱っているのは13社・976商品です。取扱数と、いちばん安い商品の価格を並べます。
| メーカー | 取扱数 | ラケット | ラバー | いちばん安いラケット |
|---|---|---|---|---|
| ニッタク | 325点 | 116点 | 48点 | 4,180円 |
| バタフライ | 251点 | 50点 | 25点 | 3,850円 |
| ヴィクタス | 143点 | 46点 | 33点 | 5,830円 |
| ヤサカ | 98点 | 21点 | 29点 | 5,720円 |
| スティガ | 71点 | 30点 | 27点 | 9,020円 |
| ジュウイック | 39点 | 12点 | 21点 | 9,900円 |
| エクシオン | 35点 | 9点 | 3点 | 9,900円 |
| その他6社 | 15点 | — | — | — |
※ラケット・ラバーの点数は、当店で扱っている商品数です。価格はすべて税込で、すべての厚さ・グリップが在庫のある商品から拾いました。
この表から、いちばん実用的に効くのは右端の列です。スティガ・ジュウイック・エクシオンには、9,000円より安いラケットがありません。初めての1本で予算が5,000円前後なら、この3社は最初から候補に入りません。良し悪しではなく、作っている価格帯が違うということです。
入門帯があるメーカー・ないメーカー
同じことを、買う側の目線で言い換えます。
| 予算(ラケット) | 選べるメーカー |
|---|---|
| 4,000円前後 | バタフライ(3,850円〜)/ニッタク(4,180円〜) |
| 6,000円前後 | 上の2社+ヤサカ(5,720円〜)/ヴィクタス(5,830円〜) |
| 9,000円以上 | 上の4社+スティガ/ジュウイック/エクシオン |
入門帯の具体的な商品を挙げると、エクスターV(バタフライ・税込¥3,850)、アミン FL(ニッタク・税込¥4,180)、アーレスト7+(ヤサカ・税込¥5,720)、デゼルファイブ(ヴィクタス・税込¥5,830)あたりです。
どれも「板だけ」の商品で、打てる状態にするにはラバー2枚と、貼るための道具が別に要ります。ここを見落とすと予算が足りなくなります。合計でいくらかかるかは卓球を始めるのに必要なもの、セットで買う場合との差額は卓球の初心者セットは買っていい?にまとめました。
メーカーによって、強い分野が違う
取扱数の内訳を見ると、会社ごとに力を入れている分野が違うことが分かります。
| メーカー | 取扱数がいちばん多い分野 | 数 |
|---|---|---|
| ニッタク | ラケット | 116点 |
| バタフライ | ウェア | 69点 |
| ヴィクタス | ラケット | 46点 |
| ヤサカ | ラバー | 29点 |
| スティガ | ラケット | 30点 |
| ジュウイック | ラバー | 21点 |
これは当店の品ぞろえの数であって、メーカーの技術力の順番ではありません。ただし買う側にとっては、選択肢の多さがそのまま「選びやすさ」になります。たとえばウェアをそろえるなら、扱いのある商品数が多いほうがサイズと色を合わせやすくなります。
ウェアの選び方は卓球の服装は何を着る?、チームでそろえる段取りは卓球部でユニフォームをそろえるにあります。
シューズは、また別の会社が入ってきます
シューズだけはアシックスのようなスポーツ用品メーカーも加わります。ラケットやラバーの並びとは顔ぶれが変わるので、ラケットと同じメーカーでそろえる必要はありません。メーカーごとの違いは卓球シューズのメーカー比較、サイズの決め方は卓球シューズの選び方にまとめています。
メーカーをそろえる必要はない
よく聞かれますが、ラケットとラバーのメーカーをそろえる決まりはありません。規則にも、そのような定めは一つもありません。
- ラケットはA社、ラバーはB社——問題ありません。実際によくある組み合わせです
- フォアとバックで違うメーカーのラバー——これも問題ありません
- ウェアとシューズが別メーカー——まったく問題ありません
そろえる意味があるとすれば、部でまとめて発注するときに窓口が1つで済むといった事務的な理由くらいです。性能の面でそろえる理由はありません。
メーカーを先に決める必要はありません。卓球ラケット診断は、答えた条件に合うものを社をまたいで出します。
公認マークは、メーカーでは決まらない
大会に出るときに必要になるのが公認マークです。ここで間違えやすいのが、「有名メーカーの商品なら全部公認されている」わけではないという点です。
たとえばウェアは、同じメーカーの中に公認品と、そうでない練習用の商品が混ざっています。当店で扱うウェア128商品のうち、商品説明に「JTTA公認」と書かれているのは74商品で、「公認のゲームシャツではないため公式試合には着用できない」と明記されている商品もあります。
どこを見れば分かるかは卓球の公認マーク(JTTA)にまとめました。メーカー名ではなく、その商品の表示を見る——これが答えです。
今すぐ確かめる手順:大会に出る予定があるなら、買う前に商品説明の「公認」の2文字を探してください。ラケット・ラバー・ウェアの3つが対象です。
メーカーが「選べる色や厚さ」を決めていることがある
性能は比べられませんが、選択肢の幅には、はっきりした差が出ます。実際に数えると分かりやすいのがラバーの色です。
規則では、ラバーは片面が黒、もう片面は黒ともボールの色ともはっきり区別できる鮮やかな色と決まっているだけで(ITTF 2.4.6)、赤でなければならないという決まりはありません。ところが当店で扱うラバーを数えると、赤と黒以外の色を選べるのは11商品だけで、そのうち9商品がヴィクタス(残りはニッタクとジュウイックが1商品ずつ)でした。
つまり「青いラバーにしたい」と決めた時点で、候補がほとんど残らないということです。色の決まりそのものは卓球ラバーの色のルールにまとめました。
同じメーカーでも、シリーズが違えば別物
もうひとつ知っておくと迷いません。同じメーカーの商品でも、価格帯が違えば中身は別物です。入門用の板と、上級者向けの板は、使っている素材も、狙っている打ち方も違います。
ですから「◯◯社を使っている」という情報だけでは、何も分かりません。見るのはメーカー名ではなく、その商品の板の構成・厚さ・重さです。どこを見るかは卓球ラケットの選び方、ラバーの見方は卓球ラバーの厚さの選び方にあります。
当店で扱っていないメーカー
卓球用品を作っている会社は、ここに挙げた13社だけではありません。国内では他にも、海外にはさらに多くのメーカーがあります。
当店で扱いがない=良くない、ということではありません。仕入れの取引がある会社の商品を並べているだけです。欲しい商品が決まっている場合は、その商品を扱っている店で買うのがいちばん確実です。どこで買うかの選び方は卓球用品はどこで買う?にまとめています。
迷ったときの決め方
ここまでを1つの流れにまとめます。
- ①ラケットの予算を決める(4,000円/6,000円/9,000円以上)
- ②その価格帯に商品があるメーカーだけ見る
- ③重さで絞る——軽いほうが振りやすく、重いほうが押されにくい
- ④握りの形を選ぶ(フレアかストレートか)
- ⑤ラバーは別に2枚——メーカーは合わせなくてよい
- ⑥貼る道具を忘れずに——シートか接着剤
中学生・小学生の1本目は中学生の卓球ラケットの選び方、小学生の卓球ラケットの選び方に重さの目安をまとめています。
まとめ
メーカーから先に決める必要はありません。予算を決めれば、選べるメーカーは自動的に絞られます。
当店で扱う13社を数えると、いちばん安いラケットは3,850円(バタフライ)から9,900円(ジュウイック・エクシオン)まで開きがあります。スティガ・ジュウイック・エクシオンには9,000円より安い板がありません——これは良し悪しではなく、作っている価格帯の違いです。
そしてラケットとラバーのメーカーはそろえなくてかまいません。大会に出るなら、メーカー名ではなくその商品に公認の表示があるかを見てください。
用具えらびのチェックリスト(PDF)をお送りします
はじめて道具をそろえるときに「何を・どの順番で決めるか」を1枚にまとめたものです。印刷して、そのままお店で使えます。あわせて、ラバーを貼った状態で届く貼り上がり完成ラケット(来春の予約企画)の先行案内もお届けします。
