本記事は「卓球スタートショップ」が運営する情報メディア「卓球はじめの一歩」の記事です。記事内で紹介している商品には、当店で販売しているものが含まれます。
ラケットを持って2週間、相手と打っても3球で終わってしまう。同じところに戻れない、台に入らない、返ってきた球が予想と違う——ここでやめてしまう人がいちばん多い場面です。
結論を先に書きます。ラリーが続かない原因は5つしかありません。そしてそのうち4つは、フォームを直さなくてもその場で変えられます。「まだうまくないから続かない」のではなく、続けるための決め事をしていないだけのことが大半です。
この記事では、原因を上から順に切り分けて、それぞれ何を変えるかを書きます。フォアハンドそのものの振り方はフォアハンドの打ち方、ミスの種類ごとの直し方は卓球初心者がやりがちなミスと直し方にまとめています。
まず即答|続かない原因は、この5つのどれか
- ①どこへ返すかを決めていない——返す場所が毎回変わると、相手が動けません
- ②球の落ちる場所に体が入っていない——腕だけ伸ばして届かせている
- ③強く打ちすぎている——台は放っておいても弾みます
- ④回転を見ていない——同じ面の向きで返すと、上か下のどちらかで必ず外れます
- ⑤用具か球が原因——傷んだ球と、寿命の切れたラバーは真っすぐ返りません
①〜④は今日その場で変えられます。⑤だけは買い替えが要ります。上から順に試して、変えたときに球数が伸びたところが原因です。一度に全部変えないでください。何が効いたのか分からなくなります。
今すぐ確かめる手順:次に打つとき、続いた球数を声に出して数えるところから始めてください。「3球で切れる」のか「7球までは続く」のかで、見るべき原因が変わります。
そもそもラリーは「2人で作るもの」
ひとりで打つ素振りと違い、ラリーは相手が返せる球を返したときにだけ続きます。ここを分かっていないと、「自分の打ち方が悪い」と思い込んで、直しようのないところを直そうとしてしまいます。
卓球台は長さ2.74m・幅1.525m、床から76cmの高さにあります(ITTF競技規則 2.1.1)。ネットは真ん中にあり、上端は台の面から15.25cm(同 2.2.3)。つまり相手が構えている側はおよそ1.37m×1.525mの長方形で、その中のどこへ返すかを自分で選べるということです。
| 決めること | 続けるための答え | 理由 |
|---|---|---|
| 返す場所 | 相手のバック側(利き手と反対側)の真ん中あたり | 相手が動かずに打てるので、返ってくる球も安定します |
| 高さ | ネットの上を、こぶし2〜3つ分 | 低すぎるとネットに当たり、高すぎると台から出ます |
| 深さ | 相手のコートの真ん中より少し向こう | 手前すぎると相手が前に詰める必要があります |
| 速さ | いちばん遅くていい | 続けている間は速さに意味がありません |
この4つを先に決めておくと、「うまく打てたか」ではなく「決めたところへ行ったか」で自分の球を判断できるようになります。判断できると直せます。
今すぐ確かめる手順:相手と打ち始める前に、「10球続けるまではお互いバック側だけに返す」と声に出して決めてください。これだけで続く球数が変わります。
原因①|どこへ返すかを決めていない
いちばん多い原因です。来た球をとにかく返そうとすると、返る場所が毎回変わります。相手はそのたびに動かされ、動きながら打った球はまた別のところへ行きます。2〜3往復で成立しなくなるのは、技術ではなくこの連鎖のせいです。
直し方は単純で、返す場所を1か所に固定することです。相手のバック側の真ん中——ここだけを狙います。狙った場所に行かなくても構いません。狙っていること自体が効きます。
- お互いバック側だけに返す(クロス)
- 慣れたらお互いフォア側だけに返す
- 片方が決まった場所、もう片方は自由にする
- 最後に両方自由にする
どこへ返すかを選ぶ考え方そのものは卓球の配球で詳しく扱っています。続けるうちは「相手が打ちやすいところ」、試合では「相手が打ちにくいところ」——狙いが正反対になります。
原因②|球の落ちる場所に体が入っていない
腕を伸ばして届かせている状態です。届いてはいるので本人は打てたつもりになりますが、体から遠い場所で当てた球は、ラケットの面が安定しません。同じ振り方をしても、行き先が毎回変わります。
台の幅は1.525m。半分の位置に立てば左右それぞれ約76cmです。76cmは、横に一歩ずらせば届く距離です。走る必要はありません。打つ前に半歩ずらすだけで、体の正面で打てるようになります。
- 球を見てから動く——これで間に合います。速い球はまだ来ません
- 足を動かしてから振る——順番が逆になると腕だけになります
- 打ったら真ん中へ戻る——戻らないと、次の球で必ず遠くなります
動き方の型は卓球のフットワークにまとめました。続けるだけなら、覚えるのは横に一歩ずらす動き(寄り足)ひとつで足ります。
今すぐ確かめる手順:打ったあと、その場で足を1回だけ小さく踏み直すクセを付けてください。「戻る」を意識するより、踏み直すほうが体が覚えます。
原因③|強く打ちすぎている
続かない人の球は、たいてい速すぎます。速い球は相手が返せず、返ってきても勢いが揃わないので、そこで切れます。
知っておくと力が抜けるのが、台そのものがよく弾むという事実です。競技規則では、卓球台は30cmの高さから球を落としたときに、約23cm跳ね返ることと決まっています(ITTF 2.1.3)。落とした高さの8割近くが返ってくるということです。自分が力を加えなくても、球は前に飛びます。
| やっていること | 起きること | 代わりにやること |
|---|---|---|
| 腕を大きく速く振る | 台から出る/面がぶれる | 振る速さを半分にして、当てる場所を一定にする |
| 当てる瞬間に力を入れる | 球が上か横へ散る | 握りは軽いまま、当たった後も同じ力で振り抜く |
| 低く速く返そうとする | ネットに当たる | こぶし2〜3つ分の高さを通す |
「弱く打つ」ではなく「同じ強さで打つ」と考えてください。強さが毎回同じなら、飛ぶ距離も揃います。距離が揃えば続きます。
原因④|回転を見ていない
ここまでの3つを直してもまだ切れるなら、原因は回転です。相手の球に下回転がかかっていると、同じ面の向きで返した球はネットに落ちます。上回転なら台から出ます。打ち方は変えていないのに、あるときはネット、あるときはオーバー——これが回転を見ていない状態です。
| 相手の球 | 見分け方 | 返すときの面 |
|---|---|---|
| 下回転(切ってある) | 手前に落ちるように減速する | ラケットの面を上に向けて、下から前へ |
| 上回転(ドライブ) | 前へ伸びて弾む | ラケットの面をかぶせて、前へ押さえる |
| 回転が少ない | まっすぐ素直に来る | 面は立てたまま、当てて押す |
見分け方と返し方は卓球の回転、下回転を返す打ち方は卓球のツッツキとは?やり方・面の角度・浮かないコツにあります。
続ける練習をしている間は、お互いに回転をかけないと決めるのがいちばん早い解決です。「まっすぐ当てて返すだけ」でそろえてから、片方ずつ回転を混ぜていきます。
原因⑤|球とラバーが原因のこともある
打ち方の話ではないので見落とされますが、傷んだ球と、寿命の切れたラバーは続かない原因になります。
球——変形した球は真っすぐ跳ねない
球は直径40mm・重さ2.7gのプラスチックです(ITTF 2.3.1/2.3.2)。この大きさで薄いので、踏んだり落としたりすると、割れる前に丸くなくなります。丸くない球は、同じところに落としても違う方向へ跳ねます。「今日は調子が悪い」と思っていた原因が球だった、ということが実際に起こります。
練習用の球はまとめ買いのほうが1球あたりが安くなります。たとえばTWC スタート・トレーニングボール 40+(100球入り)(税込¥3,190)なら1球あたり約32円、Jトップトレ球 6個入(税込¥693)なら約116円です。試合球と練習球の違いは卓球の試合球と練習球の違いにまとめました。
ラバー——引っかからなくなると当たりがそろわない
ラバーの表面が硬くなって滑るようになると、同じように振っても、引っかかる球と滑る球が混ざります。本人はフォームを疑いますが、原因は表面です。交換の目安は使用80〜100時間——週3回・1回2時間なら4〜5か月ほどです。判断のしかたは卓球ラバーの張り替え時期と貼り方にあります。
入門用の1枚ならフレクストラ(税込¥2,200)のように2,000円台から選べます。ラバーの種類そのものの選び方は卓球ラバーの種類と選び方で扱っています。
続く球数を伸ばす順番——数えて増やす
「たくさん続けよう」では伸びません。いま何球続くかを数えて、そこから1段だけ上げるのが確実です。
| いまの状態 | 次の目標 | そのためにやること |
|---|---|---|
| 3球で切れる | 5球 | 返す場所をバック側だけに固定する |
| 5〜9球 | 10球 | 打ったあとに足を1回踏み直す |
| 10〜19球 | 20球 | 振る速さを一定にする(強く打たない) |
| 20球以上 | 50球 | 片方だけ場所を自由にする |
| 50球以上 | 回転を混ぜる | 片方が下回転を1本だけ入れる |
1回の練習で1段だけ上げてください。2段飛ばすと、どこまで戻せばいいのか分からなくなります。週ごとの練習の組み立ては卓球の練習メニューにあります。
今すぐ確かめる手順:今日の最高記録を1つだけメモしてください。数字が残っていると、次に何を変えたかが分かります。
相手のレベルが違うときの合わせ方
経験者と初心者が打つと、まず続きません。これは初心者の問題ではなく、合わせ方を決めていないからです。
- 経験者は「返しやすい球を出す係」に回る——同じ場所・同じ高さ・同じ速さで出す
- 初心者は「一定の球を返す係」——強く打たず、決めた場所へ返す
- 10球続いたら役を交代する——両方が「出す側」を経験すると早く揃います
教える側の立ち回りは卓球の教え方、球を出して打たせる練習のやり方は卓球の多球練習にまとめています。
相手がいないときにできること
続かない原因のうち②足の位置と③強く打ちすぎは、ひとりでも練習できます。
- 壁打ち——返ってくる球に合わせて足を動かす練習になります
- ボールつき——ラケットの面に当て続けると、当てる場所が一定になります
- 素振り——同じ強さで振る感覚をつくる
やり方と、部屋の広さの測り方は卓球の一人練習メニューにあります。家に台を置かずに打つ方法は家庭用の卓球セットで扱っています。
まとめ
ラリーが続かない原因は、①返す場所を決めていない ②球の場所に体が入っていない ③強く打ちすぎ ④回転を見ていない ⑤球やラバーが傷んでいるの5つです。上から順に1つずつ試してください。
いちばん効くのは①で、しかも今日できます。「相手のバック側の真ん中へ、こぶし2〜3つ分の高さで、いちばん遅い速さで返す」——これを2人で決めるだけで、続く球数は変わります。
そのうえで、続いた球数を毎回数えてください。数が残っていれば、次に何を変えるかが自分で決められるようになります。
- 卓球のフォアハンドの打ち方|初心者がまず覚える基本
- 卓球のバックハンドの打ち方|初心者向けのコツ
- 卓球初心者がやりがちなミスと直し方|逆引き早見表つき
- 卓球のフットワーク|3つの基本の動きと家でできる練習
- 卓球の一人練習メニュー|家・自宅で台がなくてもできる
- 卓球の多球練習|球出しのやり方とデメリット4つ
- 卓球の配球|初心者の試合は「どこへ返すか」で決まる
- 卓球の回転|上回転・下回転・横回転の見分け方と返し方
- 卓球初心者は何から始める?上達する練習の順番6ステップ
- 卓球で切り替えが振り遅れる3つの原因|フォアとバック
- 卓球ラバーの硬さ|数字の読み方と最初の1枚の決め方
- 卓球のカウンターとは|やり方とブロックとの違い
- 卓球の手打ちの直し方|自分で気づく方法と直す順番
用具えらびのチェックリスト(PDF)をお送りします
はじめて道具をそろえるときに「何を・どの順番で決めるか」を1枚にまとめたものです。印刷して、そのままお店で使えます。あわせて、ラバーを貼った状態で届く貼り上がり完成ラケット(来春の予約企画)の先行案内もお届けします。
