卓球の練習試合|やり方と当日の流れ・持ち物

【本記事について】
本記事は「卓球スタートショップ」が運営する情報メディア「卓球はじめの一歩」の記事です。記事内で紹介している商品には、当店で販売しているものが含まれます。

練習試合を組むとき、最初に決めることは4つです。何ゲームでやるか・どう組むか・誰が審判をやるか・記録をどう残すか。このうちゲーム数は競技規則が決めていません。ITTF 2.12.1は「1マッチは奇数ゲームで争う」とだけ定めていて、3ゲームか5ゲームかはその場で決めてよいことになっています。

この記事では、ゲーム数の決め方、リーグとトーナメントの使い分け、サーブ権とコートの決め方(ここは規則がはっきり決めています)、当日の進み方、審判と記録の回し方、アドバイスをどこまでしてよいか、持ち物までをまとめます。条文は番号を添えます。

公式の大会に出るときの流れは卓球の試合の流れとマナー、持ち物の一覧は卓球の試合の持ち物にあります。この記事は自分たちで組む練習試合だけを扱います。

まず即答|決めるのは4つだけ

練習試合を組むときに決める4つ
  1. 何ゲームでやるか——規則は「奇数ゲーム」としか決めていない(ITTF 2.12.1)。時間から逆算して決める
  2. どう組むか——人数が少なければ総当たり(リーグ)、多ければ勝ち上がり(トーナメント)
  3. 誰が審判をやるか——待っている人が入る。先に決めておかないと毎回もめる
  4. 記録をどう残すか——紙1枚で足りる。得点板があると数え直しが速い

練習試合は「小さい大会」ではありません。台の数と時間に対して、何本打てるかを最大にするのが目的です。だから決め方も、公式戦に合わせるより回るかどうかで選んでください。

今すぐ確かめる手順:次の練習試合の前に、「台は何台・人は何人・時間は何分」の3つを紙に書いてください。この3つが決まれば、ゲーム数も組み方も自動的に決まります。

何ゲームでやるか|時間から逆算する

ITTF 2.12.1は「1マッチは奇数ゲームで争う」と定めるだけで、何ゲームかは条文で決まっていません。公式戦では大会の要項が決めますが、練習試合では自分たちで決めます。

形式先取1試合のおよその時間向いている場面
1ゲームのみ——約10分人数が多い。とにかく回したい
3ゲームマッチ2ゲーム先取約20〜35分いちばん使いやすい。練習試合の標準
5ゲームマッチ3ゲーム先取約35〜55分人数が少ない。公式戦に近い形でやりたい

1試合にどれくらいかかるかの計算は卓球の試合時間は何分?にまとめました。台数 × 時間 ÷ 1試合の時間で、その日に何試合できるかが先に分かります。

点数は11点先取のまま

ゲーム数は自由でも、1ゲームの点数は変えないでください。ITTF 2.11.1は11点先取、10オールなら2点差がつくまでと定めています。ここを7点などに変えると、デュースの練習ができなくなります。競った場面の練習こそ、練習試合でやる価値のあるところです。

組み方|リーグかトーナメントか

組み方向いている人数1人あたりの試合数特徴
総当たり(リーグ)3〜6人人数−1試合全員が同じ試合数。1回負けても終わらない
勝ち上がり(トーナメント)8人以上1〜(枠の段数)試合早く終わる。ただし1回戦で負けた人は1試合しかできない
リーグ→決勝トーナメント8〜16人3試合+α全員に試合数を保証しつつ、最後に順位をつけられる

練習試合では総当たり(リーグ)が向きます。目的が「試合数を増やすこと」だからです。勝ち上がりだけにすると、いちばん練習が必要な人が1試合で終わります

ITTF 3.7.4.4も、団体戦と個人戦の予選はノックアウトでもグループ(リーグ)でもよいとしています。リーグの順位の決め方(勝ち点・三つ巴のとき)は卓球のリーグ戦、トーナメント表の読み方は卓球のトーナメント表の見方にまとめています。

人数が台数で割り切れないとき

待ち時間が出ます。その時間を審判・記録・球拾いに割り当てると、全員が動いている状態になります。順番は先に紙に書いて貼り出してください。「次は誰」を毎回相談すると、そこで時間が消えます。

サーブ権とコートの決め方|ここは規則が決めている

ゲーム数は自由でしたが、試合の始め方は規則がはっきり決めています。練習試合でもこの形を使ってください。そのまま公式戦の練習になります。

手順内容条文
① くじで決める最初のサービス・レシーブ・コートを決める権利はくじで決めるITTF 2.13.1
② 勝った側が1つ選ぶ「先にサーブ」「先にレシーブ」「どちらのコートから始めるか」のどれか1つだけ選べるITTF 2.13.1
③ 残りをもう片方が選ぶ片方が選んだら、もう片方が残りの選択をするITTF 2.13.2

「勝った側が全部決める」ではありません。ここを間違えたまま覚えている人が多いところです。くじはラケットを回す・じゃんけん・コインなど、方法は決まっていません。

試合中に切り替わるもの
  1. サーブは2点ごとに交代。10オール以降は1点ごと(ITTF 2.13.3)
  2. ゲームごとにコートを替える
  3. 最終ゲームは、どちらかが5点に達したらエンド交代(ITTF 2.13.7)

この3つ目を忘れると、最終ゲームだけ条件が偏ります。点数の数え方は卓球の点数の数え方にまとめました。

当日の進み方

練習試合の1日の流れ
  1. 準備——台・ネットの高さ・順番表・記録用紙。ネットは15.25cm(ITTF 2.2.2)
  2. あいさつと段取りの共有——ゲーム数・組み方・審判の回し方を、はじめに全員へ1回だけ言う
  3. 練習(打ち合い)——相手と打ち合う時間を先に決めておく
  4. 試合——順番表のとおりに進める。終わった台から次を入れる
  5. 片づけとふり返り——記録用紙を回収する。勝敗より「何本続いたか」を見る

ゲームとゲームの間・タオルを使うタイミング

場面決まり条文
ゲームとゲームの間最大1分ITTF 3.4.4.1.1
タオルを使う各ゲームの開始から6点ごとと、最終ゲームのエンド交代のときITTF 3.4.4.1.2
タイムアウト1マッチに1回・最大1分。ラリーの合間に手で「T」ITTF 3.4.4.2

練習試合でこの時間を守ると、1台あたりの回転が読めるようになります。ゲーム間に3分も話し込むと、その日にできる試合数が半分になります。

審判と記録|誰がやるか

練習試合でいちばんもめるのが、ここです。先に決めておくのが唯一の解決策になります。

決め方中身向いている場面
負けた人が次の審判試合が終わった人がそのまま次の台に入る人数が少ないとき。いちばん回る
次に試合をする人が審判自分の1つ前の試合を見る相手の球を見られるので、試合の準備にもなる
順番表に審判も書いておく事前に割り当てる人数が多いとき

審判の手順(コールのしかた・迷う場面の判定)は卓球の審判のやり方にまとめています。中学生が任されたときに何をすればよいかを、順番に書いた記事です。

記録は紙1枚で足りる

残すのは対戦・ゲームカウント・点数の3つだけで十分です。リーグ戦の順位はゲームの比・点数の比まで見て決めるので(ITTF 3.7.5.2)、ゲームカウントは必ず書いてください

点を数え間違えたときに戻しやすくするなら、得点板があると速くなります。当店ではミニカウンター3が¥2,200で、得点0〜21・ゲーム数0〜5まで表示できます。選び方は卓球の得点板にまとめました。

記録を紙からスマホに移したい方へ。団体戦の合計点・トーナメントの勝ち上がり図・リーグ戦の星取表と順位が、結果を入れるだけで出る無料ツール。部員名簿からの入力、記録用紙の写真取り込み、使う前に決めておくことは卓球の試合記録アプリ|団体戦・トーナメント表・星取表をスマホでにまとめています。

アドバイスはどこまでしてよいか

練習試合だからといって、ラリー中に大声で指示を出すのは公式戦の練習になりません。規則の線は次のとおりです。

アドバイスの決まり
  1. ラリー中はできない——それ以外ならいつでもよい(ITTF 3.5.1.3)
  2. 個人戦は、あらかじめ届け出た1人だけ(ITTF 3.5.1.2)
  3. 団体戦は、競技領域にいることを認められた人なら誰でも(ITTF 3.5.1.1)

練習試合では「ラリーが終わってから言う」だけ守れば十分です。この1つを徹底すると、選手が自分で判断する時間が生まれます。カードと罰点の決まりは卓球のイエロー・レッドカードにまとめました。

今すぐ確かめる手順:次の練習試合で、「ラリー中は何も言わない」を1日だけ全員で守ってみてください。終わったあとに、選手自身が何を考えていたかを聞くと、普段のアドバイスがどれだけ判断を奪っていたかが分かります。

持ち物

公式戦と違い、練習試合では会場側がそろえる物個人が持つ物を分けて考えます。

誰が用意するか
会場(主催する側)台・ネット・練習球・順番表・記録用紙・得点板・救急用品
個人ラケット・シューズ・ウェア・タオル・飲み物・替えのシャツ

練習球はまとまった数が要ります。当店ではTWC スクール・トレーニングボール 40+(100球入り)が¥3,850です。試合球と練習球の違いは卓球の試合球と練習球の違いにあります。

個人の持ち物の一覧は卓球の試合の持ち物、部の備品の考え方は卓球部の備品と初期費用にまとめています。

ゼッケンは要るか

練習試合では、ゼッケンを求められないことがほとんどです。相手校と合同でやる場合は、事前に確かめてください。書き方と大きさは卓球のゼッケンの付け方と書き方にまとめました。

相手校と組むときの段取り

他校と練習試合をする場合、先に決めておくことが増えます。当日に相談すると、その分だけ打つ時間が減ります。

事前に決めておく6つ
  1. 日時と場所——集合時刻ではなく開始時刻を決める
  2. 人数——何人ずつ来るか。台の数で組み方が変わる
  3. ゲーム数と組み方——3ゲームマッチか、1ゲームか。リーグか勝ち上がりか
  4. ——どちらが用意するか。途中で足りなくなると止まる
  5. 審判の回し方——自校で回すか、相手校と交互か
  6. 終了時刻——決めておかないと、最後の試合が途中で終わる

顧問になったばかりで段取りが分からない場合は、卓球部の顧問になったらに最初の1か月でやることをまとめています。

よくある質問

Q練習試合は何ゲームでやるのが普通ですか
A.決まりはありません。ITTF 2.12.1は「1マッチは奇数ゲームで争う」とだけ定めています。人数と時間から逆算して、3ゲームマッチか1ゲームを選ぶのが現実的です。
Q点数を7点先取などに変えてもいいですか
A.練習試合なので禁じられてはいませんが、勧められません。11点先取で10オールから2点差(ITTF 2.11.1)という形にしておかないと、競った場面の練習ができなくなります。
Qサーブ権はじゃんけんで決めていいですか
A.構いません。ITTF 2.13.1は「くじで決める」としているだけで、方法は決めていません。大事なのはその次で、勝った側が選べるのは「先にサーブ」「先にレシーブ」「コート」のどれか1つだけ。残りはもう片方が選びます(2.13.2)。
Q最終ゲームで途中にコートを替えるのはなぜですか
A.ITTF 2.13.7が「最終ゲームは、どちらかが5点に達したらエンド交代」と定めているためです。光や風の条件が偏らないようにするためのものです。
Q審判は誰がやればいいですか
A.先に決めておくことがすべてです。「負けた人が次の審判」「次に試合をする人が審判」のどちらかが回ります。手順は卓球の審判のやり方にあります。
Qベンチから声をかけてもいいですか
A.ラリー中はできません(ITTF 3.5.1.3)。それ以外の時間なら構いません。練習試合では「ラリーが終わってから言う」だけ守れば十分です。
Q記録には何を書けばいいですか
A.対戦・ゲームカウント・点数の3つで足ります。リーグ戦の順位はゲームの比や点数の比まで見て決めるので(ITTF 3.7.5.2)、ゲームカウントは必ず残してください。

まとめ

練習試合で決めるのは4つです。何ゲームでやるか・どう組むか・誰が審判をやるか・記録をどう残すか。このうちゲーム数は規則が決めていないので、台数 × 時間 ÷ 1試合の時間から逆算して決めます。

組み方は総当たり(リーグ)が向きます。目的が試合数を増やすことだからです。勝ち上がりだけにすると、いちばん練習が必要な人が1試合で終わります。

一方で、試合の始め方は規則のとおりにしてください。くじで決め、勝った側は「先にサーブ」「先にレシーブ」「コート」のどれか1つだけ選び、残りをもう片方が選ぶ(ITTF 2.13.1/2.13.2)。ここをそのまま練習しておくと、公式戦で迷いません。

そしてラリー中は何も言わない。これだけで、選手が自分で判断する時間が生まれます。

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