本記事は「卓球スタートショップ」が運営する情報メディア「卓球はじめの一歩」の記事です。記事内で紹介している商品には、当店で販売しているものが含まれます。
卓球ラバーの「硬さ」は、スポンジの硬さのことです。数字が小さいほど軟らかく、軟らかいほどボールがスポンジに沈む時間が長くなり、軽い力で飛び、回転がかけやすく、コントロールしやすい。硬いほど力が要る代わりに、強く打ったときの威力が出ます。
ただし硬さの数字はメーカーごとに物差しが違い、社をまたいで比べられません。バタフライの「35」とエクシオンの「47.5」はどちらも軟らかめの部類です。当店で扱うラバー224点のうち170点に硬さの数字がありますが、読むときは同じメーカーの中で比べます。
この記事は硬さの数字の読み方・軟らかいと硬いで何が変わるか・最初の1枚をどちらから選ぶかだけを扱います。ラバーの種類(裏・表・粒高)と系統は卓球ラバーの種類と選び方、厚さは別の話なので卓球ラバーの厚さの選び方にまとめています。
まず即答|最初の1枚は「同じシリーズの軟らかいほう」
- 硬さ=スポンジの硬さ——数字が小さいほど軟らかい。厚さ(1.9mm・2.1mm)とは別の項目
- 軟らかい=つかむ・軽い力で飛ぶ・回転をかけやすい/硬い=力が要る・強打で威力
- メーカーをまたいで数字を比べない——バタフライの35とヴィクタスの45は同じ「軟らかめ」
- 迷ったら同じシリーズの「ソフト」「S」のほう——値段は同じで、硬さだけが違う
最初の1枚で硬さに悩む必要はありません。ラバーの種類で「高弾性か、扱いやすいテンション」を選べば、その中は軟らかめ〜中間の硬さがほとんどです。硬さが問題になるのは、2枚目以降で「もっと威力が欲しい」となったときです。
今すぐ確かめる手順:いま使っているラバーがあれば、商品ページで「スポンジ硬度」の行を探してください。数字とメーカー名をメモしておくと、次の1枚を「同じメーカーの中で少し硬い/軟らかい」と決められます。
硬さの数字はメーカーごとに物差しが違う
当店で扱うラバー224点のうち、商品ページに硬さの数字があるのは170点です。ところがその数字は、メーカーごとに別の基準で測られています。同じ「軟らかめ」でも、数字がまったく違います。
| メーカー | 当店の裏ソフトで見られる数字 | 書き方の特徴 |
|---|---|---|
| バタフライ | 32〜44 | 「バタフライ社内基準値」と明記。数字が全体に小さい |
| ニッタク | 20〜50 | 一部の商品は「ドイツ基準」を併記(例=37.5(ドイツ基準:47.5)) |
| ヤサカ | 30〜52° | 「45〜50°」のように幅で書く |
| ヴィクタス | 40〜55 | 「42.5±3」のように誤差つき |
| エクシオン | 37.5〜57.5 | 数字が全体に大きい |
| スティガ | 42.5〜57.5° | 「硬度(基準)」と書く |
| ティバー | 46〜51.5 | 「メーカー基準」と明記 |
| ジュウイック(Dr.Neubauer) | M・MS・MH | 数字ではなく記号 |
いちばん分かりやすい証拠がニッタクの表記です。ファスターク G-1(¥7,480)の商品ページには「スポンジ硬度:37.5(ドイツ基準:47.5)」と2つの数字が並んでいます。同じスポンジでも、物差しが違えば数字が10変わるということです。
だから「硬度40以下を選べ」のようなメーカーをまたいだ数字の目安は成り立ちません。バタフライの38(スレイバー)は同社の中では硬めですが、エクシオンの38なら最も軟らかい部類になります。
今すぐ確かめる手順:候補が2枚あるなら、メーカー名が同じかを先に見てください。同じなら数字で比べられます。違うなら数字は比べず、商品説明の「軟らかめ」「ソフト」「ハード」の言葉で見ます。
軟らかいと硬いで何が変わるか
硬さが変えるのは、ボールがスポンジに沈む深さと時間です。軟らかいスポンジはボールが深く沈み(これを「食い込む」と言います)、長くつかんでから離れます。硬いスポンジは沈みが浅く、すぐに離れます。
| 軟らかいスポンジ | 硬いスポンジ | |
|---|---|---|
| ボールの沈み | 深い。つかむ時間が長い | 浅い。すぐ離れる |
| 軽く打ったとき | よく飛ぶ・回転がかかる | 飛ばない・回転が薄い |
| 強く打ったとき | 沈みきって威力が頭打ち | 力がそのまま球に乗る |
| コントロール | つかむぶん狙いやすい | 当たりが薄いと飛ばない |
| 向く人 | 力が弱い・基礎を作る段階 | 力がある・強打で勝負する段階 |
メーカーの説明も同じことを言っています。スティガ DNA プロ S(¥7,590・42.5°)は「ボールをつかむ時間が増し、コントロール性能に優れる」、同じシリーズのDNA プロ H(¥7,590・50°)は「力強いボールを出すことができる」。値段は同じで、硬さだけで役割が変わっています。
今すぐ確かめる手順:ラバーが貼ってあるラケットが家にあれば、親指の腹でラバーの真ん中を押してください。深く沈んで指の形が残るなら軟らかめ、ほとんど沈まないなら硬めです。2本あれば押し比べると差がはっきり分かります。
同じシリーズの「硬さ違い」で見比べる
硬さの意味をいちばん体感しやすいのは、同じシリーズで硬さだけが違う商品です。シート(表面のゴム)が同じで、スポンジの硬さだけが違うので、差がそのまま「硬さの差」になります。
| シリーズ | 軟らかい | 中間 | 硬い | 税込 |
|---|---|---|---|---|
| ヤサカ ラクザ7 | ラクザ7ソフト 37〜42° | ラクザ7 45〜50° | ラクザ7ハード 47〜52° | 各¥6,380 |
| スティガ DNA プロ | DNA プロ S 42.5° | DNA プロ M 47.5° | DNA プロ H 50° | 各¥7,590 |
| ヤサカ マークV | マークV 30° 30〜35° | マークV (標準) | — | 各¥3,520 |
| エクシオン ヴェガ | ヴェガ ヨーロッパ 42.5 | ヴェガ アジア 47.5 | — | 各¥5,280 |
ヤサカはラクザ7ソフト(¥6,380)を「柔らかいスポンジを採用することでよりコントロール性を高めたモデル」、マークV 30°(¥3,520)を「ボールの食い込みを最大にした、最も軟らかいマークV」と説明しています。エクシオンはヴェガ ヨーロッパ(¥5,280)を「42.5°の柔らかめスポンジでボールを掴む感覚が分かりやすく、初中級者の技術習得に向く」と位置づけています。
価格は税込で、毎日自動で照合しています。同じシリーズなら値段は同じなので、硬さで損得は出ません。
今すぐ確かめる手順:部活の先輩や同じ教室の人が上の表のどれかを使っていたら、1球打たせてもらってください。自分のラバーと同じシリーズなら、その差がそのまま硬さの差です。
数字だけでは分からないこと|シートの硬さ
硬さの数字はスポンジのものです。ところがラバーはシート(表面のゴム)+スポンジの2層で、シートにも硬い・軟らかいがあります。同じ数字でも、シートが硬ければ全体は硬く感じます。
ティバーのエボリューション EL-D(¥7,810・硬度46)の商品ページには「トップシートが強いため、スポンジ硬度の数値よりもラバー全体はやや硬く感じます」と書かれています。メーカー自身が、数字と打感がずれることを認めている例です。
だから硬さは「数字で決める」のではなく、「数字で当たりをつけて、同じメーカーの中で1段ずつ動かす」ものです。一度に2段以上動かすと、打ち方まで変えることになります。
今すぐ確かめる手順:次に買い替えるときは、いまの硬さから同じメーカーで1段だけ動かしてください。例=ラクザ7ソフト(37〜42°)→ラクザ7(45〜50°)。そこで打感が合えば止め、合わなければ戻します。
硬さの数字がまだ体感と結びつかないうちは、卓球ラケット診断で候補を絞ってから、商品ページの表記を読み直すほうが早く決まります。
初心者はどちらから始めるか
軟らかめ〜中間からです。理由は3つあります。①軽い力で飛ぶので、振り切る前のフォームでもラリーが続く②つかむ時間が長いので回転の感覚が分かる③強打の威力が頭打ちになるのは、強打ができるようになってからの話。
ラバーの種類で勧めている「高弾性」のマークV(¥3,520)やスレイバーEL(¥3,520・35)は、どちらも各社の中では軟らかめ〜中間です。「扱いやすいテンション」のロゼナ(¥5,500・35)も同じ帯です。種類を先に決めれば、硬さは自然と軟らかめ側に収まります。
硬めから入って困るのは、当たりが薄いと飛ばないので強く振る癖がつくことです。強く振ると戻りが遅れ、ラリーが続かない原因になります。
今すぐ確かめる手順:候補の商品ページで「ソフト」「柔らかめ」「軟らかめ」「食い込み」のどれかの言葉があるかを見てください。あれば軟らかめ側です。「ハード」「硬め」「威力」が中心なら、2枚目以降に回します。
硬さと厚さは別の項目|混ぜて考えない
商品を選ぶ画面で「厚さ」を選ぶので、硬さと厚さを同じものだと思いやすいのですが、別の項目です。厚さはスポンジの厚み(1.9mm・2.1mmなど)、硬さはスポンジの硬さ(30・45など)で、同じ商品の中で選べるのは厚さだけです。
| 厚さ | 硬さ | |
|---|---|---|
| 何のこと | スポンジの厚み(mm) | スポンジの硬さ(数字) |
| どこで決まる | 注文時に自分で選ぶ | 商品(型番)で決まっている |
| 規則 | 接着剤込みで4.05mm未満(ITTF 2.4.3) | 規則なし |
| 詳しい記事 | ラバーの厚さの選び方 | この記事 |
厚さの決め方は卓球ラバーの厚さの選び方に、規則で決まっている上限は卓球の公認マーク(JTTA)にまとめています。
今すぐ確かめる手順:商品ページの「選択肢」の欄を見てください。そこにあるのは厚さ(と色)だけです。硬さを変えたいなら、別の型番(ソフト版・ハード版)を探すことになります。
硬さの数字が無い商品はどう読むか
当店で扱う224点のうち54点には、硬さの数字がありません。その場合は系統の名前で当たりをつけます。
- 高弾性——軟らかめ〜中間が中心。基礎づくりの帯
- テンション——軟らかめから硬めまで幅広い。商品説明の「ソフト」「ハード」の言葉で見る
- 粘着——硬めが中心。上級者向けの帯
系統の違いは卓球ラバーの種類と選び方の「3系統」の章にあります。
今すぐ確かめる手順:数字が無い商品を候補にするなら、同じメーカーの数字がある商品と説明文を読み比べてください。「◯◯より軟らかい」「◯◯の姉妹品」のように、同社の別商品を基準にした説明が多くあります。
よくある質問
まとめ
ラバーの硬さはスポンジの硬さで、軟らかいほどつかむ・軽い力で飛ぶ・回転をかけやすい。硬いほど力が要り、強打の威力が出ます。
数字はメーカーごとに物差しが違うので、同じメーカーの中でだけ比べます。ニッタクの「37.5(ドイツ基準:47.5)」がその証拠です。
最初の1枚は種類を先に決めて、同じシリーズの軟らかいほう。2枚目からは同じメーカーで1段ずつ動かします。厚さは別の項目なので混ぜて考えません。
用具えらびのチェックリスト(PDF)をお送りします
はじめて道具をそろえるときに「何を・どの順番で決めるか」を1枚にまとめたものです。印刷して、そのままお店で使えます。あわせて、ラバーを貼った状態で届く貼り上がり完成ラケット(来春の予約企画)の先行案内もお届けします。
