卓球部の備品と初期費用|顧問が最初に買うもの

【本記事について】
本記事は「卓球スタートショップ」が運営する情報メディア「卓球はじめの一歩」の記事です。記事内で紹介している商品には、当店で販売しているものが含まれます。

部として最初に買うのは練習球・ネット・サポート・球かご・得点板の5つです。部員10人・台4台の部で当店の実売価格を積み上げると、初年度が約42,000円、2年目からは約16,000円で回ります。

金額が大きく見えるのは初年度だけです。サポートとネットは数年もつので、翌年からは球とひもの補充が中心になります。逆に、球の買い足しだけは止まりません。

この記事で扱うのは学校が部の予算で買う分だけです。ラケット・シューズ・ウェアなど生徒の家庭が払う分の金額は中学の卓球部の費用|1年目にいくらかかるかを実売価格で計算にまとめてあります。

部が買うもの、生徒が買うもの——先に線を引く

線の引き方は1つだけ覚えれば足ります。台や場所につくものは部、1人が1つ持つものは生徒です。

  • 部が買う(台につく)=ネット、サポート(ネットを張る支柱)、得点板、フェンス
  • 部が買う(全員で共有する)=練習球、球かご、球拾いの道具、ネットの高さを測る器具
  • 生徒が買う(1人1つ持つ)=ラケット、ラバー、シューズ、ウェア、ラケットケース、ゼッケン

迷うのはサイドテープ・ラバー保護袋・クリーナーの3つです。これは個人のラケットにかかる出費なので原則は生徒の負担ですが、箱でまとめると1本あたりが下がるものがあり、部が箱で買って実費で配る形をとる学校もあります。判断材料は後の章で計算します。

先に線を引かないと、年度の途中で「これは部費で出ますか」と何度も聞かれ、そのたびに答えがぶれます。1枚の紙にして4月のうちに配ると、その後1年間は聞かれません。

今すぐ確かめる手順:紙を1枚出して真ん中に縦線を引き、左に「部が買う」、右に「家庭が買う」と書きます。上の3分類をそのまま写し、自分の学校の慣例と違うところだけ書き直します。ここまで5分です。

買う前に確かめる5つ

卓球部の備品は前の顧問が買い足してきた積み重ねなので、買う前に在庫を数えるだけで発注が半分になることがあります。順番は次の5つです。

  1. 備品台帳を見る。ネット・サポート・得点板・球拾いは学校の備品として登録されていることが多く、台帳にあるのに買うと二重になります。
  2. 倉庫の箱を全部開ける。球は箱のまま何年も眠っていることがあります。開けて数え、割れているものだけ捨てます。
  3. ネットの高さを測る。ネットの上端は打球面から15.25cmと決まっています(ITTF 2.2.3)。低いままだと、会場で「いつも入っていた球が入らない」ことが起きます。
  4. サポートのネジを1台ずつ回す。固まっていると台に付きません。付かないサポートは在庫として数えません。
  5. 支払い方法を事務室で聞く。学校の予算だと見積書や請求書払いを求められることがあります。ここで買える店が決まるので、商品を選ぶ前に聞きます。

今すぐ確かめる手順:ものさしを持って体育館へ行き、ネットの中央で打球面からネットの上端までを測ります。15.25cmより低ければ、ひもを締め直すか、伸びきっているネットだけを買い替えの対象にします。

数年もつもの(耐久品)——台と場所につく道具

サポートとネット(台の数だけ要る)

台1台につき1組です。台に挟んで固定するタイプの3WAYサポート&ネットセット ¥3,520 が金額をいちばん抑えられます。日本卓球協会の公認品が要る場合は、商品名に公認の表示があるものを選びます。VCサポートセット(JTTA公認) ¥7,150 がそれにあたります。同じ価格帯ではツーウェイ・サポートセット・イージー ¥7,150 もありますが、公認の表示は商品ページで確かめてください。そもそも公認品が要るかどうかは大会の要項で確認してください。

サポートは生きていてネットだけが伸びている場合は、ネット単体で買えます。卓球ネット 1000 ¥1,100、カラーネット ¥2,200。安いセット(¥3,520)を丸ごと買い直す場合と比べて1台あたり2,420円、公認のセット(¥7,150)と比べれば6,050円の差になります。

球かご・球拾い(部員が少ないほど効く)

多球練習(かごから球を次々に出して打たせる練習)をするなら、球を入れておく容器が要ります。メニーズボールバッグ ¥1,980、ヘクサム・ボールバッグ ¥2,200。段ボール箱でも代用できますが、口が広いものを使わないと球を取り出すたびに手が止まります。

拾う道具はボールスクープ ¥2,750、ボール・アミーゴ ¥2,750。部員の数が少ないほど、1人が拾いに使う時間の割合が増えます。まず手で拾ってみて、拾う時間が気になったら買う、で間に合います。

得点板とネットゲージ(試合の形をつくる道具)

校内戦や、生徒に審判を経験させる練習で使います。ミニカウンター3 ¥2,200、プチカウンター2 ¥2,420、体育館の後ろからも見える大きさならJLカウンター ¥4,730 です。

ネットの高さを測る器具は部に1つで足ります。ネットハイ ¥330、VICTAS NET HIGH GAUGE ¥440。台の高さと張りを毎回そろえるための道具で、300円台で買える割に効き目が大きい部類です。

フェンス(球が転がっていかないよう台の周りを囲む仕切り)はチューブフェンス ¥9,350。台の周りを囲む数をそろえると金額の桁が変わるので、初年度は後回しにできます。理由は削る順番の章で書きます。

今すぐ確かめる手順:体育館で台の数を数え、そのうちネットが実際に張れている台が何台あるかを数えます。その差が、いま買うサポートの数です。

1年で消えるもの(消耗品)——金額の大半は練習球

毎年出ていく金額のほとんどは球です。練習球はまとめ買いの単位で1球あたりが変わるので、当店の価格を球数で割った額を並べます。

練習球(まとめ買い)価格球数1球あたり
TWC スクール・トレーニングボール 40+¥3,850100球38.5円
VT40+ トレーニングボール¥3,850100球38.5円
バタフライトレーニングボール40+¥6,380120球約53円
VC40+トレーニングボール¥6,600120球55円
プラセレクトボール¥7,260120球60.5円
Cトップトレ球(業務用)¥49,500600球82.5円

試合球は別の値段です。VP40+ 3スター 1ダース ¥3,828 は1球あたり319円で、練習球のいちばん安い段と比べると8倍以上ひらきます。練習を試合球で回すと予算が持たないのはこの差が理由です。どこで使い分けるかは卓球の試合球と練習球の違いに書いてあります。

何球買うかは「多球に使う台の数」から出す

目安は多球練習に使う台1台につき100球です。かごに100球入れて出し切り、まとめて拾う——これを1セットにすると、練習の区切りと球数が一致するので数えやすくなります。台が4台あっても、多球に使うのが2台なら200球です。そこに割れたぶんの入れ替え用を足して、300球から始めます。

ネットひもも消耗品です。切れた日に練習が止まるので、予備を先に持ちます。ネットひも サイドセット ¥110、ネットひも(短)【4本入り】 ¥110。

今すぐ確かめる手順:いま倉庫にある球の箱に、油性ペンで「開けた日」と「入っていた数」を書きます。次に買うときに何か月もったかが分かり、それがそのまま翌年の予算要求の根拠になります。

部員10人・台4台で積み上げる

台は学校の備品としてすでにある前提で、部が買う分だけを数えます。耐久品と消耗品を分けてあるのは、学校によって申請の枠が別々になっているためです。

耐久品(数年もつ)単価小計
3WAYサポート&ネットセット¥3,5204台分14,080円
メニーズボールバッグ¥1,98023,960円
ボールスクープ¥2,75012,750円
プチカウンター2¥2,42024,840円
ネットハイ¥3301330円
耐久品の小計25,960円
消耗品(毎年かかる)単価小計
TWC スクール・トレーニングボール(100球)¥3,850311,550円
VP40+ 3スター(試合球1ダース)¥3,82813,828円
ネットひも(短)【4本入り】¥1102220円
消耗品の小計15,598円
部員10人・台4台の合計
  1. 初年度=41,558円(耐久品 25,960円 + 消耗品 15,598円)
  2. 2年目以降=15,598円(消耗品のみ。ネットが伸びた年だけ1,100円から足す)
  3. 部員1人あたりにならすと、初年度で約4,200円、2年目からは約1,600円

この表に台本体は入っていません。台は金額の桁がひとつ違い、購入も学校の指定業者を通す形になることが多いためです。サイズと種類は卓球台の選び方にまとめてあります。

今すぐ確かめる手順:自分の部の人数と台数を「10人・4台」に置き換えて掛け直します。変わるのはサポートの数(台数と同じ)と球の数(多球に使う台数×100球)だけで、得点板・球拾い・ネットハイの数はほぼ変わりません。

まとめ買いは「1本あたり」を割ってから決める

箱で買えば安くなる、とは限りません。入数で割ってから単品と比べると、下がるものと下がらないものがはっきり分かれます。

品目箱で買うと1本(1枚)あたり単品の例
サイドテープサイドテープPLAY 10mm(10本) ¥3,080308円STIGAエッジテープJP 10mm ¥550
サイドテープエッジ・プロテクター2(12本) ¥3,696308円同上
ラバー保護袋ラバー保護袋(10枚) ¥3,850385円
クリーナークリーンミスト2(6本) ¥3,630605円デイリークリーナー ¥550

サイドテープは箱にすると1本308円まで下がり、単品の¥550と比べて1本あたり242円の差が出ます。部員10人分をそろえるなら、この差が2,000円を超えます。一方でクリーナーは6本入りにしても1本605円で、単品の¥550を上回ります(メーカーが違うので、内容量も商品ページで見比べてください)。箱だから安い、ではなく、割ってみて安いものだけを箱で買うのが正しい順番です。

なお、サイドテープもラバー保護袋も、生徒それぞれのラケットに使う消耗品です。部で箱買いして実費で配るか、各自に買わせるかは学校のお金のルール次第なので、事務室に先に確認してください。手入れの手順そのものは卓球ラバーの手入れ・メンテナンス方法にあります。

今すぐ確かめる手順:買い物かごに入れる前に、電卓で「価格 ÷ 入数」を計算し、単品の値段の横に並べて紙に書きます。下がっていないものは箱で買わず、必要な本数だけ単品で買います。

台とネットには寸法の規格がある

サポートを買い替えるとき、「うちの台に付くのか」でつまずきます。先に数字を押さえておくと迷いません。

  • 打球面(ボールを打つ面)は長さ2.74m・幅1.525mで、床から76cmの高さ(ITTF 2.1.1)
  • 打球面に天板の垂直な側面は含まない(ITTF 2.1.2)=角に当たれば入り、横っ腹に当たれば入らない、の根拠がこれです
  • 標準球を30cmの高さから落とすと約23cm跳ね返る(ITTF 2.1.3)
  • ネットの上端は打球面から15.25cm(ITTF 2.2.3)
  • 支柱の高さは15.25cmで、支柱の外側はサイドラインの15.25cm外側まで(ITTF 2.2.2)

備品を買う立場で効いてくるのは、下の2つの条文です。

ひとつ目は横幅です。ネットは台の左右に15.25cmずつはみ出します(ITTF 2.2.2)。つまり台の幅1.525mに対して、サポートまで含めると1.8m以上の幅を取ります。台を詰めて並べている体育館では、新しいサポートを付けた瞬間に隣の台とぶつかることがあります。買う前に、台と台の間隔をメジャーで測ってください。

ふたつ目は天板の厚みです。サポートは台の天板を挟み込んで固定します。挟める厚みの範囲は製品ごとに決まっているので、厚みが合わないと届いた日に付きません。いま付いているサポートを1台だけ外し、天板の厚みをものさしで測っておきます。

今すぐ確かめる手順:ものさしで天板の厚みを測り、その数字を手帳の同じページに書いておきます。次にサポートを注文するときは、商品ページの対応厚みとこの数字を見比べるだけで判断できます。

予算が足りないときに削る順番

基準は1つです。それが無いと練習が止まるかどうか。止まらないものから下に落としていきます。

  1. 削れない=練習球。球が無いと練習が始まりません。何を削ってもここは残します。
  2. 削れない=サポートとネット。張れない台は台として使えないので、台数分は必要です。
  3. 球かご。口の広い段ボール箱で代用できます。買うのは翌年でも構いません。
  4. 得点板。紙とペンで代用できます。ただし生徒に審判をやらせる練習を始めるときは、その学期に買います。
  5. 球拾いの道具。手で拾えます。部員が減って拾う時間が延びてきたら買います。
  6. 最初に削る=フェンス。台の周りを囲む数をそろえると金額の桁が変わります。無くても練習はできて、増えるのは球を拾いに行く時間だけです。

3番以降を全部落とすと、練習球300球(11,550円)+サポート4台分(14,080円)+ネットひも(220円)で25,850円。これが「10人・4台の部で、これ以上は削れない」線です。予算がこれを下回るときは、削るところが無いので、球の等級を下げる(1球38.5円の段を選ぶ)か、サポートを壊れた台の分だけにするかの2択になります。

削る判断で迷ったときの3つ
  1. 代用できるかで決める(かご=箱、得点板=紙、拾う道具=手)
  2. 数がそろっていないと困るかで決める(サポートは台数分ないと困る、得点板は1つでも試合形式ができる)
  3. 来年に回せるかで決める(耐久品は来年でも同じ値段、球は今年使う分が今年要る)

今すぐ確かめる手順:買いたいものを紙に書き出し、それぞれの横に「無いと練習が止まる/止まらない」を書きます。止まらないと書いたものを線の下へ移すと、残った順番がそのまま買う順番になります。

生徒に案内する分(部費では買わないもの)

生徒側の負担はラケット・シューズ・ウェア・ラケットケース・ゼッケンの5つです。1年目の合計金額は中学の卓球部の費用で実売価格から計算してあるので、保護者に説明するときはそのまま使えます。

顧問側でやっておくと、あとが楽になるのは次の3つです。

  1. そろえるもの一覧を1枚配る。買い間違い(屋外用のシューズを買ってきてしまう、ラバーが貼っていないラケットだけ買ってしまう、など)が減ります。
  2. 買う期限を決める。「連休明けまで」のように日付を切ると、そろわない生徒が最後まで残るのを防げます。
  3. ゼッケンピンだけは部で予備を持つ。試合当日に忘れる生徒が必ず出ます。ゼッケンピン ビードロ ¥330。ゼッケンの大きさと書き方は卓球のゼッケンの付け方と書き方にあります。

団体戦に出るならシャツの色を先に決める

団体戦に出るチームの選手は服装をそろえます。ただし靴下と靴はそろえなくてよいと条文に例外として書かれています(ITTF 3.2.2.7)。また、対戦する相手とは、観客が見分けられるだけ十分に色の違うシャツを着ることになっており(ITTF 3.2.2.8)、似た色でどちらが着替えるか合意できないときは審判のくじで決まります(ITTF 3.2.2.9)。

つまり、チームで1色だけそろえると会場で着替えを求められることがあります。色の系統が違う2着目を、人数分そろうかどうかで選ぶのが実務です。当店ではチームでそろえるシャツの売場に、同じ色で人数分そろえられるものを集めてあります。公認マークが要るかどうかは大会の要項に書かれているので、そこも先に読んでください。

今すぐ確かめる手順:今年度の保護者会の日付をカレンダーで確認し、その1週間前を「そろえるもの一覧を配る日」として登録します。一覧の中身は、上の5つ(ラケット・シューズ・ウェア・ケース・ゼッケン)を書き写すところから始めれば足ります。

よくある質問

Q. 卓球台は部の予算で買うものですか
A. まず備品台帳を見てください。体育館にすでにある場合が多く、台は他の備品と金額の桁が違います。買い足す場合も学校の指定業者を通す形になることが多いので、事務室に聞くのが早道です。サイズや種類の見方は卓球台の選び方にあります。

Q. 練習球は何球あればいいですか
A. 多球練習に使う台1台につき100球からです。かごに入れて出し切り、まとめて拾うのを1セットにすると数えやすくなります。台4台のうち2台で多球をするなら200球、割れたぶんの入れ替え用を足して300球が出発点です。

Q. 練習で試合球を使ってはいけないのですか
A. 使ってはいけない決まりはありません。値段が違うだけです。当店の価格で計算すると練習球は1球38.5円から、試合球は1ダース¥3,828を12で割って1球319円です。毎日の練習を試合球で回すと予算が持たないので、試合前に感触を合わせる時期だけ使う形が現実的です。

Q. 顧問が卓球未経験でも備品はそろえられますか
A. 用具をそろえる作業に経験は要りません。台の数とネットが張れている台の数を数え、多球に使う台数×100球で球の数を出せば発注は決まります。練習の中身のほうで迷うようなら卓球の教え方を読んでみてください。それでも判断がつかないときはお問い合わせから相談できます。

Q. 予算の申請はいつ、どう出せばいいですか
A. 締切は学校ごとに違うので事務室に確認してください。ただ、消耗品(球・ひも)と備品(サポート・得点板・球拾い)で申請の枠が分かれている学校があります。この記事の表を耐久品と消耗品で分けてあるのは、そのまま申請書に写せるようにするためです。

Q. ネットは何年で買い替えますか
A. 年数ではなく高さで判断します。ひもを締め直しても打球面から15.25cm(ITTF 2.2.3)にならなくなったら替えどきです。ネットだけなら¥1,100から買えるので、サポートごと買い直す前に測ってください。

まとめ

顧問が最初にやる5手
  1. 備品台帳と倉庫を見て、いま何がいくつあるかを数える
  2. 台の数とネットが張れている台の数を数え、その差だけサポートを買う
  3. 多球に使う台数×100球で球の数を決める(1球38.5円の段から選べる)
  4. 耐久品と消耗品に分けて申請する(10人・4台なら初年度41,558円、翌年から15,598円)
  5. 部と家庭の線引きを1枚の紙にして4月のうちに配る

初年度に大きく見える金額は、その大半がサポートとネットという数年もつ買い物です。ここを一度そろえてしまえば、翌年からは球とひもの補充だけになります。まず今日、体育館に行って台の数とネットが張れている台の数を数えるところから始めてください。

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