本記事は「卓球スタートショップ」が運営する情報メディア「卓球はじめの一歩」の記事です。記事内で紹介している商品には、当店で販売しているものが含まれます。
ラバーを買おうとすると、同じ商品なのに「厚」「特厚」「1.9」「MAX」といった選択肢が並んでいて、どれを選べばいいのか分からなくなります。結論から書くと、はじめての1枚は「中厚」(数値表記なら1.8mm前後)が基準です。
この記事では、厚さとは何の厚さか・厚いと何が変わるか・自分はどれを選ぶべきかを順に説明します。ラバーの種類(裏ソフト・表ソフト・粒高)から決めたい方は卓球ラバーの種類と選び方を先にお読みください。
厚さは、いちど決めたら次の張り替えまで変えられません。ラバーはおおむね80〜100時間の使用で性能が落ちて張り替えの時期になるので、その間ずっと付き合う選択になります。
まず即答|はじめての1枚は「中厚」。慣れてきたら「厚」
厚さは細かく分かれていますが、初心者が実際に選ぶのは3つだけです。
| こんな人 | 選ぶ厚さ | 理由 |
|---|---|---|
| 中学生以上で、これから始める | 中厚(1.8mm前後) | 弾みとコントロールのバランスがよく、上達しても使い続けられる |
| 小学生・力に自信がない | 中(1.7mm前後) | 軽くなり、ラケットを振り切りやすい |
| 振り切れるようになってきた | 厚(1.9mm前後) | 弾みが上がり、安定して威力を出せる |
| ラリーが続き、威力がほしい | 特厚/MAX(2.1mm前後) | 威力が出る。ただし飛びすぎるので、当てるだけでは入らなくなる |
この3つ以外(薄・極薄)は、カット型や粒高など、特定の戦い方をする人が選ぶ厚さです。初めての1枚で選ぶ理由はほとんどありません。
今すぐ確かめる手順:今使っているラバーの箱かパッケージを見てください。「厚」または「1.9」と書いてあれば、そのまま同じ厚さで買い替えるのが安全です。厚さを変えると、同じラバーでも打った感じが変わります。
ラバーの「厚さ」は、どこの厚さか
卓球のラバーは2層でできています。表面のゴム(トップシート)と、その下のスポンジです。商品ページに書かれている「1.9mm」「厚」という表記は、下のスポンジの厚さを指すのが一般的で、表面のゴムは含みません。
- トップシート(表面のゴム):ボールをつかんで回転をかける層
- スポンジ:ボールを受け止めて弾き返す層。ここの厚さが「厚さ」
スポンジは、打ったときにボールの力でつぶれて、元に戻る力でボールを飛ばします。厚いほど大きくつぶれる=そのぶん強く弾き返す——これが「厚いと弾む」の中身です。
今すぐ確かめる手順:手持ちのラバーの側面を、指で軽くつまんでみてください。白っぽいスポンジの層が見えます。その厚みが表記されている数値です。
表記が2種類ある|「厚・特厚」と「1.9・2.1」
厚さの書き方はメーカーによって違います。言葉で書くメーカーと、数値(mm)で書くメーカーがあり、同じ売り場に両方が並びます。
| 表記 | 目安の厚さ | 主な使いどころ |
|---|---|---|
| 極薄 | 1.3mm前後 | 粒高・カット型など、限られた用途 |
| 薄 | 1.5mm前後 | コントロール重視。台の近くで細かく操作したい人 |
| 中 | 1.7mm前後 | 軽くて振りやすい |
| 中厚 | 1.8mm前後 | はじめての1枚の基準。中と厚の中間 |
| 厚 | 1.9mm前後 | 振り切れるようになってから。バランス型 |
| 特厚/MAX | 2.1mm前後 | 威力重視。慣れてから |
たとえば当店で扱っているヤサカ マークV(¥3,520)は「極薄・薄・中・中厚・厚・特厚」の言葉表記、バタフライ フレクストラ(¥2,200)は「1.7/1.9」の数値表記です。どちらの書き方でも、指しているものは同じスポンジの厚さです。
なお「MAX」は、そのラバーで作れるいちばん厚い仕様という意味です。商品によっては「特厚」と「MAX」が別の選択肢として並ぶことがあります。
今すぐ確かめる手順:商品ページで厚さの選択肢を見たら、数値なら1.7〜1.8、言葉なら「中厚」を探してください。どちらも見つからない商品は、その厚さの取り扱いがないということです。
厚さで変わる3つのこと
① 弾み|厚いほど飛ぶ
いちばん大きな違いです。厚いほどボールは速く、遠くまで飛びます。威力は出ますが、台に収める難しさも同時に上がります。力を伝えられていない初心者が特厚を使うと、飛びすぎて台を越えるミスが増えます。
② 回転|厚いほどかけやすい、ただし条件つき
スポンジが厚いと、ボールが深く食い込んでから飛び出すため、こすったときに回転が乗りやすくなります。ただしこれはラケットを振り切れている場合の話です。当てるだけの打ち方では、厚くしても回転は増えません。
③ 重さ|厚いほど重い
見落とされがちですが、実際にいちばん効いてくるのがこれです。スポンジが厚いぶん、ラバー1枚あたりの重さが増えます。ラケットには両面にラバーを貼るので、この差は2枚ぶんになります。
ラケットが重くなると、振り遅れが起きます。相手の球が速くなるほど間に合わなくなり、「フォームは悪くないのに当たらない」という状態になります。小学生や、腕力に自信がない方が中厚をすすめられるのは、この理由です。
今すぐ確かめる手順:ラケットを持って、肘を支点に10秒間できるだけ速く振ってみてください。10秒もたないなら、いまの用具は重すぎます。厚さを1段階下げると変わります。
厚いラバーが合わない3つのサイン
特厚にしたのに調子が上がらないときは、次のどれかが起きています。
- 打った球が台を越えていく:弾みが自分の力加減より大きい
- ツッツキやストップが浮く:台上で止められず、相手に打たれる
- ラリーの後半で振り遅れる:重さが原因。前陣で戦う人ほど響く
どれか2つ当てはまるなら、次の張り替えで1段階だけ薄くしてみてください。2段階いっぺんに変えると、今度は飛ばなくなって別の悩みが生まれます。張り替えの時期と手順は卓球ラバーの張り替え時期と貼り方にまとめてあります。
今すぐ確かめる手順:練習でミスの種類を10本数えてください。ネットにかかるミスが多いなら厚さは足りています。台を越えるミスが半分以上なら、厚さが自分に対して過剰です。
厚さだけを単独で決める必要はありません。卓球ラケット診断は板とラバーをひと組で出すので、厚さもその中で決まります。
薄いラバーを選ぶのはどんな人か
薄いラバーは「初心者向け」ではなく、目的があって選ぶものです。
| 選ぶ人 | 厚さ | ねらい |
|---|---|---|
| カット型 | 薄〜中 | 球を弾ませずに、低く切って返す |
| 粒高を使う人 | 極薄〜薄 | 相手の回転を利用して返す。弾みは不要 |
| 台の近くで細かく操作したい人 | 中 | ストップやツッツキを止めやすい |
カット型の用具の考え方はカットマンになるにはで扱っています。戦い方が決まっていない段階で薄いラバーを選ぶと、攻撃に転じたときに球が飛ばず、行き詰まります。
今すぐ確かめる手順:自分の戦い方が決まっていないなら、薄いラバーは選ばないでください。「厚」から始めて、必要になってから下げるほうが遠回りになりません。
フォアとバックで厚さを変えるべきか
変えても構いません。実際に、フォアを厚く・バックを1段階薄くする組み合わせはよく使われます。フォアは振り切って威力を出す面、バックは体の前で操作する面、と役割が違うためです。
ただし最初の1本では、両面同じ厚さで揃えるほうが分かりやすいです。打った感じが左右で違うと、うまくいかない原因が厚さなのかフォームなのか切り分けられなくなります。
中学生のフォアとバックの決め方は中学生の卓球ラバーで費用も含めて具体的に扱っています。
今すぐ確かめる手順:両面同じ厚さで3か月使い、バック側だけミスが多いと感じたら、そのとき初めてバックを1段階薄くしてみてください。
バック面の厚さ・硬さ・種類をどの順で動かすか知りたい方へ。3つのサインと順番、同じ値段で硬さだけ違う姉妹品、両面同色が不可の規則(ITTF 2.4.6)は卓球のバック面のラバーにまとめています。
厚さの上限はルールで決まっている
好きなだけ厚くできるわけではありません。国際卓球連盟(ITTF)の競技規則で、貼った状態の厚さに上限があります。
- スポンジ付きのラバー:接着剤を含めて4.0mm以内(4.05mm未満)
- 一枚ラバー(スポンジなし):接着剤を含めて2.0mm以内(2.05mm未満)
市販のラバーはこの範囲に収まるように作られているので、売っているものを普通に貼るかぎり、違反になることはありません。「特厚」が2.1mm前後で止まっているのは、表面のゴムと接着剤を足しても4mmを超えないためです。
気をつけるのは、古いラバーの上に新しいラバーを重ねて貼るような場合です。厚さの上限を超えるだけでなく、まともに打てません。張り替えるときは必ず古いラバーをはがしてください。
今すぐ確かめる手順:大会に出る前に、ラケットの側面を見て、ラバーが浮いていないかを確かめてください。浮きは厚さ以前の問題として、用具検査で指摘される対象です。
当店で厚さを選べるラバー
厚さは商品ページで色といっしょに選びます。初心者が選びやすい3点を、価格の低い順に挙げます。
| 商品 | 価格 | 選べる厚さ |
|---|---|---|
| バタフライ フレクストラ | ¥2,200 | 1.7/1.9(数値表記) |
| ヤサカ マークV | ¥3,520 | 極薄・薄・中・中厚・厚・特厚 |
| ヤサカ ラクザ7ソフト | ¥6,380 | 中厚・厚・特厚 |
フレクストラはコントロール重視の高弾性ラバーで、はじめての1枚に向きます。マークVは厚さの選択肢がいちばん広く、「中厚にするか厚にするか」で迷っている段階でも選び切れます。ラクザ7ソフトは柔らかいスポンジでボールをつかむ感覚があり、ドライブを覚える段階に向いた1枚です。
マークVには「皮付」という表記の選択肢もあります。これはスポンジ表面の皮を残した仕様で、厚さの展開が通常品と一部異なります。初めて買う方は、皮付でないほうを選んでおけば迷いません。
今すぐ確かめる手順:商品ページで色と厚さを両方選ぶまでカートに入りません。組み合わせによっては選べないことがあるので、第2希望の厚さも決めてから開くと、買い物が1回で終わります。
よくある質問
まとめ
ラバーの厚さはスポンジの厚さのことで、厚いほど飛び、厚いほど重くなります。威力とコントロール、そして振りやすさの折り合いをつける数字です。
はじめての1枚の基準は「中厚」(1.8mm前後)。振り切れるようになってきたら「厚」(1.9mm前後)。特厚は、ラリーが続くようになってからで間に合います。
迷ったらミスの種類で決めてください。台を越えるミスが多いなら薄く、ネットにかかるミスが多いならそのまま。用具は打ち方に合わせて後から変えられます。
- 卓球ラバーの種類と選び方|裏ソフト・表ソフト・粒高
- 卓球ラバーの張り替え料金と時期|1回いくら・80〜100時間の目安・貼り方
- 中学生の卓球ラバー|フォアとバックの決め方・交換時期
- 卓球ラケットの選び方|初心者向けに4つの軸で解説
- 小学生の卓球ラケットの選び方|低学年・高学年の目安
- 卓球ラバーの手入れ|クリーナーと保護シートの選び方
- 卓球のドライブの打ち方|下回転を持ち上げるコツとループ・スピードの違い
- 卓球ラバーの色のルール|両面同じ色はNG・青や桃は可
- 卓球の表ソフト・粒高ラバー|裏ソフトとの違いと選び方
- 卓球ラバーの値段|相場と両面でいくらかかるか
- 卓球ラバーの硬さ|数字の読み方と最初の1枚の決め方
- 卓球の粘着ラバー|テンションとの違いと選ぶ目安
用具えらびのチェックリスト(PDF)をお送りします
はじめて道具をそろえるときに「何を・どの順番で決めるか」を1枚にまとめたものです。印刷して、そのままお店で使えます。あわせて、ラバーを貼った状態で届く貼り上がり完成ラケット(来春の予約企画)の先行案内もお届けします。
