卓球ラケットの寿命と買い替え時期|4つのサインで判断

【本記事について】
本記事は「卓球スタートショップ」が運営する情報メディア「卓球はじめの一歩」の記事です。記事内で紹介している商品には、当店で販売しているものが含まれます。

ラケットの板(ブレード)に、「何年で寿命」という決まった年数はありません。ラバーは消耗品なので使えば必ず替えることになりますが、板は手入れをすれば何年も使えます。実際、部活の3年間を1本で通す人は珍しくありません。

替えどきは年数ではなく状態で判断します。サインは4つ——反った・縁が欠けた・打球音が変わった・グリップが滑る。このうち反りだけは、競技規則が求める「ブレードは平らで硬いこと」(ITTF 2.4.1)から外れるため、使い続けるかどうかの問題ではなくなります

この記事では、4つのサインの見分け方と、寿命を延ばすためにやることを扱います。ラバーの替えどきはラバーの張り替え時期と貼り方、選び方そのものは卓球ラケットの選び方にあります。

まず即答|替えどきは4つのサインで決める

板を替えるか判断する4つ
  1. 反った——平らでなくなった。規則の条件から外れます
  2. 縁が欠けた・ささくれた——ラバーが端から浮いてきます
  3. 打球音と手ごたえが変わった——中の合板がはがれかけている可能性があります
  4. グリップのニスが剥げて滑る——これは替えずに直せます

4つのうち直せるのは4番目だけです。1〜3は板そのものの変化なので、進行すると戻りません。つまり手入れの目的は、この3つを起こさないことにあります。

今すぐ確かめる手順:ラケットを机の上に置き、横から目線を落として見てください。板と机のあいだにすき間ができていれば反っています。次に指で縁をなぞり、引っかかりがあればささくれです。ここまで10秒で確認できます。

なぜ「何年」で決まらないのか

競技規則では、ブレードの厚さの85%以上が天然木でなければならないと定められています(ITTF 2.4.2)。カーボンなどの補強材を入れる場合も、全体の厚さの7.5%か0.35mmの薄いほうを超えられません。つまりラケットの板は、ほぼ木でできています

木は、湿気を吸えば膨らみ、乾けば縮みます。したがって板の寿命を決めるのは使った年数ではなく、置かれた環境です。同じ2年でも、汗のついたまま袋に入れ続けたものと、乾かしてケースに入れていたものでは状態がまったく違います。

もう一つの要因がラバーの張り替えです。剥がすたびに板の表面はわずかに削れます。接着剤の種類や剥がし方によって削れ方は変わりますが、年数より張り替えた回数のほうが板には効いてくると考えたほうが実際に合います。

サイン① 板が反った(規則の「平らで硬い」から外れる)

競技規則の第一条件は「ラケットの大きさ・形・重さは自由。ただしブレードは平らで硬いこと」です(ITTF 2.4.1)。大きさも重さも決められていないのに、平らであることだけは決められています。反った板は、この条件から外れます。

反りは、たいてい片面だけラバーを貼った状態で放置するか、濡れたまましまうことで起きます。片面だけラバーがあると、そちらの面だけ湿気の出入りが止まるためです。

反りを見つける方法
  1. 平らな机に置いて、横から見る。すき間が見えれば反っています
  2. 裏返して同じことをする。両面ともすき間がなければ平らです
  3. ラバーを剥がした状態で確認する。ラバーが貼ってあると分かりにくくなります

軽い反りなら、両面にラバーを貼って、平らなところで重しを載せて数日置くと戻ることがあります。ただし戻らないこともあり、戻す方法は保証できません。試合で使う予定があるなら、早めに次の1本を検討したほうが安全です。

サイン② 縁が欠けた・ささくれた

台や床にぶつけると、板の縁(エッジ)が欠けます。木の繊維が持ち上がった状態を「ささくれ」と呼びます。ここは見た目の問題にとどまりません。

規則では、打球面の材料はブレードの端まで覆い、それを超えてはいけないと定められています(ITTF 2.4.5)。縁が欠けると、そこからラバーが浮き、端が板からはみ出た状態になりやすくなります。また、条件を満たさない面で打つと相手の得点になります(ITTF 2.10.1.8)。

欠けたときの判断
  1. 浅い欠け——ラバーが浮いていなければ、そのまま使えます。サイドテープで広がるのを止めます
  2. ラバーが浮いてきた——貼り直します。浮いたまま打つと、そこから剥がれます
  3. 板の層が見えるほど欠けた——合板がはがれ始めている段階です。買い替えを検討します

今すぐ確かめる手順:ラバーの端を指で軽く押してください。浮いて動く場所があれば、そこが剥がれ始めています。押して戻るだけなら様子見、指が入るなら貼り直しの段階です。

サイン③ 打球音と手ごたえが変わった

板は薄い木を何枚か貼り合わせて作られています(5枚合板・7枚合板などと呼ばれます)。この接着がはがれ始めると、音が低く、こもった感じに変わります。同時に、打ったときの手ごたえも弱くなります。

見分け方はです。ラケットの中央を指ではじいて、「カン」ではなく「ボン」に近い音がするなら、内部の状態が変わっている可能性があります。

ただし音の変化はラバーでも起きます。張り替えた直後は音が変わりますし、ラバーが劣化しても変わります。板そのものを疑うのは、ラバーを剥がした状態で音が変わっているときです。ここを分けずに判断すると、まだ使える板を買い替えることになります。

サイン④ グリップのニスが剥げて滑る(これは直せる)

グリップの表面には、木を保護するためのニスが塗られています。汗で少しずつ落ち、剥げてくると手の中でラケットが回るようになります。「握力が落ちた」と感じる原因が、実はここにあることがあります。

直し方はグリップテープを巻くことです。上から巻けば滑らなくなり、¥440前後から手に入ります。そのかわりグリップが少し太くなるので、握り心地は変わります。

規則の上では、ハンドルを形づくるのに適した材料は付け加えてよいと明記されています(ITTF 2.4.4)ので、巻くこと自体は問題ありません。ただしラバー側にかかるとITTFのマークを隠すことになるので、ハンドルの範囲でとどめます(ITTF 3.2.1.3)。巻き方と注意点は卓球のグリップテープにまとめてあります。

なお、板そのものを削らないための道具は別にあります。ラバーを貼る前に打球面へ塗っておくコート剤で、剥がすときに木地が持っていかれるのを防ぎます。当店ではサーフェイザーラッカー 30ml(¥1,210・現在お取り扱いできません)やラケットプロテクター(¥1,320)があります。張り替えの回数が多い人ほど効いてきます

買い替えると決めたあとの1本選びには、卓球ラケット診断が使えます。持ち方と予算を答えるだけで、貼る道具まで含めた金額で候補が出ます。

寿命を延ばす手入れ|やることは4つだけ

毎日やることではありません。練習のあとに30秒と、月に1回の確認で足ります。

いつやること道具の例
練習のあと(毎回)ラバーの表面のほこりを取る。汗がついていたら拭くデイリークリーナー(¥550)/スポンジ
しまう前(毎回)ラバーに保護シートを貼る。空気に触れる時間を減らしますラバー保護シート(メンテナンス用品)
湿気が多い時期(週1)ケースから出して乾かす。濡れたまま密閉しないことヤサカラケットドライヤー(¥1,650・ケースに入れておく調湿材。天日に干せば繰り返し使えます)
ラバーを張り替えるとき貼る前に打球面へコート剤を塗る。剥がすときに木地が削れるのを防ぎますサーフェイザーラッカー(¥1,210・現在お取り扱いできません)/ラケットプロテクター(¥1,320)
月に1回反り・縁の欠け・ラバーの浮きを確認する道具は不要(目と指で確認)

やってはいけないこともあります。水洗いしない——木が水を吸って反ります。車の中に置いたままにしない——高温でラバーの接着が弱くなります。直射日光に当てて乾かさない——急に乾くと反りやすくなります。

サイドテープ(エッジテープ)は何のためにあるのか

板の側面に巻く細いテープです。装飾のように見えますが、目的は縁の保護です。台や床にぶつけたときに、直接木に当たらないようにします。

貼るとどうなるか
  1. ぶつけたときに欠けにくくなる。これがいちばんの目的です
  2. ラバーの端が浮きにくくなる。端を押さえる形になります
  3. 数グラム重くなる。気になるほどではありませんが、増えることは増えます

幅は8mm・10mm・12mmなどがあり、ラケットの厚さとラバーの厚さの合計に合わせて選びます。当店で扱っているものでは、STIGAエッジテープJP(起毛タイプ)ブラック 10mmが ¥550 です。迷ったら10mm——一般的な厚さのラバーを両面に貼った場合に合いやすい幅です。

貼るときの注意は1つ。打球面にかからないように貼ることです。ラバーの上に大きくかぶせると、ラバーに表示されているITTFのマークや供給者名を隠すことになり、これらはハンドルにいちばん近いところではっきり見えるように貼らなければならないと定められています(ITTF 3.2.1.3)。

幅を8mm・10mm・12mmのどれにするか迷っている方へ。板の厚みから幅を逆算する方法(当店の212本では5.5〜6.5mm未満が140本=10mmの帯)、素材の違い、貼り方6手順、貼らなくてよい人は卓球のサイドテープ|貼り方・幅の選び方・要るかどうかにまとめています。

しまい方|ケースと湿気

板を傷める原因の多くは、打つときではなくしまっているあいだに起きます。ぶつける・蒸れる・押しつぶされる——この3つです。

ケースの種類守れるもの向いている人
ソフトケース(袋型)ほこり・こすれ荷物を軽くしたい人。ぶつけには弱くなります
ハードケースぶつけ・押しつぶしバッグに詰めて運ぶ人。縁の欠けを防げます
2本入るケースぶつけ+予備の1本試合に出る人。ラケットが使えなくなったときの保険になります

当店ではCOLOR BLOCK RACKET CASE(¥1,760)や、ネルティオ・ハードフルケース(¥3,300)などを扱っています。種類ごとの違いは卓球のラケットケース・バッグの選び方にまとめてあります。

もう一つ、ケースに入れる前に汗を拭くこと。これだけで反りの原因の大半は減ります。密閉されたケースの中で汗が乾かないまま一晩置かれるのが、板にとっていちばん厳しい状態です。

今すぐ確かめる手順:今、自分のラケットケースを開けてみてください。中が湿っているか、汗のにおいがするなら、ラケットを出して1時間、風の通るところに置きます。これを練習のたびにやるだけで、板のもちが変わります。

ラバーの寿命とは別の話

ここまではの話です。ラバーは別で、こちらは使えば必ず劣化する消耗品です。2つを混同すると「ラケットの調子が悪い」の原因を取り違えます。

板(ブレード)ラバー
寿命年数では決まらない。状態で判断使うほど確実に落ちる
替える理由反り・欠け・内部のはがれ表面がすり減る・引っかかりがなくなる
目安3年もつことも珍しくない練習量によるが1年に1〜2回
先に疑うのは2番目1番目

「球が入らなくなった」と感じたら、まずラバーを疑ってください。板が原因であることは、そう多くありません。替えどきの見分け方はラバーの張り替え時期、日々の手入れはラバーの手入れ・メンテナンス方法にあります。

よくある質問

Qラケットは何年で買い替えるものですか?
A.年数では決まりません。反り・縁の欠け・打球音の変化がなければ使い続けられます。部活の3年間を1本で通す人もいます。
Q反ったラケットを試合で使うと反則ですか?
A.規則は「ブレードは平らで硬いこと」と定めています(ITTF 2.4.1)。審判がその場で計測するわけではありませんが、条件から外れている状態であることは確かです。見て分かるほど反っているなら、使わないほうが安全です。
Qラバーを剥がすと板は傷みますか?
A.わずかに削れます。ゆっくり、板と平行に引くようにすると削れる量を減らせます。一気に引き上げると木の表面がついてきます。
Qサイドテープは必ず必要ですか?
A.必須ではありません。ただし縁の欠けは元に戻らないので、¥550前後で防げるものとして貼っておく価値はあります。
Qグリップテープを巻くと重くなりませんか?
A.数グラム増えます。板の重さが10g違えば打感も変わりますが、グリップテープ1枚の差で振りにくくなることはまずありません。
Q水で洗ってもいいですか?
A.板は洗わないでください。木が水を吸って反ります。ラバーの表面は専用のクリーナーとスポンジで拭きます。
Qしばらく使わないときはどうしますか?
A.ラバーは貼ったまま、保護シートを貼って、湿気の少ないところに平らに置いてください。片面だけ貼った状態で長期間置くと反りやすくなります。

まとめ

ラケットの板に決まった寿命はありません。替えどきは反り・縁の欠け・打球音の変化・グリップの滑りの4つで判断します。このうち直せるのは4番目だけです。

とくに反りは、競技規則が求める「ブレードは平らで硬いこと」(ITTF 2.4.1)から外れます。机に置いて横から見る——それだけで確認できるので、月に1回は見てください。

手入れは練習後に拭く・保護シートを貼る・湿気を抜く・月1回確認するの4つで足ります。水洗いと車内放置と直射日光だけ避ければ、板は何年も使えます。調子が悪いと感じたら、板より先にラバーを疑ってください。

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はじめて道具をそろえるときに「何を・どの順番で決めるか」を1枚にまとめたものです。印刷して、そのままお店で使えます。あわせて、ラバーを貼った状態で届く貼り上がり完成ラケット(来春の予約企画)の先行案内もお届けします。

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