卓球の段位|初段の条件と取り方・費用の早見表

【本記事について】
本記事は「卓球スタートショップ」が運営する情報メディア「卓球はじめの一歩」の記事です。

卓球にも段位があります。ただし柔道や剣道と違い、試験を受けて取るものではありません。日本卓球協会の段級制規程では、初段の条件は「全日本選手権などの県代表、またはこれに相応する戦歴を有する者」。10段はオリンピックの個人戦優勝者です。そしてもう一つ、多くの人が知らない変更があります。「級」は2024年度以降、新規の認定を行っていません

この記事では、段位が2種類あること、戦績段位と名誉段位それぞれの条件、受けるために必要な資格、1段あたりの登録料、申請の流れ、級がどうなったか、そして中学生・高校生が現実的に狙うならどの道か、までをまとめます。出典は公益財団法人日本卓球協会「段級制規程」(2025年12月13日一部改訂)と「基本規程 第5章 登録」で、条文の番号を添えて書きます。

卓球を続けていくうえでの資格としては、審判の資格も関係します。審判のやり方そのものは卓球の審判のやり方にあります。この記事は段位という制度だけを扱います。

まず即答|初段は「県代表」から。級はもう新しく取れない

卓球の段位で最初に知っておく4つ
  1. 試験は無い——段位は大会の成績か、協会への貢献で認定される。受験して取るものではない(段級制規程 第6条)
  2. 初段の条件は「県代表またはこれに相応する戦歴」——全日本選手権などの都道府県代表。部活で強い、という段階では届かない
  3. もう一つの道が「名誉段位」——役員歴や指導、公認審判員の資格でも初段が認定される
  4. 級は2024年度以降、新規の認定を行っていない——規程にそう明記されている(第5条の注記)

柔道や剣道の段位を思い浮かべて「昇段審査があるのだろう」と考える人が多いのですが、卓球の段位は仕組みがまったく違います。成績が先にあって、それを申請すると認定される——この順番です。

今すぐ確かめる手順:自分や家族が段位を持っているかどうかは、日本卓球協会のウェブサイトに「段位取得者」の一覧があり、都道府県ごとに公開されています。まずそこを見ると、段位という制度の実際の規模感が分かります。

段位は2種類|戦績段位と名誉段位

段級制規程の第1条は、公認する段位を2種類と定めています。どちらも初段から10段までの10段階で、10段が最高位です。

種類何で認定されるか規程での位置づけ
戦績段位指定された大会での成績第1条3項=「第6条で指定する大会の成績により取得するもの」
名誉段位卓球の普及・発展への功績第1条4項=「卓球競技の普及、発展に顕著な功績のあった者に対し表彰及び感謝の意をもって贈られるべきもの」

第3条3項は、審査認定基準について「戦績段位、名誉段位とし併用も認める」と書いています。つまり片方だけでなく、両方の基準を合わせて判断されることがあります。

戦績段位の条件|初段から10段までの早見表

第6条が定める戦績段位の基準です。表の中の(A)〜(E)は、次の5つの大会を指します。

  • (A)全日本選手権大会(一般の部、ジュニアの部、団体の部、マスターズの部)
  • (B)全日本社会人選手権大会
  • (C)全日本実業団選手権大会
  • (D)国民スポーツ大会
  • (E)全日本クラブ選手権大会(一般の部のみ)
段位条件(段級制規程 第6条)
初段(A)〜(E)の県代表、またはこれに相応する戦歴を有する者
2段(A)(B)(C)(D)各大会で該当年度に2回勝った者、または都道府県大会優勝者。あるいは(A)(B)(C)に計3回出場した者
3段各大会で該当年度に3回勝った者、またはブロック大会優勝者。あるいは(A)(B)(C)に計5回出場した者
4段(A)(B)(C)(D)各大会のベスト8入賞者、またはこれに準ずる成績
5段各大会のベスト4入賞者、および国際試合の日本代表
6段各大会の優勝者、および国際試合の日本代表
7段全日本選手権大会(一般)個人戦の優勝者
8段アジア競技大会およびアジア選手権大会の個人戦優勝者
9段世界選手権大会の個人戦優勝者
10段オリンピック競技大会の個人戦優勝者

団体戦については、第6条の注記に「団体戦に於ける勝利回数は、チームの勝利回数をカウントする」とあります。また7段以上は、平成17年4月1日以降の実績に基づく贈呈段位とされています。

出場者には「取らなければならない」という定めがある

見落としやすい注記があります。第6条には、(A)(B)(C)の各大会について「出場者は段位を取得しなければならず、最初に取得した段位のまま以降の大会に出場することが出来る」と書かれています。つまりこれらの全国大会に出る人にとって、段位は選択ではなく前提です。

戦績段位の現実的な読み方
  1. 初段でも全国大会の県代表——部内で1番、市で勝てる、という段階の先にある
  2. 都道府県大会優勝で2段——初段より上の条件のほうが分かりやすい場合がある
  3. 7段から上は世界の話——全日本優勝で7段、オリンピック個人戦優勝で10段

名誉段位の条件|審判の資格でも初段が認定される

もう一方の名誉段位は、大会の成績ではなく、卓球への関わり方で認定されます。第6条2項に定められた基準です。

段位条件(いずれか)
初段① 役員歴(都道府県・区郡市町村の協会連盟)1〜2年 ② 加盟団体・区郡市町村・グループ等の指導者として活躍 ③ 公認審判員の資格取得者
2段① 役員歴3〜4年 ② 指導者として活躍 ③ 上級公認審判員の資格取得 ④ 国際審判員の資格取得者
3段① 役員歴5〜6年 ② 指導者として活躍 ③ 区郡市町村の理事長・副理事長 ④ 公認レフェリーの資格取得者
4段① 役員歴7〜8年 ② 加盟団体の理事長・副理事長 ③ 町村会長・副会長
5段① 役員歴9〜10年 ② 区郡市の会長・副会長 ③ 国際試合の監督・コーチ
6段① 役員歴11〜14年 ② 都道府県の会長・副会長
7段都道府県の会長・副会長および経験者で、役員歴15年以上で協会の運営発展に貢献(45歳以上)
8段① 協会役員として貢献 ② 加盟団体の会長・副会長および経験者で貢献(50歳以上)
9段協会の会長・副会長および経験者で貢献(55歳以上)
10段協会の会長・副会長および経験者で貢献(60歳以上)

この表でいちばん実際的なのは、初段の③ 公認審判員の資格取得者です。選手として県代表になるのは難しくても、審判の資格を取るという道は、大人にも中高生にも開かれています。審判がどういう仕事かは卓球の審判のやり方にまとめました。

受けるための資格|協会の登録会員であること

段級制規程 第2条は、「段位を受審するものは本協会登録会員であること」と定めています。まずここが入口です。

登録会員の種別は、日本卓球協会の基本規程 第40条に定められています。この種別は、次の章で見る段位の登録料にも関わるので、自分がどれに当たるかを先に確かめてください。

種別略称対象者年間の登録料
第1種一般年齢を制限しない一般、および第2〜7種に所属しない選手1,500円
第2種日学連日本学生卓球連盟に所属する選手1,100円
第3種高体連全国高等学校体育連盟卓球専門部に所属する選手900円
第4種中学生中学生の選手700円
第5種小学生小学生以下の選手700円
第6種教職員全国教職員卓球連盟に所属する選手1,500円
第7種日本リーグ日本卓球リーグ実業団連盟に所属する選手1,500円
第8種役職者当該年度19歳以上の、加盟団体の役員・顧問・部長・監督・コーチ等1,500円

第39条の注記に、役職者登録だけでは選手としての活動はできないこと、第40条に、役職者登録は当該年度19歳以上であることが書かれています。また第43条4項により、役職者と選手は兼ねて登録できます

登録は都道府県の加盟団体を通じて行い(第44条)、登録地は居住地・勤務先・学籍地のいずれかがある都道府県です(第41条)。中学・高校の部活に入っている人は、多くの場合すでに学校を通じて登録されています。

今すぐ確かめる手順:部活に所属している人は、顧問の先生に「自分は協会に登録されていますか」と聞いてください。大会に出た経験があるなら、ほぼ登録されています。登録されているかどうかが、段位の話の出発点です。

費用|1段10,000円。中学生・高校生は4,000円

段級制規程 第4条は、「登録料は1段10,000円とし、既に段位を取得している者は、差額の登録料を納める」と定めています。そして第4条2項で、登録会員の種別によって特例の金額が設けられています。

取る段位第1種・第6種・第7種・第8種第2種(大学生)第3種・第4種・第5種(高校生・中学生・小学生)
初段10,000円6,000円4,000円
2段20,000円
(初段から上げる場合は10,000円)
16,000円
(初段から10,000円)
10,000円
(初段から6,000円)
3段30,000円
(2段から10,000円)
26,000円
(2段から10,000円)
20,000円
(2段から10,000円)

4段以降の登録料に特例はありません(第4条の注記)。また、この登録料には加盟団体への交付金が含まれると書かれています。

第4条3項には、「本協会の発展に貢献し日本卓球の名声を高めた者に対し登録料を免除する場合がある」という定めもあります。

認定されると何が届くか

第5条は「本協会は、認定証とバッジを送付する。段位者はすべて本協会に登録される」と定めています。認定証とバッジ、そして公開されている段位取得者の一覧への掲載——これが段位の中身です。

申請の流れ|初段〜3段と4段以上で経路が違う

第3条が審査と認定の方法を定めています。段位の高さで、誰が審査するかが変わります

段位申請するのは審査するのは認定するのは
初段〜3段本人(本協会登録会員)都道府県加盟団体の長日本卓球協会
4段〜10段都道府県加盟団体の長日本卓球協会 段級制委員会日本卓球協会

つまり初段から3段までは自分で申請します。4段から上は、自分ではなく都道府県の加盟団体の長が申請する形になります。

申請の具体的な窓口や書式は都道府県ごとに違うため、自分が登録している都道府県の卓球協会(連盟)に問い合わせるのが確実です。日本卓球協会も、段級制についてはこの案内をしています。

「級」はどうなったか|2024年度以降は新規認定なし

段級制規程 第5条には、次の一文が注記として入っています。

規程に書かれている一文
  • 「2024年度以降、新規の級認定は行わない」(段級制規程 第5条)

この規程は2024年3月16日に一部改訂され、2024年4月1日から施行されました。古い記事や掲示板に「卓球の級の取り方」が書かれていることがありますが、いまから新しく級を取ることはできません

なお、いま見ている段級制規程そのものは2025年12月13日に一部改訂され、2026年4月1日から施行されています。制度は数年ごとに改訂されているので、実際に申請するときは日本卓球協会のウェブサイトで最新版を確かめてください

中学生・高校生が現実的に狙うなら

ここまでを踏まえて、部活で卓球をしている中高生の立場から整理します。

条件現実性
戦績段位で初段全日本選手権などの県代表、またはこれに相応する戦歴県の上位まで届く力が要る。学年でひと握り
戦績段位で2段都道府県大会優勝者条件としては初段より具体的。県で勝てば届く
名誉段位で初段公認審判員の資格取得者いちばん手が届く。都道府県の協会が開く講習を受ける道

3つ目に注目してください。名誉段位の初段は「公認審判員資格取得者」で認められます。審判の資格は、選手としての成績とは別の軸です。部活で審判を任される機会が多い人、大会の運営を手伝ったことがある人にとっては、この道のほうが近いことがあります。

審判を任されたときの手順は卓球の審判のやり方、大会そのものの仕組みは卓球の団体戦の人数は何人?にまとめています。

そして、段位が無くても大会には出られます。段位は出場の条件ではなく、成績に対して後からつく記録です。(A)(B)(C)の全国大会に出る人だけは、第6条の注記により取得が求められます。

今すぐ確かめる手順:自分の都道府県の卓球協会のウェブサイトを開いて、「審判」または「公認審判員」のページを探してください。講習会の開催予定が出ていれば、それが名誉段位の初段につながる入口です。

よくある質問

Q卓球の段位は試験で取れますか
A.取れません。段級制規程 第6条が定めているのは、指定された大会の成績(戦績段位)か、役員歴・指導・審判資格などの貢献(名誉段位)です。昇段審査という仕組みがありません。
Q級はもう取れないのですか
A.新規の認定は行われていません。段級制規程 第5条に「2024年度以降、新規の級認定は行わない」と明記されています。
Q段位を持っていると大会で有利になりますか
A.組み合わせやシードは各大会の要項で決まるもので、段級制規程には段位による優遇の定めがありません。段位は認定証とバッジ、そして協会への登録という形で残ります。
Q段位はゼッケンに書きますか
A.大会によって記載する項目が違います。要項に従ってください。ゼッケンの書き方と大きさは卓球のゼッケンの付け方と書き方にまとめています。
Q大人から始めた人でも段位は取れますか
A.取れます。名誉段位の初段は「公認審判員資格取得者」「指導者として活躍」「役員歴1〜2年」のいずれかで、選手としての成績を問いません。大人の始め方は大人から卓球を始めるにはにあります。
Q費用は1回だけですか
A.段位ごとに納めます。1段あたり10,000円が原則で、すでに段位がある人は差額を納めます(第4条)。中学生・高校生・小学生は特例で初段4,000円です。
Qどこに申し込めばいいですか
A.初段から3段は本人が申請し、都道府県の加盟団体の長が審査します(第3条)。窓口と書式は都道府県ごとに違うため、自分が登録している都道府県の卓球協会(連盟)に問い合わせてください。

まとめ

卓球の段位に昇段審査はありません。認定されるのは、指定された大会の成績(戦績段位)か、卓球への貢献(名誉段位)です。どちらも初段から10段までの10段階です。

戦績段位の初段は全日本選手権などの県代表、またはこれに相応する戦歴。2段は都道府県大会優勝者。7段が全日本選手権(一般)個人戦の優勝者で、10段はオリンピック個人戦の優勝者です。

名誉段位の初段は公認審判員の資格取得者でも認められます。選手としての成績が届かなくても、この道は開かれています。

費用は1段10,000円が原則で、中学生・高校生・小学生は特例で初段4,000円。初段から3段までは本人が申請し、都道府県の加盟団体の長が審査します。そして級は2024年度以降、新規の認定を行っていません

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