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卓球の団体戦は、4つのシングルスと1つのダブルス、合わせて5試合を戦い、先に3勝したチームが勝ちです。ただし試合をどの順番でやるかは大会によって違います。令和8年度の全国中学校卓球大会の要項ではS・S・D・S・S(3番目がダブルス)、一方、日本卓球ルールが定める4シングルス1ダブルスの順序はダブルスが1番目です。同じ「4単1複」でも並びが違うので、自分が出る大会の要項を開くのが最初の一手になります。
この記事では、要項と競技規則の原文にそって、人数・試合の順番・誰が誰と当たるか・オーダーの決め方・タイムアウトを順に整理します。団体戦のメンバーに初めて入った人と、当日ベンチの外から見守る保護者の方の両方が読めるように書きました。
団体戦は「5試合のうち3勝」で決まる
団体戦は、チーム対チームの戦いです。中学・高校でよく行われるのは4シングルス1ダブルスの5試合という形で、先に3勝したチームがそのチーム戦の勝ちになります。1試合ずつは、ふだんの個人戦とまったく同じルールで行います。
大事なのは、1試合ごとの点差は関係ないということです。11対0で勝っても11対9で勝っても、チームにとっては同じ「1勝」です。だから団体戦では「誰がどの相手に当たるか」——つまりオーダー——が結果を左右します。
個人戦と何が違うのか
個人戦は、負けたらその日が終わります。団体戦は2つ負けてもまだ終わりません。ここが体感としていちばん大きな違いです。
| 個人戦 | 団体戦 | |
|---|---|---|
| 勝敗の決まり方 | 自分が勝てば勝ち | 5試合のうち3勝したチームの勝ち |
| 1敗の重み | その場で終わり | 残り4試合で取り返せる |
| 自分の役割 | 自分の試合だけ | 出ていない時間も、記録・応援・準備がある |
| 勝った/負けた後 | 次の試合まで待つ | チームの試合はまだ続いている |
団体戦を初めて経験した人が驚くのは、自分が負けた直後にもチームの試合が続いていることです。個人戦なら悔しがっている時間がありますが、団体戦では次の選手の準備が始まっています。逆に、自分が勝っても、その場で喜びきることはありません。この切り替えは慣れが要るので、初めての人は「そういうものだ」と先に知っておくだけで違います。
団体戦の決まりは大会ごとに要項で指定されます。人数・順番・何点先取か・タイムアウトの扱いは、すべて要項の「競技方法」の欄に書かれています。要項は申込みのときに配られるか、主催者のサイトに載っています。この記事の数字は実際の要項から引いたものですが、出場する大会の要項が最優先です。
試合の順番は大会によって違う
ここが、団体戦でいちばん誤解されやすいところです。同じ「4シングルス1ダブルス」でも、ダブルスが何番目に入るかは大会で異なります。
| どの決まりか | 試合の順番 | 出典 |
|---|---|---|
| 日本卓球ルール (4シングルス1ダブルス) | D・S・S・S・S ダブルスが1番目 | 日本卓球ルール 2.10.5.4.1.1 令和3年9月1日改定 |
| 全国中学校卓球大会 (令和8年度) | S・S・D・S・S ダブルスが3番目 | 第57回全国中学校卓球大会 要項 「14 競技方法」 |
| お住まいの地区の大会 | 要項を見てください | 主催者が配布する要項 |
日本卓球ルールでは、令和3年9月1日の改定で4単1複の1番目がダブルスになりました。一方、令和8年度の全国中学校卓球大会の要項には「4シングルス、1ダブルスの6人制で行う。(S・S・D・S・S)」と書かれています。つまり全中はダブルスが3番目です。

大会は「その大会の要項」で運営されます。要項に順番が書いてあればそれがその日の決まりです。ネットの解説記事は書かれた時期がまちまちで、改定前の順番のまま残っているものもあります。当日の並びは、必ず手元の要項か、会場で配られる進行表で確かめてください。
確かめ方は簡単です。要項のPDFを開いて、「競技方法」または「試合方法」の項目を探すだけです。そこに「(S・S・D・S・S)」のような並びか、「第○試合 ダブルス」という書き方で必ず入っています。見つからないときは顧問の先生に「うちの大会はダブルスが何番ですか」と聞けば1分で解決します。
誰が誰と当たるのか
団体戦では、自分のチームの選手をA・B・C、相手チームをX・Y・Zと呼びます。このアルファベットは強さの順ではなく、オーダー用紙に書いた位置です。ここを取り違えると、当日「誰と当たるのか分からない」状態になります。
日本卓球ルールの4シングルス1ダブルスの場合
日本卓球ルールの条文(2.10.5.4.1.1)では、競技の順序はダブルス(BとC 対 YとZ)、A対X、C対Z、A対Y、B対Xと定められています。表にすると次のようになります。
| 試合 | 種目 | 自分のチーム | 相手チーム |
|---|---|---|---|
| 第1試合 | ダブルス | B・C | Y・Z |
| 第2試合 | シングルス | A | X |
| 第3試合 | シングルス | C | Z |
| 第4試合 | シングルス | A | Y |
| 第5試合 | シングルス | B | X |
この形では、AとBとCの3人がシングルスに出て、そのうちBとCがダブルスも組みます。Aは2試合、Bは2試合、Cも2試合——つまり3人いれば5試合を回せます。これは同じ選手が複数回出られる方式です。
全国中学校卓球大会の場合
一方、全中の要項には「シングルスとダブルスに重複して出場することはできない」と明記されています。シングルスに4人、ダブルスに2人で、合わせて6人が必要です。要項が「6人制」と呼んでいるのはこのためで、誰かが2試合出て穴を埋めることができません。
重複して出られないということは、チームの5番目・6番目の選手にも必ず出番があるということです。「エースが2回出れば勝てる」という組み方ができないので、団体戦を狙う学校では部員の6番手までが戦力になります。自分がいまレギュラーでなくても、団体戦は人数がそのまま力になる種目です。
何人いれば団体戦に出られるか
必要な人数も大会で変わります。全中の要項では、「団体戦の1チームの編成は、同一校の選手6名〜8名・監督1名・アドバイザー1名とする」となっています。6人が最低ラインで、控えを入れて8人まで登録できる、という意味です。
| 全国中学校卓球大会(令和8年度) | |
|---|---|
| 登録できる選手 | 6名〜8名(同一校) |
| 試合に出る人数 | 6名(シングルス4・ダブルス2) |
| 重複出場 | できない |
| 監督 | 1名 |
| アドバイザー | 1名 |
高校や一般の大会では、登録人数も重複出場の可否も別に定められています。「中学のときは6人必要だったのに高校では4人で出ていた」ということが起こるのはこのためです。進学したり、初めて一般の大会に出たりするときは、人数の決まりを前の大会の記憶で判断しないようにしてください。
全中の要項では、団体戦のアドバイザーは「出場校の教職員・部活動指導員もしくは校長の承認を得た20歳以上の外部指導者」と定められています。保護者の方がベンチに入れるかどうかは大会の規定次第です。応援したい気持ちがあっても、当日いきなりベンチに入ることはできません。事前に顧問の先生に確認してください。
3勝した時点で残りの試合はどうなるか
これも大会で分かれます。全中の要項では、第1ステージ(予選リーグ)は5試合すべてを行い、第2ステージ(決勝トーナメント)は3点先取法と決められています。
| 場面 | やり方 | 3勝で終わるか |
|---|---|---|
| 第1ステージ (予選リーグ) | 5試合すべてを行う 5試合すべての勝敗をポイントとして有効とする | 終わらない(最後まで行う) |
| 第2ステージ (決勝トーナメント) | 3点先取法 | 3勝した時点で終了 |
予選リーグで5試合すべてを行うのは、チーム同士の勝ち数が並んだときに、試合の勝敗数で順位をつける必要があるからです。3勝2敗と3勝0敗では、リーグの中での価値が変わります。だから「もう3勝したから消化試合」ではなく、4試合目・5試合目にも順位を動かす意味があります。
予選リーグでは、チームが3勝した後に自分の試合が来ることがあります。そこで気を抜くと、同じ勝ち数のチームが出たときに順位で下に置かれます。「終わった試合」ではないので、要項に「5試合すべてを行う」と書いてあるか、先に確かめておいてください。
オーダーの決め方
オーダーとは、A・B・C(と、ダブルスのペア)に誰を置くかを決めることです。順番の決まりは要項にありますが、誰をどこに置くかに正解はありません。ここでは、決めるときに考える材料を整理します。最終的にオーダーを決めるのは監督なので、選手の側は「なぜこの位置なのか」を理解して臨むことが役割になります。
相手が分かっているとき
前の大会で当たったことがある、同じ地区で練習試合をしたことがある——そんなときは、勝てる可能性のある組み合わせを3つ作れるかを考えます。5試合のうち3勝すればよいので、全部で勝つ必要はありません。相手のいちばん強い選手に対しては、無理に主力をぶつけず、別の3試合で確実に取るという組み方もあります。
相手が分からないとき
初めて当たる相手なら、情報がないまま組むことになります。このときに考えやすいのは、前半で1勝を取れる形にしておくことです。団体戦は0勝2敗になると、残り3試合を全部取らなければいけなくなります。先に1つ取れていれば、その後の選択肢が残ります。
ダブルスをどう扱うか
ダブルスは、組んだ回数がそのまま結果に出やすい試合です。一人ずつの実力が上でも、2人の動きがぶつかると点になりません。当日その場で組んだペアより、ふだんの練習で何度も組んでいるペアのほうが計算できます。オーダーを考えるより前に、部内で「団体戦のダブルスはこの2人」と決めて練習を重ねておくほうが、実際には効きます。
「3勝をどこで作るか」から逆算する
5試合のうち3つ取れば勝ちなので、どの3つで取るつもりかを先に決めておくと、オーダーが組みやすくなります。重複出場ができる大会とできない大会では、作れる形が変わります。
| 重複できる大会 (例:日本卓球ルールの4単1複) | 重複できない大会 (例:全国中学校卓球大会) | |
|---|---|---|
| 出る人数 | 3人でも回せる | 6人必要 |
| 主力の出番 | 2試合に出せる | 1試合だけ |
| 3勝の作り方 | 主力2勝+どこかで1勝 | 主力以外で最低2勝が必要 |
| 備えること | 主力の連戦の体力 | 4番手・5番手・6番手の力 |
この表からわかるのは、重複できない大会では、部の層の厚さがそのまま結果になるということです。主力が1試合しか出られないので、残り4試合のうち2つを取らなければ3勝に届きません。全中のような6人制の大会を目標にするなら、練習の時間配分を上位2人だけに寄せないことが、そのまま団体戦の準備になります。
オーダーの組み方に公式な決まりはありません。チームの人数、部員の力の分布、相手の情報量によって答えは変わります。この節に書いたのは判断の材料で、指示ではありません。実際の並びは、部の方針と監督の判断に従ってください。
オーダー用紙の書き方と出すタイミング
団体戦では、試合が始まる前にオーダー用紙を出します。書式は大会が用意するので、選手が自分で作るものではありません。書く内容はおおむね次のとおりですが、用紙の様式も提出先も大会ごとに違うので、当日の指示に従ってください。
| 書く欄 | 中身 | 間違えやすい点 |
|---|---|---|
| チーム名 | 登録した学校名・団体名 | 略称でなく登録した表記で書く |
| A・B・C | シングルスに出る選手の名前 | 強さの順ではなく、位置を決める欄 |
| ダブルス | ペアを組む2人の名前 | 重複できない大会では、シングルスの選手は書けない |
| 登録番号 | 大会が指定する番号 | 申込書と同じ番号かを照合する |
| 監督名 | 登録した監督 | 当日の変更は届け出が要る |
提出したオーダーは、原則としてあとから変えられません。提出した時点で、その試合の並びが決まります。だから、書く前に部内でもう一度読み合わせをして、名前の取り違えと、ダブルスの重複がないかを確かめてください。この2つが、実際にいちばん多い書き間違いです。
全中の要項では、団体戦で選手・監督・アドバイザーの変更があるチームは、所定の「選手(団体)・監督・アドバイザー変更届」に記入のうえ、指定された日時までに審判長に提出すると定められています。急な欠席が出たときも、口頭では通りません。体調不良の可能性がある時点で、顧問の先生に伝えておくことが実務的な備えになります。
タイムアウトとベンチからのアドバイス
団体戦でも個人戦でも、試合の途中でタイムアウトを取ることができます。日本卓球協会の案内では、タイムアウトは1試合に1回、1分以内とされています。
| 決まり | |
|---|---|
| タイムアウトの回数 | 1試合に1回 |
| タイムアウトの長さ | 1分以内 |
| ゲームとゲームの間の休憩 | 1分間 |
| タオル休憩 | 両者の点数の合計が6の倍数になったとき |
タイムアウトは「流れが悪いから一度止める」ために使います。相手が3本続けて得点している、こちらのミスが同じ形で続いている——そういうときに切って、立て直す時間を作るものです。1試合に1回しかないので、使いどころは選手と監督で事前に話しておくと迷いません。
確かめ方はひとつです。次に練習試合をするとき、実際に1回タイムアウトを取ってみてください。手でTの字を作って主審に伝えます。1分がどれくらいの長さで、何を話せば足りるのかは、本番で初めてやるより、練習で一度やっておいたほうが確実です。
日本卓球協会の案内では、各ゲームの開始後10分経ってもそのゲームが終わらない場合に促進ルールが適用されます。適用後はレシーバーが13回返球するとレシーバーの得点になります。ただしそのゲームですでに合計18点以上入っている場合は導入されません(国際卓球連盟の競技規則2.15.2)。守り合いが続くと起こることがあります。知らないと当日あわてますが、覚えておくのは「10分」と「13回」の2つで足ります。
団体戦の日の流れ
当日の進み方は大会で違いますが、多くの場合はこの順で進みます。初めての団体戦なら、この流れを頭に入れておくだけで落ち着きます。
| すること | 気をつけること | |
|---|---|---|
| 受付 | チームで受付を済ませる | 要項に受付時間と場所が書いてある |
| 公式練習 | 指定された台で短い時間の練習 | 時間が短いので、やることを決めておく |
| オーダー提出 | 対戦相手が決まったら用紙を出す | 提出後は変えられない |
| 試合 | 要項の順番で5試合 | 自分の出番の1つ前から準備を始める |
| 結果の確認 | 記録用紙の確認・サイン | 点数の記入漏れがないか見る |
団体戦でいちばん多い失敗は、自分の出番が来たときに手元の準備ができていないことです。5試合が続けて進むので、ひとつ前の試合が始まったら準備を始めるくらいでちょうどよくなります。ラケット、タオル、飲み物、ゼッケンをつけたシャツ——この4つを台のそばに置いておいてください。
審判は誰がやるのか
大きな大会には審判員がつきますが、地区の大会では、試合をしている選手同士やチームが審判を担当することがあります。全国中学校卓球大会の参加資格には、「都道府県における予選会となる全ての大会において、競技役員や審判など運営上必要な事項に協力すること」という条件が置かれています。予選の運営は、参加する学校の協力で成り立っているということです。
つまり中学生にとって、審判は「やることがある仕事」です。団体戦では自分の試合が終わったあと、次の台の審判に回ることがあります。誰がいつ担当するかは大会の運営によって違うので、要項か、当日の進行の説明で確かめてください。
審判で最低限おさえること
| 場面 | すること |
|---|---|
| 試合前 | ラケット交換の確認、ジャンケンかトスでサーブ/エンドを決める |
| 得点したとき | 得点したほうの点を先にコールする |
| ゲームが終わったとき | ゲームカウントをコールし、エンドを交代させる |
| 最終ゲーム | どちらかが5点に達したらエンド交代 |
| 記録 | 用紙に点数を記入し、終了後に両者へ確認してもらう |
数え方とコールの言い方は、点数の記事にまとめてあります。審判を任される可能性があるなら、先にそこだけ読んでおくと当日困りません。確かめ方はひとつです。次の練習で、友達の試合を1ゲームだけ数えてみてください。声に出して「2-1」とコールしながら数えると、本番と同じ形になります。
審判の間は台のそばから離れられません。飲み物を先に飲んでおく、トイレを済ませておく——それだけのことですが、団体戦の日は自分の試合と審判が交互に来ることがあります。「次は審判かもしれない」と思って動くと、あわてずに済みます。
よくある質問
まとめ
団体戦は4シングルス1ダブルスの5試合で、先に3勝したチームの勝ち。ここは共通です。違うのはその先で、試合の順番・必要な人数・重複出場の可否・3勝で終わるかどうかは大会ごとに決められています。
令和8年度の全国中学校卓球大会では、S・S・D・S・Sの6人制、重複出場は不可、予選リーグは5試合すべてを実施、決勝トーナメントは3点先取。日本卓球ルールの4シングルス1ダブルスではダブルスが1番目で、3人でも回せます。
迷ったときの答えは、ほとんど要項の「競技方法」の欄にあります。団体戦が決まったら、まずそのPDFを開いてください。順番と人数が分かれば、あとは自分の試合に集中できます。
参考:第57回全国中学校卓球大会(令和8年度)実施要項(原文を確認)/公益財団法人日本卓球協会「卓球の基本的なルール」(タイムアウト・促進ルール)/国際卓球連盟 競技規則 2.15.2(促進ルールの適用条件)/日本卓球ルール 2.10.5.4.1.1(令和3年9月1日改定)の競技順序は、卓球レポート(株式会社タマス)の改定解説に掲載されたものを参照しました。※大会ごとの決まりは、必ず主催者の要項で確かめてください。
用具えらびのチェックリスト(PDF)をお送りします
はじめて道具をそろえるときに「何を・どの順番で決めるか」を1枚にまとめたものです。印刷して、そのままお店で使えます。あわせて、ラバーを貼った状態で届く貼り上がり完成ラケット(来春の予約企画)の先行案内もお届けします。
