本記事は「卓球スタートショップ」が運営する情報メディア「卓球はじめの一歩」の記事です。記事内で紹介している商品には、当店で販売しているものが含まれます。
商品ページの「FL/ST」を選ぶ欄で手が止まった人へ。迷ったらFL(フレア)、が結論です。理由は握り心地ではなく選べる本数にあります。当店で買えるシェークハンドの板184本を数えると、FLがある商品は141本、STは84本、AN(アナトミック)は7本でした。そしてFLとSTで値段が違う商品は0本です。
この記事では、FL・ST・ANの形の違い、手の中で何が変わるか、メーカーが公表している太さの寸法、当店で買える本数と値段、STを選ぶ理由がある人、買ったあとに太い・細いと感じたときの直し方までをまとめます。数字は当店で買えるシェークハンドの板184本(ラバー2枚付きのセット・ラージボール用・柄が曲がった特殊な形のテナリー6本を除く・2026年9月時点)を数えたもので、価格は税込です。
握り方そのものはラケットの正しい握り方、ラケット選び全体の順番は卓球ラケットの選び方にあります。この記事は柄(グリップ)の形だけを掘り下げます。
まず即答|迷ったらFL。理由は握り心地でなく「選べる本数」
- 迷ったらFL(フレア)——184本中141本にFLがあり、どの値段の帯にも候補が残る
- STは「持ち替える人」の形——84本。フォアとバックで握りを変えたい人、末端が細いほうが握りやすい人
- ANは探しても見つからないことが多い——7本だけ。「ANにしよう」と先に決めると、気に入った機種に無いことのほうが多い
- 値段は形で変わらない——FLとSTで価格が違う商品は0本。同じ機種ならどちらを選んでも同じ金額
グリップの形は、打ち方の上手・下手を決めるものではありません。手の中でラケットがどこに落ち着くかが変わるだけです。だからこそ、最初の1本は「探したときに見つかるか」で決めてよい、というのがこの記事の立場です。
今すぐ確かめる手順:いまラケットを持っている人は、柄の先(手の小指側の端)を指でなぞってください。先に向かって広がっていればFL、まっすぐならSTです。それが自分の手に合っていたか合っていなかったかを、この記事を読みながら一度だけ思い出してください。
FL・ST・ANとは何か|柄の形の3種類
シェークハンドのラケットの柄(グリップ)は、主に3つの形があります。商品ページでは「フレア」と「FL」、「ストレート」と「ST」のように、言葉で書くか略号で書くかが商品によって違いますが、同じものです。
| 略号 | 読み | 形 | 当店で買える商品(184本中) |
|---|---|---|---|
| FL | フレア | 先に向かって末広がり。手の小指側で止まる | 141本 |
| ST | ストレート | 先まで太さが一定。まっすぐな棒 | 84本 |
| AN | アナトミック | 中ほどがふくらむ波形。手のひらに沿う | 7本 |
1つの商品で複数の形を選べるものと、形ごとに別の商品として並んでいるものがあります。当店ではFLとSTの両方から選べる商品が51本、FLだけが90本、STだけが33本、形の表記が無い商品が10本でした。ANは7本すべてが「FL・ST・AN」の3つから選べる商品で、AN単独の商品はありません。
ペンホルダーには、この3つの形はありません。ペンは「日本式」「中国式」「反転式」という別の分け方になります。卓球のペンホルダーにまとめています。
形で何が変わるか|手の中の「止まる位置」と持ち替え
形の違いは、握ったときに2つのことに出ます。
| 変わること | FL(フレア) | ST(ストレート) |
|---|---|---|
| 手の中で止まる位置 | 末広がりの部分が小指側で引っかかり、毎回同じ位置に落ち着く | 引っかかりが無いので、握る位置を自分で決める |
| 握りの持ち替え | 位置が固定されるぶん、フォアとバックで握りを変えにくい | 太さが一定なので、持ち替えやすい |
| 振り抜いたとき | すっぽ抜けにくい | 握る力が抜けると、先が細いぶん動きやすい |
始めたばかりの時期にFLをすすめるのは、「毎回同じ握り」を作りやすいからです。握りが毎回変わると、同じように振っても面の角度が変わり、球の行き先が安定しません。握りを固定する練習の進め方はラケットの正しい握り方の「握りを体になじませる練習」にあります。
一方でSTは、フォアとバックで握りを少し変える打ち方をする人に向いています。バックハンドで親指を立てて面を作る人、台の上で細かく操作する場面が多い人は、持ち替えやすいSTを選ぶ理由があります。切り替えの動きは卓球のフォアとバックの切り替えにまとめています。
今すぐ確かめる手順:太めのマジックペンを1本用意します。①そのまま握る(ST)。②お尻に消しゴムを当てて末広がりにして握る(FL)。②のほうが、手を開いて握り直しても小指の当たる場所が毎回同じになります。それがFLの役割です。①で「握り直しやすい」と感じたなら、STを選ぶ理由が1つあります。
太さは選べない|メーカーが公表している寸法
卓球のラケットには、テニスのようなグリップの太さのサイズ展開がありません。当店で扱うラケットで、同じ機種の中で太さを選べる商品は0件です。ジュニア用(バタフライのティモボルJは柄が92×22×30mm)は柄ごと細く短い別の機種で、それ以外は中学生も大人も同じ太さを握ります。選べるのは形(FL・ST・AN)だけで、形が変わると末端の太さが変わる、という関係です。
バタフライは商品説明でグリップの寸法を公表しています。同じ機種のFLとSTを並べると、こうなります。
| 機種(バタフライ) | FL | ST | 差が出るところ |
|---|---|---|---|
| SKカーボン | 100×24×34mm | 100×23×28mm | 末端の幅 34mm対28mm |
| SK7クラシック | 100×25×34mm | 100×23×28mm | 同上 |
| 張本智和 インナーフォース SUPER ALC | 100×25×34mm | 100×23×28mm | 同上 |
寸法は「長さ×厚み×幅」で、3つの数字のうち最後の幅がFLは34mm、STは28mmと6mm違います。長さ(100mm)と厚み(23〜25mm)はほぼ同じです。つまりSTは「細い」のではなく「先が広がらない」だけで、根元の太さはFLとほぼ変わりません。手が小さいからST、という選び方は根拠が薄いということです。
寸法を公表していないメーカーもあります。当店の商品説明でグリップの寸法があるのは、バタフライの一部の商品だけでした。公表が無い商品では、形の違いだけを手がかりにしてください。
今すぐ確かめる手順:定規を用意して、いまのラケットの柄の末端の幅を測ってください。34mm前後ならFL、28mm前後ならSTです。その数字を覚えておくと、次に商品ページで寸法を見たとき「今より広いか狭いか」で判断できます。
当店で買える本数|値段の帯ごとに、両方から選べるか
「FLとSTのどちらでも選べる」商品は、値段の帯によって偏りがあります。
| 税込価格の帯 | 本数 | FLとST両方から選べる商品 | 読み方 |
|---|---|---|---|
| ¥8,000未満 | 33本 | 1本 | 安い帯は、機種ごとに形が決まっている |
| ¥8,000〜15,000 | 62本 | 15本 | 4本に1本 |
| ¥15,000以上 | 89本 | 35本 | 4割 |
¥8,000未満では、1つの商品でFLとSTを選べるものは33本中1本しかありません。ただし、同じ機種がFLとSTで別々の商品として並んでいることがあります。たとえばニッタクのレグノス FL ¥6,600とレグノス ST ¥6,600、ファクティブ7 FL ¥6,820とファクティブ7 ST ¥6,820は、名前の末尾で形を分けています。「両方から選べる商品」の数には、この並び方は入っていません。
形が決まっている商品では、FLだけの商品が90本、STだけの商品が33本です。安い帯で「STがいい」と決めてから探すと、候補が急に減ります。これが「迷ったらFL」の、本数の面からの根拠です。
今すぐ確かめる手順:予算の上限を決めてから、商品一覧でその値段以下の商品を開いて形の選択欄を見てください。¥8,000未満で「FLとSTの両方」が出る商品は1本しかないので、そこで迷う時間はほぼ要りません。
値段は同じ|FLとSTで価格が違う商品は0本
当店で買えるシェークハンドの板184本のうち、同じ商品の中でFLとSTの価格が違うものは0本でした。別々の商品として並んでいる機種(上のレグノスやファクティブ7)も、FLとSTは同じ価格です。形で値段が上下することはないと考えてください。
値段が変わるのは、形ではなく板の中身(木材だけか、特殊素材入りか)です。その分かれ目は卓球ラケットの合板とカーボンにまとめています。「STのほうが高い」「ANは特別に高い」という思い込みで候補を狭めないでください。
今すぐ確かめる手順:検討中の商品ページで、形の選択欄を切り替えて価格表示が変わるかを見てください。変わらなければ形は値段に関係ありません。もし変わる商品があれば、それは形以外の違い(在庫の状態や別商品)なので、商品名をもう一度確かめます。
STを選ぶ理由がある人・FLでよい人
形は「どちらが上」ではなく、場面で決まります。STを選ぶ理由がはっきりある人だけがSTを選べば、失敗は起きません。
| 場面 | 向く形 | 理由 |
|---|---|---|
| これから始める・部活1年目 | FL | 毎回同じ握りを作りやすい。候補が多い |
| フォアとバックで握りを変える打ち方が固まっている | ST | 持ち替えやすい |
| 柄の末端が手に当たって気になる | ST | 末端の幅が28mmと狭い(FLは34mm) |
| 先輩・部で指定がある | 指定の形 | 同じ用具のほうが教わりやすい |
| ANが気になる | まずFLで1本 | ANは7本しかなく、気に入った機種に無いことが多い |
中学の部活で最初の1本を買うときの重さ・予算との組み合わせは中学生の卓球ラケットの選び方の「グリップの形は『握ってみて決める』」に、小学生の場合は小学生の卓球ラケットの選び方にまとめています。
途中で形を変えるのは可能です。握りの位置が変わるので数回は違和感がありますが、打ち方を作り直すほどの変更ではありません。ペンとシェークを入れ替えるような「握りの変更」とは重さが違います。
今すぐ確かめる手順:上の表の左の列で、自分に当てはまる行を1つ選んでください。2つ以上当てはまるなら、上にある行を優先します。
買ったあとに「太い・細い」と感じたら|グリップテープで調整
形を選んで買ったあとで、太い・細いと感じることがあります。太く感じる場合は、数回打つうちに慣れることがほとんどです。細く感じる場合は、グリップテープを巻いて太さを足せます。規則の上でも、柄を握りやすくするための材料を足すことは認められています(ITTF 2.4.4)。ただし巻き方によってラバーのメーカー表示(ITTFのロゴなど)を隠すと別の規則(3.2.1.3)に触れるので、ラバーにかからないように巻きます。
巻いてよいのか・巻き方・要らない人の見分け方は卓球のグリップテープにまとめています。柄のニスがはがれて滑るときは、形の問題ではなく手入れの問題です。卓球ラケットの寿命の「サイン④」を見てください。
今すぐ確かめる手順:いまのラケットを握って、小指と薬指のあいだに柄がすっぽり入るかを見てください。指が余って柄が細く感じるならグリップテープの候補、指が届かず太く感じるなら、まず2〜3回の練習で慣れるかを試してから判断します。
商品ページでの選び方|表記の違いに注意
当店の商品ページでは、形の表記が商品によって違います。「フレア」と「FL」、「ストレート」と「ST」は同じ形です。メーカーによって言葉で書くか略号で書くかが違うだけで、当店は元の表記をそのまま載せています。
| 商品ページの見え方 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| 選択欄に「フレア/ストレート」 | 1つの商品で形を選べる | バタフライ・ヴィクタスの多く |
| 商品名の末尾に「FL」「ST」 | 形ごとに別商品 | ニッタクの多く(レグノス FL/レグノス ST) |
| 選択欄が「標準」「通常」だけ | 形は1種類。商品説明に書かれていることが多い | ヴィクタス・エクシオン・ヤサカ・バタフライの一部 |
| 「AN」「アナトミック」 | 3つ目の形。当店では7本だけ | バタフライの一部 |
形の表記が無い商品も10本あります。その場合は商品説明の「グリップ」の項目を見てください。それでも分からなければ、商品ページの問い合わせから聞いていただければお答えします。質問に答えるだけで候補を絞りたい人は卓球ラケット診断も使えます。
よくある質問
まとめ
グリップの形はFL(末広がり)・ST(まっすぐ)・AN(波形)の3つ。当店で買えるシェークハンドの板184本では、FLがある商品141本・ST 84本・AN 7本で、FLとSTで値段が違う商品は0本です。
形で変わるのは、手の中で止まる位置と持ち替えやすさ。メーカー公表の寸法では末端の幅がFL 34mm・ST 28mmで、長さと根元の太さはほぼ同じです。「手が小さいからST」より、「握りを固定したいか、持ち替えたいか」で決めてください。
迷ったらFL。¥8,000未満で両方から選べる商品は33本中1本しかないので、安い帯ほどこの結論が効きます。STは持ち替える打ち方が固まってから、ANはまずFLで1本使ってから——順番はこれで足ります。
用具えらびのチェックリスト(PDF)をお送りします
はじめて道具をそろえるときに「何を・どの順番で決めるか」を1枚にまとめたものです。印刷して、そのままお店で使えます。あわせて、ラバーを貼った状態で届く貼り上がり完成ラケット(来春の予約企画)の先行案内もお届けします。
