本記事は「卓球スタートショップ」が運営する情報メディア「卓球はじめの一歩」の記事です。記事内で紹介している商品には、当店で販売しているものが含まれます。
ラバーを買おうとして、色の欄で手が止まる人は多いはずです。「赤と黒しか見かけないけれど、決まりなの?」「ピンクや青は使ってはいけないの?」——ここでつまずくのは、色だけがルールで決まっている部分だからです。
結論を先に書きます。片面は黒、もう片面は「黒ともボールの色ともはっきり区別できる、鮮やかな色」。これがITTF(国際卓球連盟)の競技規則 2.4.6 に書かれている内容です。つまり赤でなくてもよく、ピンクや青も条件を満たせば使えます。
ただし実際に買えるかどうかは別の話です。この記事では、規則の中身と、当店の在庫を実際に数えた結果の両方を並べます。ラバーそのものの選び方は卓球ラバーの種類と選び方、厚さの決め方は卓球ラバーの厚さの選び方にまとめています。
まず即答|色のルールはこの3つだけ
- 片面は黒にする
- もう片面は、黒ともボールの色とも、はっきり区別できる鮮やかな色にする
- どちらの面もつや消し(光を反射しないもの)であること
覚えることはこれだけです。「赤と黒でなければいけない」という決まりではありません。黒は必ず片面に要る、もう片面は条件を満たす色なら選べる、という形です。
ひとつ補足があります。競技規則そのものは使える色を並べていませんが、ITTFが公認しているラバーの色は、黒と、赤・青・ピンク・紫(バイオレット)・緑の5色だけです。つまり公認ラバーが求められる大会に出るなら、実際に選べるのはこの組み合わせになります。
今すぐ確かめる手順:手元のラケットを両面ひっくり返して見てください。片面が黒で、もう片面がはっきり違う色になっていれば、色については問題ありません。
なぜ「赤と黒」ばかりなのか——当店の在庫を数えました
規則の上では色を選べるのに、店頭でも通販でも、目に入るのはほとんど赤と黒です。実際にどれくらい偏っているのかを、当店で扱っているラバーで数えました。
| 色 | 扱っている商品数 |
|---|---|
| 黒 | 173商品(すべて) |
| 赤 | 169商品 |
| 青 | 6商品 |
| ピンク | 4商品 |
| 紫 | 1商品 |
| 緑 | 1商品 |
当店で扱う色と厚さを選ぶタイプのラバー219商品を数えた実数です(2026年9月8日時点。注文画面で「色 / 厚さ」の2段階を選ぶ商品を数えています)。黒はほぼすべての商品にあり、赤もほぼすべてにあります。それ以外の色があるのは11商品だけで、そのうち9商品がVICTAS、残りはニッタクとジュウイックが1商品ずつでした。
理由は単純で、メーカーが作っていないからです。規則が色を許していても、生産されていなければ買えません。「青いラバーにしたい」と決めてから探すと、気に入った性能の商品に青の用意がない、という結果になりがちです。
今すぐ確かめる手順:色から決めるのではなく、先に性能で商品を決めて、そのあと色の欄を見る。この順番なら、選べる色が少なくても困りません。
使えない色・迷う色
「鮮やかな色ならいい」と言われても、境目が分かりにくいところがあります。規則の書き方(2.4.6)から、そのまま導けるものを並べます。
| 色・状態 | 使えるか | 理由 |
|---|---|---|
| 黒 | 片面に必要 | 規則で「片面は黒」と決まっています |
| 赤・青・ピンクなど | 使える | 黒ともボールとも区別できる鮮やかな色にあたります |
| 白 | 使えない | 白いボールと区別できません |
| オレンジ | 球の色による | オレンジのボールを使う場では区別できません |
| うすい灰色・ベージュ | すすめられない | 「鮮やかな色」と言いにくく、黒とも紛れます |
| つやのある仕上げ | 使えない | どちらの面もつや消しである必要があります |
迷ったときの考え方は「相手から見て、2つの面がひと目で違うと分かるか」です。色の規定は見た目を整えるためではなく、相手がどちらの面で打たれたかを見分けられるようにするためにあります。ここが分かっていれば、白がだめな理由も、つや消しが要る理由も同じ話だと分かります。
なぜ白がだめなのか——ボールの色と対になっている
ラバーの色の決まりは、単独で決まっているわけではありません。ボールの色の決まりと対になっています。
規則では、ボールはプラスチック製で、白または橙(オレンジ)、つや消しと定められています(ITTF 2.3.3)。一方でラバーは「黒とボールの色の両方とはっきり区別できる鮮やかな色」(同 2.4.6)。つまりその日に使うボールの色によって、避けるべきラバーの色が決まるという書き方になっています。
| 使うボールの色 | 避ける色 | 問題なく使える色 |
|---|---|---|
| 白 | 白・クリーム色 | 赤・青・ピンクなど |
| 橙(オレンジ) | オレンジ・橙に近い色 | 赤・青・ピンクなど |
どちらの色のボールを使うかは大会の実施要項で決まります。あらかじめ知りたい場合は要項を確認してください。ボールそのものの選び方や、試合球と練習球の違いは卓球の試合球と練習球の違いにまとめています。
両面を同じ色にはできない
片面が黒で、もう片面が「黒と区別できる色」と決まっている以上、両面とも黒、両面とも赤は選べません。
これは見落としやすいところです。ラバーは1枚ずつ売られているので、気に入ったラバーを2枚買って両面に貼るという買い方をすると、同じ色を2枚選んでしまうことがあります。2枚買うときは「黒を1枚、もう1色を1枚」と、色を分けて注文してください。
- 同じ商品を2つカートに入れる
- 1つ目の色を「ブラック」にする
- 2つ目の色を「レッド」など別の色にする
- 厚さは両面同じでも、フォアだけ厚くしても構いません
フォアとバックで厚さを変えるかどうかは卓球ラバーの厚さの選び方、中学生の組み合わせ方は中学生の卓球ラバーで扱っています。
片面にしかラバーを貼らない場合
日本式ペンホルダーのように、片面だけにラバーを貼って使う持ち方があります。この場合、ラバーを貼っていない面はどうなるのか。
規則は「打球面、または板を露出させた面」について色を定めています(2.4.6)。つまり板がむき出しの面にも同じ決まりが当てはまるということです。木の色そのままだと、白いボールと紛れる明るさになっていることがあります。市販のペンホルダー用ラケットは、裏面が黒く塗られているか、黒いシートを貼る前提になっているのが普通です。
ペンホルダーの種類や、裏面にラバーを貼るかどうかは卓球のペンホルダーにまとめました。
サイドテープやグリップテープの色は自由
色について決まっているのは、打球面(と板を露出させた面)だけです(ITTF 2.4.6)。それ以外の部分に色の決まりはありません。
- サイドテープ——ラケットの側面に貼るテープ。色は自由です
- グリップテープ——握りに巻くテープ。色は自由です
- ラケットケース・バッグ——用具を入れるもの。色は自由です
ひとつだけ気をつけるのは貼る位置です。サイドテープは側面を守るためのもので、打球面にかぶるほど内側まで貼ると、打つ面の一部が別の色になってしまいます。ラバーの縁に沿って、側面だけに貼ってください。
サイドテープの選び方と貼り方は卓球ラケットの寿命、グリップテープの巻き方は卓球のグリップテープで扱っています。
当店で買える「赤と黒以外」
数えた結果、赤・黒以外の色でいま実際に買えるのは7商品でした(2026年9月時点)。そのうち、その色をどの厚さでも選べるものを挙げます。
| 商品 | 選べる色 | 税込価格 |
|---|---|---|
| スペクトル S1 | レッド/ブラック/ブルー | 4,620円 |
| ヴェンタス スティフ | レッド/ブラック/ピンク | 5,610円 |
どちらもVICTASの商品です。スペクトル S1(税込4,620円)は表ソフト、ヴェンタス スティフ(税込5,610円)は裏ソフトで、性質がまったく違います。色ではなく、この「表か裏か」で先に決めてください。表ソフトと裏ソフトの違いは卓球ラバーの種類と選び方で説明しています。
はじめの1枚として選ばれることが多いのは、赤と黒だけの商品です。たとえばフレクストラ(税込2,200円)は1.7mmと1.9mmの2種類、レッドとブラックの2色で、色で迷う余地がない代わりに、価格が抑えられています。
色を変えると、何が変わるのか
性能は変わりません。同じ商品であれば、色が違ってもスポンジもシートも同じものです。変わるのは見え方だけです。
- 相手からの見え方——見慣れない色だと、相手が一瞬とまどうことがあります。ただし試合前に相手はラケットを確認できるので、隠せるものではありません。
- 自分からの見え方——打つときに視界へ入るのは自分のラバーです。派手な色が気になる人もいます。
- 汚れの目立ち方——明るい色ほど、ほこりや黒ずみが目に付きます。手入れの手間は同じでも、気になる度合いが変わります。
手入れのしかたは卓球ラバーの手入れ・メンテナンス方法、替えどきの見分け方は卓球ラバーの張り替え時期と貼り方にあります。
買う前に確かめておくこと
ここまではITTFの競技規則の話です。そのうえで、出る大会や所属する部に別の決まりがある場合があります。
- 大会要項——用具について書かれた項目
- 部やクラブの決まり——色をそろえるよう言われることがあります
- ラバーの公認マーク——公式戦では、認められたラバーであることが求められます
とくに中学・高校の部活で最初の1枚を買うときは、注文する前に顧問の先生に一度確認しておくと確実です。色そのものは規則で認められていても、チームで見た目をそろえる方針を取っている場合があります。
部活で必要になるものの全体像は中学の卓球部の費用にまとめました。
まとめ
ラバーの色で決まっているのは、片面は黒・もう片面は黒ともボールとも区別できる鮮やかな色・どちらもつや消しの3つだけです(ITTF 2.4.6)。「赤と黒でなければいけない」という決まりではありません。
ただし当店で扱うラバー219商品のうち、赤と黒以外の色があるのは11商品でした(2026年9月8日時点)。色から選ぼうとすると候補がほとんど残りません。先に表ソフトか裏ソフトか、次に厚さ、最後に色という順番で決めてください。
2枚まとめて買うときだけ、色を分けて注文することを忘れなければ、色で失敗することはありません。
用具えらびのチェックリスト(PDF)をお送りします
はじめて道具をそろえるときに「何を・どの順番で決めるか」を1枚にまとめたものです。印刷して、そのままお店で使えます。あわせて、ラバーを貼った状態で届く貼り上がり完成ラケット(来春の予約企画)の先行案内もお届けします。
