卓球のリーグ戦|三つ巴の順位の決め方と勝ち点

【本記事について】
本記事は「卓球スタートショップ」が運営する情報メディア「卓球はじめの一歩」の記事です。

3人のリーグ戦で全員が1勝1敗。この「三つ巴(みつどもえ)」をどう並べるか。答えははっきり決まっています。①勝ち点 →②その3人どうしの試合だけを見て、ゲームの勝敗比 →③点数の比 →④それでも並んだらくじ。この順番はITTFの競技規定 3.7.5 に書かれていて、「勝った相手が強かったか」は一切関係ありません

この記事では、リーグ戦(総当たり・グループ戦)の勝ち点の数え方、同じ勝ち点になったときの順位の決め方、3人が並んだときに実際にどう計算するか、途中で1人だけ順位が決まったときの扱い、棄権・不戦敗の点、対戦順の決まりまでをまとめます。出典はITTF Statutes 2025「Regulations for International Competitions」3.7.5で、条文番号を添えます。

団体戦の順番の組み方は卓球の団体戦の人数は何人?、1試合の進み方は卓球の試合の流れとマナーにあります。この記事はリーグ戦の順位の決め方だけを扱います。

まず即答|順位は4段階で決まる

リーグ戦の順位を決める順番(ITTF 3.7.5)
  1. ① 勝ち点(マッチポイント)——勝ち2点、行われた試合での負け1点、行われなかった/終わらなかった試合での負け0点
  2. ② 並んだ人どうしの試合だけを見る——3人が並んだら、その3人の間の試合だけで計算し直す
  3. ③ 勝敗の比を順に見る——ゲームの勝敗比、次に点数の比。決まるまで順に下りていく
  4. ④ それでも並んだらくじ——3.7.5.4

いちばん大事なのはです。3人が1勝1敗で並んだとき、その3人以外に勝った・負けたという結果は、順位の計算に入りません。「自分は強い人に勝った」は根拠になりません。

今すぐ確かめる手順:手元にリーグ戦の結果表があるなら、並んでいる人どうしの試合だけを丸で囲んでください。その丸の中だけで数えるのが、条文どおりの手順です。丸の外の試合を数えているなら、それは違う計算をしています。

勝ち点の数え方|負けても1点入る

ITTF 3.7.5.1は、グループ(総当たり)戦の勝ち点をこう定めています。

結果勝ち点条文の言い方
勝ち2点2 match points for a win
負け(試合をした)1点1 for a loss in a played match
負け(試合をしていない/終わらなかった)0点0 for a loss in an unplayed or unfinished match

見落とされやすいのは2行目です。負けても、試合をしていれば1点入ります。だから「勝った数」ではなく「勝ち点」で並べると、棄権した人は下に落ちます

途中棄権・失格の扱い

3.7.5.1には続きがあります。試合が終わったあとで何らかの理由で失格になった場合、その試合は負けとみなされ、それ以降は「行われなかった試合での負け」として記録される——つまり0点になります。

3人リーグでの勝ち点の例
  1. 3戦2勝0敗(全部やった)——2+2=4点(2試合の場合)
  2. 1勝1敗(両方やった)——2+1=3点
  3. 0勝2敗(両方やった)——1+1=2点
  4. 1勝1棄権——2+0=2点。試合をして負けた人と同じ点になる

同じ勝ち点になったら|並んだ人どうしだけで見る

ここが本題です。ITTF 3.7.5.2の原文はこう書いています。

ITTF 3.7.5.2
  • グループの2人以上が同じ勝ち点の場合、その相対的な順位は「その者どうしの試合の結果だけ」で決める。順に、勝ち点、次に勝敗の比——団体戦ではまず個人マッチ、次にゲーム、次に点数——を、順位が決まるまで見ていく

ポイントは2つです。

読み取ること意味
「その者どうしだけ」並んだ人以外との試合結果は、この計算から外す。3人が並んだら、その3人の間の3試合だけを使う
「順に、決まるまで」上から順に見て、差がついた時点で止める。勝ち点で差がつけばそこまで。つかなければゲーム比、それでもつかなければ点数比

見る順番(個人戦の場合)

  • 1. 勝ち点(並んだ人どうしの試合だけで数え直す)
  • 2. ゲームの勝敗比——取ったゲーム数 ÷ 取られたゲーム数
  • 3. 点数の比——取った点数 ÷ 取られた点数

団体戦では、ゲームの前に個人マッチの勝敗比が入ります(3.7.5.2)。団体戦の組み方は卓球の団体戦の人数は何人?にまとめています。

三つ巴の計算|実際にやってみる

3人リーグでA・B・Cが全員1勝1敗、勝ち点3で並んだとします。3人だけのリーグなので、②の「並んだ人どうしだけ」は3試合すべてになります。

試合結果(ゲームカウント)
A 対 BAが 3-1 で勝ち
B 対 CBが 3-0 で勝ち
C 対 ACが 3-2 で勝ち

手順1|勝ち点で差がつくか

3人とも1勝1敗なので勝ち点は全員3点。差がつきません。次へ進みます。

手順2|ゲームの勝敗比

選手取ったゲーム取られたゲーム
A3+2=51+3=45÷4=1.25
B1+3=43+0=34÷3=約1.33
C0+3=33+2=53÷5=0.6

比が大きいほうが上です。この例ではB(約1.33)→ A(1.25)→ C(0.6)の順で、ここで3人とも差がついたので終わりです。点数の比まで見る必要はありません。

手順3|ゲーム比でも並んだとき

ゲーム比が同じになったら、点数の比を同じやり方で計算します。取った点数の合計 ÷ 取られた点数の合計です。ここでも並んだら、3.7.5.4によりくじになります。

今すぐ確かめる手順:自分が出た直近のリーグ戦の結果を、ゲームカウントまで書き出してください。上の表と同じ形にすれば、順位は自分で計算できます。大会の場で結果を待つ必要はありません。

4人以上のリーグで、一部だけ順位が決まったら

4人以上のリーグでは、計算の途中で一部の順位だけ決まることがあります。そのときの扱いが ITTF 3.7.5.3 です。

ITTF 3.7.5.3
  • 計算のどの段階でも、グループの1人または複数の順位が決まり、他がまだ並んでいる場合、すでに順位が決まった者が出た試合の結果は、それ以降の計算から除外する。そのうえで 3.7.5.1〜3.7.5.2 の手順を繰り返す

言いかえると、決まった人を抜いて、残りだけでもう一度やり直すということです。4人のうち1人だけ先に順位が決まったら、残り3人のその3人どうしの試合だけで計算し直します。

段階やること
1回目並んでいる全員の、その者どうしの試合で計算
一部の順位が決まったその人の試合結果をすべて除外
2回目残った人だけで、また「その者どうしの試合」で計算
決まらないくじ(3.7.5.4)

この「除外してやり直す」を知らないと、1回目の計算結果をそのまま使ってしまい、順位がずれます。4人以上のリーグで結果が割れたときは、ここを確かめてください。

対戦の順番にも決まりがある

ITTF 3.7.5.5は、グループの最終戦をどの組み合わせにするかを定めています。

何人が通過するか最終戦の組み合わせ
1人(1チーム)1番と2番の対戦
2人(2チーム)2番と3番の対戦
3人(3チーム)3番と4番の対戦(以下同じ)

ここでいう「1番・2番」はあらかじめ決められた番号(シード順)のことで、その時点の順位ではありません。この決まりは、最後の試合が消化試合にならないようにするためのものです。

なお、この並べ方は審判長(Jury)が別に認めれば変えられる、とも書かれています。審判の仕事は卓球の審判のやり方にまとめています。

リーグ戦とトーナメントの使い分け

ITTF 3.7.4.4は、大会の方式についてこう定めています。

種目方式
個人戦の本戦ノックアウト(勝ち抜き)で行う
団体戦ノックアウトでもグループ(リーグ)でもよい
個人戦の予選ノックアウトでもグループ(リーグ)でもよい

だから中学・高校の大会でよく見る形——予選リーグを通ってから決勝トーナメント——は、この条文に沿った組み方です。

選手として知っておくと得なこと
  1. リーグは1試合落としても終わらない——負けても1点入り、ほかの試合で取り返せる
  2. ゲームカウントが順位に効く——勝つ試合は3-0で、負ける試合も1ゲームでも取っておく
  3. 点数まで見られることがある——最後まで1点ずつ取りにいく理由がここにある

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大会の要項が優先する場合

ここまではITTFの国際競技規定です。実際の大会では、主催者が独自の順位決定方法を決めていることがあります。その場合は要項が優先します。

要項で必ず見ておく3つ
  1. 順位の決め方——「ゲーム率」「得点率」という言葉で書かれていることが多い
  2. 何人が通過するか——通過人数で最終戦の組み合わせが変わる(3.7.5.5)
  3. 棄権の扱い——0点にするか、別の扱いにするか

要項に書いていなければ、この記事の順番(勝ち点 → 並んだ人どうしの比 → くじ)で考えて問題ありません。

今すぐ確かめる手順:次の大会の要項をもらったら、「順位決定」という言葉を探して、そこだけ先に読んでください。A4の1枚に必ず書いてあります。試合が終わってから探すと間に合いません。

よくある質問

Q三つ巴になったら、強い人に勝ったほうが上ですか
A.違います。ITTF 3.7.5.2は「並んだ者どうしの試合の結果だけ」で決めると定めています。3人が並んだなら、その3人の間の試合だけを使い、順に勝ち点→ゲームの比→点数の比を見ます。
Q負けた試合でも点が入るのですか
A.入ります。ITTF 3.7.5.1は、勝ち2点、試合をして負けたら1点、試合をしていない(または終わらなかった)負けは0点と定めています。
Qゲーム率とは何ですか
A.取ったゲーム数を取られたゲーム数で割った比のことです。大会の要項ではこの言い方をすることがあります。条文(3.7.5.2)では「勝ちと負けの比」と書かれています。
Q4人リーグで2人だけ順位が決まりました。残りはどう計算しますか
A.決まった人が出た試合の結果をすべて除外して、残った人だけでやり直します(ITTF 3.7.5.3)。1回目の計算結果をそのまま使うと順位がずれます。
Q最後までくじで決まることはありますか
A.あります。勝ち点・ゲーム比・点数比のすべてで並んだ場合は、くじで決めます(ITTF 3.7.5.4)。
Qリーグ戦とトーナメント、どちらが多いですか
A.ITTF 3.7.4.4では、個人戦の本戦はノックアウト(勝ち抜き)で行い、団体戦と個人戦の予選はどちらでもよい、とされています。予選リーグ→決勝トーナメントという形は、これに沿った組み方です。
Q自分で順位を計算してもいいですか
A.計算そのものは自由です。ただし最終的な順位は主催者が決めます。結果に疑問があるときは、要項の「順位決定」の項目を示して、記録の担当者に確かめてください。

まとめ

リーグ戦の順位は4段階で決まります。①勝ち点(勝ち2・負け1・不戦敗0)→ ②並んだ人どうしの試合だけで計算し直す → ③ゲームの比、点数の比の順に見る → ④それでも並んだらくじ。ITTF 3.7.5.1〜3.7.5.4です。

三つ巴でいちばん多い誤解は、「強い人に勝ったほうが上」というものです。条文はそう書いていません。並んだ人どうしの試合だけで決めます。

4人以上のリーグでは、途中で順位が決まった人の試合をすべて除外して、残りでやり直すという手順があります(3.7.5.3)。ここを飛ばすと順位がずれます。

選手として役に立つのは、勝つ試合は3-0で、負ける試合も1ゲームは取る——ゲームの比が順位に効くからです。最後の1点まで取りにいく理由は、ここにあります。

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