卓球のデュースとは?何点まで続くかとサーブ交代

【本記事について】
本記事は「卓球スタートショップ」が運営する情報メディア「卓球はじめの一歩」の記事です。

卓球で両者が10点に達したら、変わるのは3つだけです。①11点では勝てず、2点差をつけた側がそのゲームを取ります(ITTF 2.11.1)②サーブが2本ごとから1本ごとの交代になります(ITTF 2.13.3)③条文に点数の上限は書かれていないので、2点差がつくまで続きます。

逆に、替わらないものもはっきりしています。打つコートはそのままです。ラリーの決まりも、サーブの出し方も、立ち位置も、10点までとまったく同じです。「10対10になったから特別な何かが始まる」のではなく、勝ち方とサーブの本数だけが切り替わります。

この記事は「10対10になってから何が変わるか」の一場面だけを扱います。0点から点を数える手順・スコアの読み上げ方の早見表・促進ルールの中身そのものは卓球の点数の数え方・カウントの仕方にまとめてあります。

10対10になったら、変わるのはこの3つ

まず、その場で必要な情報を3行にします。勝つには2点差/サーブは1本ずつ/終わりの点数は決まっていない。この3つだけ引き出せれば、10対10からの進行で困ることはありません。

  • 2点差がつくまで終わらない——1ゲームは11点先取ですが、両者が10点に達した場合は「そのあと先に2点のリードを得た側」がゲームを取ります(ITTF 2.11.1)
  • サーブが1本交代になる——2点ごとの交代から、1点ごとの交代に変わります(ITTF 2.13.3)
  • 上限は書かれていない——条文には「何点で打ち切る」という定めがありません

この状態を日本では「デュース」または「ジュース」と呼びます。ただし日本卓球協会の卓球用語集は、この語について「現在のルールにはジュースもしくはデュースという用語は存在しない」と書いています。条文の中に出てくる言葉ではなく、10対10以降の同点を指す現場での呼び名です。言い方の整理は後の章でまとめます。

10対10で切り替わるもの/切り替わらないもの
  1. 切り替わる=ゲームの取り方(11点先取 → 2点差)と、サーブの本数(2本 → 1本)
  2. 切り替わらない=コート、ラリーの決まり、サーブの出し方、サーブが回っていく順番そのもの
  3. いつまで続くか=そのゲームが終わるまで1本交代のまま。次のゲームは0対0・2本交代に戻る

今すぐ確かめる手順:手元の紙かスマホのメモに「10-10」と書き、その右に「2点差/1本交代/上限なし」と並べて書いてください。試合中はこの3語だけ思い出せば足ります。

「何点まで続くか」の答え——条文に上限は書かれていない

ITTF 2.11.1は「1ゲームは先に11点を取った側の勝ち。ただし両者が10点を取った場合は、そのあと先に2点のリードを得た側の勝ち」と定めています。「〜点で打ち切る」という上限の記述はありません。そのため12対10でも13対11でも20対18でも、2点差がついた瞬間に、そのスコアのままゲームが終わります。

迷いやすいのは「11点を取った瞬間に終わるのか」です。10対10になる前に11点に達した場合(たとえば11対9)はそこで終わります。しかし、いったん10対10になったあとの11点目には、勝敗を決める力がありません。11対10は差が1点なので、まだ続きます。

スコア点差どうなるか
11対9211点先取で終了(10対10を通っていない)
11対101続く
12対10212点の側がゲームを取る
12対111続く
13対11213点の側がゲームを取る
16対14216点の側がゲームを取る

表を見ると分かるとおり、10対10のあとに現れるスコアは同点か、1点差か、2点差のどれかしかありません。1点取った側が次を落とせば同点に戻り、続けて2点取れば終わります。「1点差では終われない」——デュースの中身はこれだけです。

なお、長く続くのはそのゲームだけです。ゲームが終われば次は0対0から始まり、サーブも2本交代に戻ります。1マッチが何ゲームで争われるかは条文では決まっておらず、「任意の奇数ゲーム」とだけ定められています(ITTF 2.12.1)。3ゲーム制か5ゲーム制かは大会の要項で確認してください。

今すぐ確かめる手順:メモに「12-10/13-11/16-14」と3つ書き、それぞれ左右の差を指で数えてください。すべて2になります。次に「11-10/12-11」を書いて差を数えると1になり、まだ終わっていない形だと自分で確認できます。

サーブは1本ずつの交代になる(ITTF 2.13.3)

条文はこう定めています。「2点入るごとに、レシーブ側がサーブ側になる。ただし両者が10点を取ったとき、または促進ルールが適用されているときは、サーブとレシーブの順序は同じまま、1人が1点ずつ順番にサーブする」(ITTF 2.13.3)。

大事なのは「順序は同じまま」という部分です。誰の次が誰か、という回っていく順番はまったく変わりません。1人あたりの本数が2本から1本に減るだけです。ここで「順番が組み替わる」と思い込むと混乱しますが、組み替わりはしません。

10対10は必ず「合計20点」=交代のちょうど切れ目

2本ごとの交代は、そのゲームに入った点の合計が2の倍数になるたびに起きます。10対10になった瞬間の合計は10+10で20点。20は2の倍数なので、ちょうど交代の切れ目です。つまり「自分の2本のうち1本しか出していないのに10対10になってしまった」という状況は、計算上起こりません。

19点目と20点目は同じ人が出しています。したがって10対10になった直後の1本を出すのは、その直前の2本を出していなかった側です。そこからサーブが渡り、その人が1本だけ出して、また戻ります。

途中で分からなくなったときの戻し方

デュース中の復元はいちばん簡単です。直前の1点を出した人ではないほうが次のサーバーです。誰が出したか記憶があいまいなときは、合計点から戻せます。10対10の合計20点を基準にして、合計が偶数なら10対10の直後にサーブを出した側、奇数ならその相手が出します。

合計点スコアの例サーブを出すのは
20点10対10直前の2本を出していなかった側(これをA)
21点11対10/10対11相手側(B)
22点11対11A
23点12対11/11対12B
24点12対12A

10対10になる前、つまり2本交代の区間でサーブ権を見失ったときは、数え方が別になります。その手順は卓球の点数の数え方・カウントの仕方の「今どっちのサーブ?」の章に書いてあります。

今すぐ確かめる手順:ボールを渡す前に「直前の1本を出したのは誰か」を声に出し、その逆の人に渡してください。渡しながら「1本」と言い添えると、相手も同じ理解になり、途中で食い違いません。

デュース中は、読み上げる順番が毎球入れ替わる

主審はスコアを読み上げるとき、次のラリーでサーブを出す側の点を先に言います(ITTF 3.4.1.1.1)。サーブが1本交代になるデュースでは、次に出す側が毎球入れ替わるので、読み上げる順番も毎球入れ替わります。

具体例で見ます。10対10からXが1点取ると、点はX11・Y10。しかし次にサーブを出すのはYなので、コールは「10-11」になります。自分が勝っているのに、自分の点が後に呼ばれる形です。ここで「点を間違えられた」と勘違いして手が止まる人が多いのですが、規定どおりの呼び方です。

もう1つ、主審はサーブ交代のたびに次のサーバーを手で指し示します(ITTF 3.4.1.1.2)。1本交代のデュースでは毎球指されます。誰のサーブか迷ったら、スコアを数え直すより先に、指されたほうを見るのがいちばん速い確認方法です。

読み上げに使う言語は「英語、または双方の競技者と主審が了解する言語」と定められているだけで(ITTF 3.4.1.3)、「テンオール」といった具体的な読み方までは条文で決まっていません。ゲームが終わったときだけは順番が変わり、勝った側の点を先に読み上げます(ITTF 3.4.1.1.3)。

審判がつかない試合では、選手どうしで同じことをやります。自分が審判を任されたときの手順は卓球の審判のやり方にまとめてあります。

今すぐ確かめる手順:紙に自分の点と相手の点を上下2段で書き、次にサーブを出す側の段を丸で囲んでください。読み上げるときは、必ず丸で囲んだ段から先に読みます。デュース中は1点入るたびに、丸を反対の段へ移します。

促進ルールはデュースには入らない(ITTF 2.15.2)

「デュースが長引いたら、時間で打ち切られるのでは」と聞かれることがあります。答えはいいえです。促進ルール(時間がかかりすぎるゲームを進めるための決まり)は、1ゲームが10分続いたとき、または両者が求めたときに適用されます(ITTF 2.15.1)。ただし条文にはもう1行あります。すでに合計18点が入っているゲームには導入しない(ITTF 2.15.2)。

10対10の合計は20点で、18点を超えています。つまりデュースに入ってから促進ルールが始まることは仕組み上ありません。10分が経過しても、そのゲームは2点差がつくまでそのまま続きます。

例外は「10対10より前に促進が入っていた」場合

たとえば合計15点の時点で10分が来て促進ルールが入った場合、そのゲームだけでなくその試合の最後まで促進ルールが続きます(ITTF 2.15.6)。この状態でスコアが10対10まで進むことはあります。

ただし促進ルールでは、もともとサーブは1本交代です(ITTF 2.15.4)。ですから10対10になってもサーブの本数は何も変わりません。変わるのは勝ち方(2点差)だけです。あわせて、レシーブ側が1回のラリーで13回のリターンに成功するとレシーブ側の得点になる決まりも続きます(ITTF 2.15.4/2.10.1.13)。この返球の回数は、副審などのストロークカウンターが数えます(ITTF 3.3.2.6)。

促進ルールとデュースの関係
  1. デュース中に促進が始まることはない=合計20点はすでに18点以上だから(2.15.2)
  2. デュースが時間で打ち切られることもない=2点差がつくまで続く(2.11.1)
  3. 先に促進が入っていた場合=サーブはもとから1本交代なので、10対10で変わるのは勝ち方だけ

今すぐ確かめる手順:自分が最近やったゲームのスコアを思い出し、両者の点を足してください。合計が18に届いた時点から先は、そのゲームに促進ルールが入る余地がもう無かったと確認できます。

替わらないもの——コート・タオル・タイムアウト

コートは替わらない

エンド(打つ側のコート)が替わるのは、ゲームとゲームの間と、最終ゲームでどちらかが5点に達したときです(ITTF 2.13.7)。10対10はエンド交代の条件に入っていません。デュースが何点まで続いても、そのゲームの間は同じ側で打ち続けます。

タオルの休憩は「合計6点ごと」

国際競技規定では、タオルを使うための短い休憩は各ゲームの開始から6点ごと、および最終ゲームのエンド交代のときと定められています(ITTF 3.4.4.1.2)。つまり、そのゲームに入った点の合計が6の倍数になったときです。

10対10(合計20点)は6の倍数ではないので、デュースに入った瞬間には休憩がありません。デュースが続いた場合に合計が6の倍数になるのは、12対12(24点)・15対15(30点)・18対18(36点)——同点が3回進むごとです。汗を拭けるタイミングを先に知っておくと、デュースで滑って落とす1点を減らせます。なお、これは国際競技規定の条項です。地域の大会での運用は大会の要項で確認してください。

タイムアウトは1試合に1回だけ

タイムアウトは1つの試合につき1回、最大1分まで取れます(ITTF 3.4.4.2)。要求できるのはラリーの合間だけで、手で「T」の形をつくって示します(ITTF 3.4.4.2.3)。デュースはこの1回を使う場面のひとつです。使わずに試合が終われば、その1回は消えます。ゲームとゲームの間の休憩はこれとは別枠で、最大1分です(ITTF 3.4.4.1.1)。

今すぐ確かめる手順:メモに「12-12/15-15/18-18」と書き、その横に「T=1試合に1回」と書き足してください。デュースが長引いたとき、どこで息を整えられるかが先に見えます。

「デュース」「セットオール」は正しい言い方か

日本卓球協会の卓球用語集は「ジュース、デュース」の項で、1ゲーム11点制で10対10以降に同点になった状態を指す言葉と説明したうえで、「現在のルールにはジュースもしくはデュースという用語は存在しない」と明記しています。使えば現場では通じますが、条文にも記録用紙にも出てこない呼び名だ、ということです。

同じ用語集は、もっとはっきり誤用と書いている言葉も挙げています。「セットオール」です。用語集は「セット(set)」について、日本語のルールにも英語のルールにも存在しない単語で、誤用が広まったものだと説明し、正しくは「ゲーム」「ゲームオール」「最終ゲーム」だとしています。卓球で数える単位はセットではなくゲームです。

よく使う言い方協会の用語集での扱い言い換え
デュース/ジュース現在のルールに用語として存在しない10対10以降の同点
セットオール誤用ゲームオール
最終セット誤用最終ゲーム
マッチポイントルールにはない文言あと1点で試合が決まる状況

ここを整理しておくと、得をする場面があります。ゲームカウントが1対1で並んだ状態を「セットオール」と呼んでいると、記録用紙や大会の要項に出てくる「最終ゲーム」という言葉と、頭の中でつながりません。点はポイント、その集まりがゲーム、ゲームの集まりが1マッチ——この3段だけそろえておけば、要項も記録用紙も同じ言葉で読めます。

今すぐ確かめる手順:自分がふだん使っている試合の言い方を3つ書き出し、「セットオール→ゲームオール」「最終セット→最終ゲーム」と線を引いて直してください。次の練習で1回口に出せば入れ替わります。

ダブルスで間違えやすいところ

ダブルスでも、10対10で変わるのはシングルスとまったく同じ2つ(勝ち方とサーブの本数)です。ここで効いてくるのが2.13.3の「サーブとレシーブの順序は同じまま」という一文です。4人が打つ順番も、サーブが回っていく順番も組み替わりません。1人が出す本数が2本から1本に減るだけです。

デュースで慌てて順番を飛ばすと、そのまま失点になります。決められた順番から外れて打つと相手の得点、と条文に書かれているためです(ITTF 2.10.1.12)。1本交代でサーブが行き来する分、10対10のあとはペアで「次は自分」と声を出し合ったほうが安全です。

サーブのコースも変わりません。ダブルスのサーブは自分の右半面から相手の右半面へ出す決まりで(ITTF 2.6.3)、デュースでも同じです。最終ゲームでどちらかが5点に達したときにレシーブの順番を入れ替える決まり(ITTF 2.13.6)もありますが、これはエンド交代とセットの話で、デュースとは別物です。ダブルスの回り方全体は卓球のダブルスのルールにまとめてあります。

今すぐ確かめる手順:紙に4人を打つ順番どおり一列に書き、その列を指でなぞってください。10対10のあとも、この列の並びは変わりません。変わるのは、1人の枠に入る点の数が2から1になることだけです。

よくある質問

Q. デュースは何点まで続きますか?
A. 条文に上限の定めはありません。2点差がついた時点で終わります(ITTF 2.11.1)。時間による打ち切りもありません。

Q. 10対10になったとき、自分は2本のうち1本しか出していませんでした。残りの1本はどうなりますか?
A. その状況は起こりません。10対10の合計は必ず20点で、20は2の倍数=サーブ交代のちょうど切れ目だからです。誰かの2本目が途中で消えることはありません。

Q. デュースになったらコートを替わりますか?
A. 替わりません。エンド交代はゲームとゲームの間と、最終ゲームでどちらかが5点に達したときだけです(ITTF 2.13.7)。

Q. 「ジュース」と「デュース」はどちらが正しいのですか?
A. 協会の卓球用語集は見出しを「ジュース、デュース」として両方の表記を載せています。どちらで呼んでも用語集の範囲内ですが、そもそも現在のルールには存在しない用語だと、同じ項に書かれています。

Q. デュース中にタイムアウトは取れますか?
A. 取れます。1つの試合につき1回・最大1分で、要求できるのはラリーの合間だけです。手で「T」の形をつくって示します(ITTF 3.4.4.2、3.4.4.2.3)。

Q. 10対10のあと、サーブの順番はどう戻せばいいですか?
A. 直前の1点を出した人ではないほうです。合計点で見るなら、合計が偶数のときは10対10の直後にサーブを出した側、奇数のときはその相手です。

Q. 相手とスコアの記憶が食い違ったらどうしますか?
A. 点数の数え直し方と、食い違ったときの決め方は卓球の点数の数え方・カウントの仕方にまとめてあります。デュースまで来ている場合は、まず合計点が20以上になっているかを2人で確認するところから始めると早いです。

まとめ

10対10になったら、これだけ
  1. 2点差がつくまで続く。条文に上限の定めはない(ITTF 2.11.1)
  2. サーブは1本交代。回る順番は変わらず、本数だけが2本から1本になる(ITTF 2.13.3)
  3. 促進ルールは入らない。合計20点はすでに18点以上なので導入されない(ITTF 2.15.2)
  4. コートは替わらない。エンド交代はゲームの切れ目と、最終ゲームの5点のみ(ITTF 2.13.7)
  5. 「セットオール」は誤用。数える単位はゲーム=「ゲームオール」「最終ゲーム」(日本卓球協会 卓球用語集)

デュースで落とす1点は、ルールを知らないことより、サーブ権を数え直している間に呼吸が浅くなることで生まれます。次の練習では、ゲーム練習をわざと10対10から始めてみてください。1本交代の感覚と、読み上げる順番が入れ替わる感覚は、条文を読むより1ゲームやったほうが早く身につきます。

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