本記事は「卓球スタートショップ」が運営する情報メディア「卓球はじめの一歩」の記事です。記事内で紹介している商品には、当店で販売しているものが含まれます。
小学生のラケットを選ぶとき、多くの方が「軽いものを」と考えます。それ自体は正しいのですが、重さだけを見ると外します。実際に子どもが振れるかどうかを決めているのは、グリップ(持ち手)の長さと太さ、そしてブレード(打つ面)の大きさだからです。
この記事では、メーカーが公表している対象年齢と実際の寸法を並べて、低学年・高学年それぞれで何を基準に選べばよいかを整理します。数字はすべてメーカー公表値です。
まず結論——学年別の目安
| 選ぶ基準 | 例 | |
|---|---|---|
| 低学年(おおむね小1〜小3) | グリップが短く細い子ども用。ブレードもひとまわり小さいもの | カナルディ2(65g・ブレード150×146mm)5,280円 |
| 高学年(おおむね小4〜小6) | 普通サイズで軽いもの。ここで大人と同じ大きさに慣れておく | エクスターV(83g)3,850円 |
| 体が大きい・力がある子 | 普通サイズの標準的な重さでかまいません | コルベル(95g)6,050円 |
このあとの表では、メーカーが対象年齢と寸法を公表しているティモボルJ(4〜9歳向け)を、子ども用の寸法の目安として使っています。ただしティモボルJは現在品切れで入荷時期が未定のため、買う1本としては、重さとブレードの小ささが近いカナルディ2を挙げています。
子ども用ラケットはすぐ卒業してしまいます。高学年で本格的に続けるつもりなら、最初から普通サイズの軽いものを選ぶほうが、買い替えが1回減り、大きさに慣れる時間も稼げます。
大人用だと何が起きるか
大人用のラケットを小さい手で持つと、次の2つが起きます。どちらも上達を止めます。
| 起きること | |
|---|---|
| グリップが余る | 持ち手が長く太いと、手のひらにおさまらず指がラケットの面にかかります。面の角度が固定できないので、同じ打ち方をしてもボールの飛ぶ方向が毎回変わります |
| 振り遅れる | 重いラケットは、当てにいくだけで精一杯になります。ラケットを引いて、前に振るという動作が間に合わず、手首だけで当てる打ち方が身についてしまいます |
とくに前者は見落とされがちです。正しい握り方はラケットの正しい握り方にまとめていますが、そもそも手に合っていないラケットでは、正しい握り方ができません。
メーカーは対象年齢を決めている
子ども用ラケットには、メーカーが対象年齢を明示しているものがあります。感覚で選ばずに、まずここを見てください。
| モデル | メーカー公表の対象 | 位置づけ |
|---|---|---|
| ティモボルJ ※現在品切れ・入荷未定 | 卓球を本格的に始めたい4〜9歳 | 入門用 |
| ティモボルTJ | トップを目指す10〜13歳 | 上級者用(カーボン入り) |
どちらも「小さな手でもしっかり握れるようグリップは短く細めに、小柄な体格でも振りやすいようブレードはコンパクトに設計」とメーカーが説明しています。軽くしただけの大人用ではなく、寸法から作り直されているのがポイントです。
ティモボルTJは10〜13歳向けですが、位置づけは上級者用で、カーボンが入っています。よく弾むぶん、当てただけでボールが飛び出すので、これから基本を覚える段階の子には扱いにくくなります。始めたばかりの高学年なら、普通サイズの入門用のほうが振りやすいです。
実寸で並べて比べる
子ども用と普通サイズを、メーカー公表値で並べます。見るべきはいちばん下のグリップの行です。

| ティモボルJ | ティモボルTJ | エクスターV | コルベル | |
|---|---|---|---|---|
| 対象 | 4〜9歳 | 10〜13歳 | — | — |
| ブレードサイズ | 152×144mm | 154×146mm | 158×152mm | 158×152mm |
| (普通サイズとの差) | 約9%小さい | 約6%小さい | 普通サイズ | 普通サイズ |
| ブレード厚 | 6.1mm | 5.2mm | 5.6mm | 5.9mm |
| 平均重量 | 73g | 69g | 83g | 95g |
| グリップ 長さ×厚み×エンド幅 | 92×22×30mm | 95×21×30mm | 100×24×33mm | 100×24×34mm |
| 仕様 | 5枚合板 | 3枚合板+カーボン | 5枚合板 | 5枚合板 |
| 価格 | 5,280円 | 8,250円 | 3,850円 | 6,050円 |
ティモボルJとコルベルを比べると、グリップは8mm短く、2mm細く、いちばん下の幅が4mm狭い。数字にすると小さく見えますが、子どもの手ではこの差がそのまま「握れる/握れない」を分けます。
重さの差も大きく、ティモボルJとコルベルでは22gあります。ラバーを両面に貼ったあとも、この差はそのまま残ります。
子ども用のブレードは普通サイズより6〜9%小さいだけで、極端に小さいわけではありません。あまり小さいと当たる範囲が狭くなって、かえって空振りが増えます。メーカーが公表しているのは寸法だけで、そう決めた理由までは書かれていません。ただ、普通サイズを基準にわずかに縮めてあるという事実そのものが、「小さくすればよい」という話ではないことを示しています。
参照:各モデルのメーカー公表スペック(ブレードサイズ・ブレード厚・平均重量・グリップサイズ)
重さはラバーの厚さでも変えられる
見落とされがちですが、ラケットの重さの一部はラバーです。ラバーはスポンジの厚さを選べるので、薄いものを選べば全体を軽くできます。
たとえばマークVには、極薄・薄・中・中厚・厚・特厚といった厚さの展開があります。薄いスポンジはよく弾まないぶん、力の弱い子でもコートに収まりやすいという利点もあります。
スポンジが厚いラバーは、当てただけでボールが飛び出します。力のない時期にこれを使うと、台に収めるために振らなくなる——つまり振らない打ち方が身についてしまいます。薄めのスポンジで「振ってもコートに入る」感覚を先に作るほうが、あとが楽です。
ラバーの種類そのものの選び方は卓球ラバーの種類と初心者向けの選び方にまとめています。
普通サイズへ移るタイミング
子ども用から普通サイズへ移る目安は、年齢ではなく手の大きさと振り方です。次の3つのうち2つが当てはまったら、切り替えどきです。
| 見るところ | |
|---|---|
| 1 | グリップを握ったとき、小指が持ち手からはみ出すようになった |
| 2 | 素振りでラケットを引いてから前に振る動きができている |
| 3 | フォアハンドで10本続けて台に入るようになった |
逆に、まだ当てるだけで精一杯の段階なら、学年が上がっても子ども用のままで構いません。大きさに合わせるのではなく、動きに合わせて替えると考えてください。
子ども用ラケットは、体が大きくなると使えなくなります。普通サイズの軽いモデル(エクスターVで83g)は、ブレードの大きさが大人用と同じなので体が大きくなってからもそのまま使えます。高学年から始めるなら、最初からこちらを選ぶと買い替えが1回減ります。
避けたほうがよいラケット
数千円で買える「ラバーが貼ってある状態で売られているラケット」には、ラバーを張り替えられないものがあります。
ラバーは消耗品で、打っているうちに回転がかからなくなります。張り替えられないラケットは、その時点で買い直すしかありません。家族で遊ぶぶんには便利ですが、部活やクラブで続けるつもりなら、ラケットとラバーが別になっているものを選んでください。
商品ページに「ラバー貼り」「貼り上がり」「レジャー用」と書かれていたら、張り替えができるかどうかを必ず確かめてください。当店でも該当する商品には「ラバーの張り替えはできません」と明記しています。
ラケットは板だけで売られていて、打てる状態にするにはラバーが表と裏で2枚必要です。ばらばらに買うより、セットのほうが安くなります。
- 【ジュニアセット】エクスターV+マークV(ラバー2枚付き) 9,200円 ── 軽い普通サイズ(83g)。同じ中身を1つずつ買うより1,690円安くなります
- カナルディ2 5,280円 ── 65g・ブレード150×146mmの小さめ。ラバー2枚と貼り付けシート(330円)を別に用意します
貼り付けはご自身で行っていただきます(当店では代行していません)。手順はラバーの貼り方ガイドにあります。
よくある質問
まとめ
小学生のラケットは、重さより先にグリップの寸法を見てください。メーカーの子ども用は、グリップが8mm短く2mm細く作られていて、ブレードも普通サイズより6〜9%小さくなっています。軽くしただけの大人用とは別物です。
目安は、低学年は子ども用(69〜73g)、高学年は普通サイズの軽いモデル(83g)。切り替えるのは学年ではなく、小指がはみ出したときと、振れるようになったときです。そしてラバーが張り替えられないラケットは選ばない——この3つを押さえれば、最初の1本で失敗しません。
記事で挙げた小学生向けの1本
カナルディ2(65g・ブレードが小さめ) 税込5,280円/ジュニアセット エクスターV+マークV 税込9,200円/チャックシート2(塗らずに貼れるシート) 税込330円
(卓球スタートショップ。在庫と色・サイズは各商品ページでご確認ください)
用具えらびのチェックリスト(PDF)をお送りします
はじめて道具をそろえるときに「何を・どの順番で決めるか」を1枚にまとめたものです。印刷して、そのままお店で使えます。あわせて、ラバーを貼った状態で届く貼り上がり完成ラケット(来春の予約企画)の先行案内もお届けします。
