本記事は「卓球スタートショップ」が運営する情報メディア「卓球はじめの一歩」の記事です。記事内で紹介している商品には、当店で販売しているものが含まれます。
台の端に当たった、ネットに触れて入った、相手が構える前に出してしまった——審判がいない試合でいちばん止まるのがこの場面です。お互いに自信がないので、なんとなく「もう1本」で流してしまうこともあります。
結論を先に書きます。迷う判定は4つしかなく、4つとも競技規則で決着がついています。見分ける基準も1つだけで、「台の上の面に当たったか、それ以外か」です。ここさえ分かれば、その場で自分たちで決められます。
得点の数え方そのものは卓球の点数の数え方・カウントの仕方、審判を任されたときの手順は卓球の審判のやり方にまとめています。
まず即答|迷う4つの結論
| 場面 | 結論 | 根拠 |
|---|---|---|
| エッジ(台の角・端に当たって入った) | 有効。ラリーは続く | 台の上の面に触れているため |
| サイド(台の横の面に当たった) | 失点 | 垂直な側面は打球面に含まれない(ITTF 2.1.2) |
| ラリー中のネットイン | 有効。ラリーは続く | ネットに触れても反則にはならない |
| サーブのネットイン | やり直し(レット)。何度でも | ITTF 2.9.1.1 |
つまりネットに触れたかどうかで結論が変わるのはサーブのときだけで、台の端に当たったかどうかは「上の面か横の面か」だけで決まります。覚えることはこの2つです。
今すぐ確かめる手順:手元に卓球台があるなら、台の角に指を置いて、上の面と横の面の境目を触ってみてください。その境目から上に当たれば有効、下に当たれば失点です。
エッジとサイドの違いは「上の面かどうか」
競技規則では、球を打ち合う面のことを打球面(プレーイングサーフェス)と呼びます。そして「打球面に、天板の垂直な側面は含まない」とはっきり書かれています(ITTF 2.1.2)。
つまり、台の天板を真横から見たときの「厚みの部分」に当たったら失点、天板の上の面に当たれば——たとえ端の1mmでも——有効ということです。これが「エッジは入り、サイドは入らない」の中身です。
白い線はどちらに入るのか
打球面には、2cm幅の白いサイドラインとエンドラインが引かれています(ITTF 2.1.4)。このラインは天板の上の面に引かれているので、打球面の一部です。ライン上に当たった球は、当然ながら有効になります。
見分け方——跳ねた方向と音
とはいえ、当たった瞬間を目で追うのは難しい場面です。実際には球がどこへ行ったかで判断することになります。
| 起きたこと | ほぼエッジ | ほぼサイド |
|---|---|---|
| 球の跳ね方 | 上や斜め上へ跳ねる | 横や下へ落ちる |
| 音 | 高く短い | 鈍く低い |
| 球の速さ | 当たった後も前へ進む | その場で失速する |
それでも分からないときは、相手に「今のはどっちに見えましたか」と聞いてかまいません。打った側より、返そうとしていた側のほうがよく見えていることがよくあります。
ネットインは「サーブかどうか」で結論が変わる
ネットに触れて相手コートに入った球——これはサーブのときと、ラリー中とで扱いが違います。同じ現象なのに結果が違うので、ここが混乱の原因になります。
サーブのネットイン=やり直し(レット)
サーブでネットに触れ、それ以外は正しいサーブだった場合はレット=やり直しです(ITTF 2.9.1.1)。得点にはならず、同じ人がもう一度サーブを打ちます。
回数の制限はありません。10回続けてネットに触れたら、10回やり直します。「3回までしかやり直せない」という決まりを聞くことがありますが、競技規則にはそのような制限はありません。
ラリー中のネットイン=そのまま有効
打ち合いの最中に、返した球がネットに触れて相手コートに入った場合は有効です。ラリーは続きます。やり直しにはなりません。
規則の側から見ると、「サーブや返球のあと、相手が打つ前に、ネットアセンブリ以外の何かに球が触れたら失点」という書き方になっています(ITTF 2.10.1.3)。ネット(ネットアセンブリ)だけが例外として除かれているので、ネットに触れることは反則にならない、というわけです。
ネットの下・横を通ったら失点
同じ「ネットまわり」でも、球がネットを突き抜けたとき、ネットと支柱のすき間を通ったとき、ネットと台のすき間を通ったときは失点になります(ITTF 2.10.1.5)。上を越えていないからです。
今すぐ確かめる手順:練習で使っている台のネットを、真横からのぞいてみてください。ネットの下端と台の面にすき間ができていたら、そこを通った球はすべて失点になります。ネットの張り直しで直ります。
レット(やり直し)になる場面は、この4つ
「レット」はやり直しのことです。得点は動かず、そのラリーは無かったことになり、同じ人がもう一度サーブから始めます。
- サーブがネットに触れて、それ以外は正しかったとき(2.9.1.1)
- 相手の準備ができていないのにサーブを出したとき。ただし相手が打ちにいかなかった場合に限ります(2.9.1.2)
- 自分ではどうにもできない外からの妨げで返せなかったとき(2.9.1.3)
- 審判が試合を止めたとき(2.9.1.4)
2つ目は特に間違えやすいところです。相手が打ちにいった時点で「準備ができていた」ことになり、やり直しにはなりません。「構えてなかった」と後から言っても、ラケットを出していれば通りません。
3つ目の「外からの妨げ」は、隣のコートから球が転がってきたのような場面です。自分がラケットを落とした、靴ひもがほどけた——これは自分でどうにかできることなのでレットにはなりません。
試合の進め方全体は卓球の試合の流れとマナー、サーブそのもののルールは卓球のサーブのルールにまとめています。
「これは反則?」よくある8つ
判定で止まりやすい場面を、条文の番号つきで並べます。覚えるのではなく、迷ったときに見に来る表として使ってください。
| 起きたこと | どうなるか | 根拠 |
|---|---|---|
| ラケットを持つ手の指に当たって返った | 有効。手首から先なら打球とみなされます | ITTF 2.5.7 |
| 偶然2回続けて当たった(二度打ち) | 有効。失点になるのは意図的なときだけ | ITTF 2.10.1.7 |
| 空いている手(フリーハンド)が台に触れた | 相手の得点 | ITTF 2.10.1.11 |
| 体や服がネットに触れた | 相手の得点。身につけている物も含みます | ITTF 2.10.1.10 |
| 台を動かしてしまった | 相手の得点 | ITTF 2.10.1.9 |
| 台の上にある球に触れた(オブストラクト) | 相手の得点。台に落ちる前に触れると反則です | ITTF 2.5.8/2.10.1.6 |
| 返した球が相手の服やゼッケンに当たった | 自分の得点。相手が返せていないためです | ITTF 2.10.1.2 |
| ラケットを落として、落ちたラケットに当たった | 相手の得点。手に持っていない状態は打球になりません | ITTF 2.5.7 |
とくに勘違いが多いのが上の2つです。指に当たった球は有効で、偶然の二度打ちも有効。どちらも「反則だ」と言われがちですが、条文はそうなっていません。
体に当たった球の扱いも含めた基本の整理は卓球のルールを簡単ににあります。
審判がいない試合で、どう決めるか
中学・高校の大会では、選手同士で審判をすることがよくあります。そのときに問題になるのは、規則の中身より決め方の順番です。
- 打った側が自分から申告する——「今のはサイドでした」と自分で言う
- 相手に見えたかを聞く——「エッジに見えましたか」
- どちらも分からなければ、そのポイントをやり直す
- 言い合いにしない——1回のポイントより、試合が止まるほうが損です
3つ目の「分からなければやり直す」は、規則に書かれた手続きではありません。ただし審判がいない場では、これが現実的な着地点として広く行われています。大会によっては近くの審判長に確認できるので、もめたら自分たちで裁こうとせず、呼ぶのが正解です。
エッジのときは一言そえる
エッジは運の要素が大きい入り方です。入った側が「すみません」と一言そえるのが習慣になっています。規則ではありませんが、この一言があるかないかで、試合の空気がまったく変わります。
得点を見失わないための道具
自分たちで審判をすると、判定でもめている間に点数が分からなくなることがあります。点数板を1つ置いておくと、それだけで止まらなくなります。当店ではプチカウンター2(税込¥2,420)や、JLカウンター(税込¥4,730)を扱っています。
自分の側でできる「もめない準備」
判定でもめる場面の何割かは、台とネットの状態が原因です。ネットがゆるんでいれば、球がネットの下を通ります。ネットが高すぎれば、入るはずの球が触れます。
正しい高さは台の面から15.25cm(ITTF 2.2.3)で、支柱の高さも同じ15.25cm、支柱の外側はサイドラインの15.25cm外側までと決まっています(同 2.2.2)。練習で使う台のネットが規格どおりかどうかは、卓球台の大きさと高さにまとめました。
今すぐ確かめる手順:試合前の練習で、ネットの下にすき間がないかを両端で確かめてください。ゆるんでいたら、始まる前に張り直しておけば、その日はネット下の判定でもめません。
まとめ
迷う判定は4つです。エッジは有効・サイドは失点・ラリー中のネットインは有効・サーブのネットインはやり直し。基準は「台の上の面に当たったか」と「サーブかどうか」の2つだけです。
よく反則だと思われている指に当たった球と偶然の二度打ちは、どちらも有効です(ITTF 2.5.7/2.10.1.7)。逆に空いている手が台に触れる・体がネットに触れる・台を動かすは、その時点で相手の得点になります。
そして、審判がいない試合でいちばん大事なのは止まらないことです。打った側が自分から申告する、分からなければやり直す、もめたら役員を呼ぶ——この順番を先に決めておけば、判定で試合が壊れることはありません。
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