本記事は「卓球スタートショップ」が運営する情報メディア「卓球はじめの一歩」の記事です。
メガネをかけたまま卓球を始めて問題ありません。競技規則には、メガネについての条文が1つもありません。服装の決まりは「半袖またはノースリーブのシャツと、ショーツ・スカート・ワンピース型の上下、靴下、シューズ」と定められていますが(ITTF 3.2.2.1)、目のまわりにつけるものは何も書かれていません。禁止も、許可も、条件も無い——つまり自由です。
そのうえで、続けるうちに迷いが出てくるのは決まって3つです。ズレるか・曇るか・壊れたときにどうするか。この3つに手を打っておけば、メガネはそのままで何年でも続けられます。コンタクトへの切り替えは「卓球のために必要だから」ではなく、本人が扱えるようになってからで間に合います。
この記事はメガネのまま打つときに起きることと、その対処だけを扱います。服装そのものの決まりは卓球の服装は何を着る?、試合の日に持っていくものは卓球の試合の持ち物にまとめています。
まず即答|メガネのまま始めてよい。確かめるのは3つだけ
- 規則の心配は要らない——競技規則にメガネを禁じる条文も、条件をつける条文もない(ITTF 3.2.2.1 の服装規定に記載なし)
- ズレ対策だけは先にやる——前に踏み込んだとき、下を向いたときに動かないこと
- 曇りは「拭く」より「曇らせない」——試合中に拭ける時間は決まっている(ITTF 3.4.4.1.2)
- 予備を1つ用意する——壊れた日にその場で終わらないようにするため。古いメガネで十分
メガネをかけている人が卓球で不利になる、ということはありません。困るのは「見え方」ではなく「メガネが動くこと」です。動かないようにしてしまえば、あとは普通に練習できます。
今すぐ確かめる手順:メガネをかけたままその場で5回、深くおじぎをしてください。鼻の上でメガネが下がる、耳から浮くなら、先に留め具を足す番です。5回とも同じ位置のままなら、いまのメガネはそのまま使えます。
規則はメガネをどう扱っているか——「落とさないこと」だけが実務
競技規則を通して読むと、メガネそのものについての定めはありません。ただし「選手が身につけている物」という言い方は、規則のあちこちに出てきます。この「身につけている物」には、ラリーが始まった時点で身につけていたものが含まれます(ITTF 2.5.13)。メガネはここに入ります。
| 場面 | 規則上どうなるか | 条文 |
|---|---|---|
| メガネをかけて打つ | 何の制限もない。服装の規定にも記載がない | ITTF 3.2.2.1 |
| メガネが落ちてネットに触れた | 相手の得点になる | ITTF 2.10.1.10 |
| メガネが落ちて台を動かした | 相手の得点になる | ITTF 2.10.1.9 |
| メガネが落ちて床に転がった | 条文では触れられていない。審判の判断で中断されることがある | — |
つまり規則の側から見ると、メガネで気をつけることは「ラリー中に落とさない」の一点です。かけていること自体はどの大会でも問題になりません。試合の進み方そのものは卓球の試合の流れとマナーにまとめています。
今すぐ確かめる手順:ラケットを持って1歩前に踏み込み、そのまま素早く元に戻ってください。この「止まる」動きでメガネが前にずれるなら、ラリー中はもっと動きます。練習中にずれるものは、試合でも必ずずれます。
いちばん困るのは「ズレ」——落ちる前に止める
卓球でメガネがずれる理由は3つあります。前に踏み込んで急に止まる動き、低い球を取るために下を向く動き、そして鼻と耳にかいた汗です。ランニングと違って、卓球は「止まる」回数がとても多い競技です。この止まる衝撃でメガネは前に出ます。
止め方は3段階ある
| やること | 向いている場面 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 鼻あて・つるを調整してもらう | ふだんはずれないが、動くと少し下がる | メガネを買った店で相談する |
| 耳にかける滑り止め(シリコン)を足す | 汗をかくと下がってくる | 数百円のものが売られている |
| 後ろで留めるスポーツバンドを使う | 踏み込むたびに動く/低い球で落ちそうになる | 千円前後のものが売られている |
順番は上から試すのが早いです。多くの場合、買ったお店で鼻あてとつるを調整してもらうだけで止まります。それでも動くなら滑り止め、練習量が増えてきたらバンド、という順で足していきます。最初からバンドを買う必要はありません。
今すぐ確かめる手順:いま使っているメガネを、つるの先(耳にかかる部分)だけ指で軽く内側に寄せてかけ直してください。それだけで止まるなら、必要なのは新しい道具ではなく調整です。メガネを買ったお店に持っていってください。
「曇り」はいつ起きるか——試合中に拭けるのは6点ごと
メガネが曇るのは、レンズが冷たく、まわりの空気が湿っているときです。卓球では次の場面で起きます。
- 冬の体育館に入った直後——外から持ち込んだ冷たいレンズに、室内の湿った空気がつく
- 練習が進んで体が温まったとき——顔から上がる汗の湯気がレンズの下から入る
- 暖房を入れた部屋で動き始めたとき——床は冷たく、空気だけ暖かい状態
ここで知っておきたいのが試合中に拭ける時間には決まりがあることです。短い中断が認められているのは、各ゲームの開始から6点ごとと、最終ゲームでコートを替えるときだけです(ITTF 3.4.4.1.2)。1点ごとに止まって拭くことはできません。
- 会場に着いたらメガネを外して置く——レンズを部屋の温度になじませる。着いてすぐ打たない
- 曇り止めを前日に塗っておく——当日あわてて塗ると、拭きムラでかえって見えにくくなる
- 汗を額で止める——ヘアバンドやリストバンドで、顔を伝う汗の量そのものを減らす
- 6点ごとの中断で一度だけ拭く——拭く布はポケットではなくベンチに置いておく
今すぐ確かめる手順:次に体育館へ行くとき、入口でメガネを外して5分置いてからかけてください。これだけで最初の曇りはほとんど出ません。寒い日に曇るのは道具のせいではなく、温度差のせいです。
壊れたときにどうするか——予備を1つ、バッグに入れておく
メガネで卓球をしていていちばん困るのは、曇りでもズレでもなく「壊れた日に、その日が終わってしまう」ことです。球が当たる、落として踏む、フレームが折れる——どれも起こります。見えないまま打つのは危ないので、その日は見学になります。
対策は1つだけです。古いメガネを捨てずに、部活のバッグに入れておく。度が少し古くても、その日を乗り切るには足ります。新しく買う必要はありません。作り直しにかかる日数と費用は、メガネを買ったお店に先に聞いておくと、壊れた日に慌てずにすみます。
ケースに入れて持ち運ぶときは、ラケットと同じ場所に入れないようにしてください。ラケットは硬く、バッグの中で動きます。バッグの選び方は卓球のケース・バッグの選び方にまとめています。
今すぐ確かめる手順:いま家に使っていない古いメガネがあるか探してください。あれば、それを拭いてケースに入れ、練習用のバッグに入れるだけで準備は終わりです。無い場合は、次にメガネを作り替えるときに古いほうを捨てずに取っておきます。
コンタクトに替えるなら、いつからか
先に結論を書きます。卓球を続けるためにコンタクトが要る、ということはありません。メガネのまま試合に出ている人はどの年代にもいます。替えるかどうかは、卓球の都合ではなく本人が扱えるかどうかで決まります。
コンタクトは目に直接入れるものなので、使い始める時期・向き不向き・目の状態は眼科で相談してから決めてください。ここで年齢の目安を書くことはしません。同じ年齢でも、目の状態と、自分で清潔に扱えるかは人によって違うからです。
- バンドを付けてもズレて、ラリー中に気が散るようになった
- 曇りが毎回起きて、練習の中身より対処に気を取られている
- 試合でメガネを2回以上落とした
- 本人が「替えたい」と言い出した
この4つが出てきたら、眼科で相談する時期です。逆に、どれも起きていないならメガネのままで困っていません。先回りして替える必要はありません。
今すぐ確かめる手順:今月の練習を思い返して、メガネが原因で打てなかった場面が何回あったか数えてください。0回なら、いまは何も変えなくて大丈夫です。
スポーツ用のメガネは要るか——買う前に確かめること
スポーツ用のメガネは、顔に沿った形で、ずれにくく、割れにくい素材で作られています。ただしいま使っているメガネでも、留め具を足せば止まることがほとんどです。買い替えを考えるのは、調整とバンドを試したあとで構いません。
買う場合に確かめるのは次の3つです。視界の広さ(フレームが太いと、台の端を見るときに枠が視界に入ります)、顔の幅に合っているか(きつすぎるとこめかみが痛くなります)、そして度を入れられるか(入れられない製品もあります)。
卓球は球が小さく、しかも手元から台の向こうまで視線を頻繁に動かす競技です。フレームが視界を切ると、球を見失う場所ができます。試着するときは、まっすぐ前を見るだけでなく、顔を動かさずに目だけで左右の端を見て確かめてください。
今すぐ確かめる手順:お店で試すときはその場で軽く2〜3回おじぎをして、目だけで左右を見る。この2つができれば、卓球で困る場面はほぼありません。
見えづらいまま続けると何が起きるか
度が合っていないメガネで打ち続けると、本人は「下手になった」と感じますが、原因は技術ではないことがあります。見えづらいときに出るのは次のような形です。
| 起きること | 見え方との関係 |
|---|---|
| 打つのが遅れて、体の後ろで当たる | 球が近づく速さをつかむのが遅れている |
| 回転を読み違えてネットに落とす/飛ばす | 相手のラケットの動きとボールの跡が見えていない |
| 台に顔を近づける姿勢になる | 見ようとして無意識に近づいている |
| ラリーが続くと目が疲れて集中が切れる | ピントを合わせ続けて目が疲れている |
とくに台に顔を近づける姿勢は分かりやすいサインです。本人は気づかないので、周りから見て「最近、前より顔が低い/台に近い」と感じたら、技術の指摘より先に見え方を確かめてください。基本の構えは卓球のラケットの持ち方にまとめています。
今すぐ確かめる手順:練習のあとに「今日、球が見えにくい場面はあった?」と一度だけ聞いてください。「暗いところで見えにくい」「遠くの球がぼやける」と返ってきたら、技術の話ではなく、目の話です。
よくある質問
まとめ
卓球はメガネのままで始められます。競技規則にメガネについての条文は1つもありません。服装の規定(ITTF 3.2.2.1)にも書かれておらず、禁止も条件もありません。
実際に手を打つのは3つだけです。ズレは鼻あての調整→耳の滑り止め→バンドの順に試す。曇りは会場で5分なじませてから、前日に曇り止め。試合中に拭けるのは6点ごとです(ITTF 3.4.4.1.2)。そして予備のメガネを1つ、バッグに入れておく。
コンタクトは、卓球のためではなく本人が扱えるようになってからで間に合います。先回りして替える必要はありません。いま困っていないなら、いまのメガネのままで大丈夫です。
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