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サーブはラリーの始まりであり、自分から仕掛けられる唯一のプレー。初心者でも入る基本のサーブを覚えれば、試合が一気に楽しくなります。基本ルール・基本3種類・上達のコツを解説します。

サーブの基本ルール
サーブは「ボールを上げて打つ」だけに見えますが、ルールでは5つの条件が決められています(国際卓球連盟の競技規則 2.6/日本卓球協会も同じ内容)。よく知られているのは「16cm以上トス」ですが、実際にはそれ以外にも守るべきことがあります。1つでも欠けると反則で、相手の得点になります。
| サーブの条件 | |
|---|---|
| ① | 静止した、開いた手のひらから始める ボールを握ったり、指にかけたりして始めるのは反則です。 |
| ② | 回転を与えず、ほぼ垂直に16cm以上投げ上げる 投げたボールは、打つまで何にも触れずに落ちてくる必要があります。 |
| ③ | 落ちてくる途中で打つ 上がっていく途中や、いちばん高いところで打つのは反則です。 |
| ④ | 台の面より上・エンドラインより後ろで打ち、相手から隠さない 台の上に手を入れて打つことはできません。体や腕でボールを隠すのも反則です。 |
| ⑤ | 投げ上げたら、フリーハンドをどける ラケットを持たない手を、ボールとネットの間からすぐにどけます。 |
打ったボールは、まず自分のコートに1回バウンドさせ、ネットを越えて相手コートに入れます。
「手のひら」はどこまで? 手首と指のつけ根の間が手のひらです。ボールが指にかかっている状態はここに含まれません。
手を動かしてはいけない? いったん静止させたあと、そのまま横に10cmほど動かしてから投げ上げるのは、一連の動作として認められています。
やってしまったらすぐ失点? 審判が合法かどうか判断に迷った場合は、そのマッチで最初の1回は注意にとどめられ、2回目以降が反則(相手の得点)になります。ただし、明らかな反則は最初から失点です。
参照:国際卓球連盟 競技規則 2.6/日本卓球協会「ルール」
初心者が覚えたい基本3種
- ロングサーブ:速く長く出して相手を後ろに下げる
- ショートサーブ:低く短く出して攻められにくくする
- 下回転サーブ:ボールの下を切り、相手の浮きやミスを誘う
① ロングサーブ|まず「入る」を体験する
相手コートの奥まで速く伸ばすサーブです。回転をかけずにまっすぐ飛ばすので、3種のなかでいちばん入れやすく、最初に覚えるのに向いています。
- バウンドさせる位置:自分側のコートの、いちばん手前(エンドラインのすぐ内側)。ここに落とすほど、相手コートの奥まで伸びます。
- ラケットの面:立て気味にして、ボールの後ろを押すように当てます。
- ねらい:相手を台から下げる。ショートサーブしか出せない相手に、変化をつけるための1本です。
② ショートサーブ|低く、2バウンドさせる
相手コートで小さく2回弾むサーブです。相手が強く打ちにくくなるので、試合で最も多く使われます。
- バウンドさせる位置:自分側のコートの、ネットに近いあたり。奥に落とすと長くなってしまいます。
- 力加減:飛ばそうとせず、当てて置くくらい。「相手コートで2回弾めば成功」と考えると分かりやすいです。
- 高さ:ネットの上を、できるだけ低くかすめるように。浮くと強打されます。
③ 下回転サーブ|1本あるだけで試合が変わる
ボールの下側を薄く切って、逆回転(バックスピン)をかけるサーブです。相手が普通に打ち返すとネットにかかるため、初心者同士の試合ではこれ1本で得点できることもあります。
- 当てる場所:ボールの真下、やや手前側。厚く当てず、こするように薄く。
- ラケットの動き:上から下ではなく、斜め下から前へ切り出します。真下に振ると前に飛びません。
- 確かめ方:床に向かって出してみて、ボールが自分の方へ戻ってくれば下回転がかかっています。回転の有無はこれで一人でも確認できます。
この3種は、①→②→③の順で覚えるのがおすすめです。まず入れる感覚をつかみ、次に短く低くを覚え、最後に回転を足す——という順番なら、途中で行き詰まりにくくなります。
上達のコツ
まずは「決まった場所に安定して入れる」ことから。トスの高さと位置を一定にし、同じフォームで繰り返すと精度が上がります。安定して入るようになったら、回転やコース、長短のバリエーションを加えていきましょう。
サーブは一人でも練習できる数少ない技術。台があれば、たくさんのボールを使って黙々と反復するのが一番の近道です。
一人でできるサーブ練習メニュー
サーブは、相手がいなくても質を上げられる数少ない技術です。台が使える日は、次の順番で取り組むと効率よく身につきます。
| 段階 | やること | 合格の目安 |
|---|---|---|
| 1 | トスだけを繰り返す(打たない) | 10回続けて同じ場所に落ちる |
| 2 | コースを決めずに、まず入れる | 10本中8本入る |
| 3 | 相手コートの半面(フォア側だけ)をねらう | 10本中7本その半面に入る |
| 4 | 長短を打ち分ける(ロングとショートを交互に) | 交互に5往復続く |
ポイントは、1段階ずつ合格してから次に進むことです。入るかどうかも怪しい段階でコースを狙い始めると、どこを直せばいいのか分からなくなります。
ボールの数が練習量を決めます
サーブ練習の効率は、手元にあるボールの数でほぼ決まります。3個だと「3本出して拾いに行く」の繰り返しになり、30分やっても実質の本数は伸びません。20〜30個あると拾いに行く回数が10分の1になり、同じ時間で何倍も打てます。まとめ買いした練習球が最も生きるのが、このサーブ練習です。
よくある失敗
- トスが斜めになる:真上に上げる意識を
- サーブが浮く・長くなる:低く短くを意識し、ネット近くにバウンドさせる
- 回転がかからない:当てるのではなく「薄く切る」
サーブの練習は、拾いに行く回数が減るほど数をこなせます。手元のボールが少ないと練習になりにくいので、練習球と試合球の違いと、まず買うべき方を確認しておくと無駄がありません。
ナックル(無回転)サーブを覚えよう
基本3種に慣れたら、2本目の武器に「ナックルサーブ」がおすすめです。下回転サーブと同じフォームから、ボールの中心〜やや後ろを“厚く”当てて(擦らずに押して)回転をかけないのがコツ。相手は下回転だと思って持ち上げ、オーバーミスを誘えます。同じトス・同じ動作で下回転と出し分けられると、初心者同士の試合では大きな武器になります。
- 下回転:ボールの下を薄く切る
- ナックル:ボールの中心〜やや後ろを当て、切らない
- 同じトス・同じフォームで出し分けるのが理想
サーブ練習におすすめ
「卓球スタートショップ」で購入できます。
サーブが安定しない人がまず直したい「打つ瞬間」
「入る・入らない」を分けるのは、トスよりもボールに当たる一瞬の使い方です。初心者が見落としがちなポイントを順番に整えると、回転をかける前の土台がぐっと安定します。
- ラケットは軽く握る:力いっぱい握ると手首が固まり、薄く擦れません。卵を持つくらいの軽さが目安です。握り方そのものが不安なら、先にラケットの正しい握り方を確認しておくとサーブも安定しやすくなります。
- 当てる位置を体の近く・低めに:体から遠い高い位置で打つと長く浮きがちです。おへその少し前あたり、台の高さに近いところで捉えると短く収まります。
- 振り終わりまで止めない:当たった瞬間に手を止めると回転も勢いも死にます。当ててからスッと振り抜く意識を持ちましょう。
回転の有無は「音」と「擦った感触」で確かめる
下回転がかかっているかは、見た目より音で分かります。コツッと厚く当たる音ではなく、シャッと薄く擦れる音が出ていれば回転がかかっているサインです。鏡やスマホ動画で自分のサーブを撮り、トスの高さ・当てる位置・振り抜きを後から見直すと、つまずきの原因を自分で見つけられます。
サーブは「出して終わり」にしない

サーブは次の1球とセットで考えると、試合での効きがまるで変わります。出したあとに棒立ちにならないことが大切です。
- 打ったらすぐ基本姿勢に戻る:サーブを出した手はすぐ引き、相手の返球に備えてラケットを構え直します。フォアで攻めたいなら、戻った直後にフォアハンドを振れる位置取りを意識しましょう。
- 短い下回転には押し戻しを警戒:相手がツッツキで短く返してくることが多いので、台に近い位置で待つと対応しやすくなります。
- 同じ構えから出し分ける:コースや回転を変えても、トスと構えは毎回そろえます。バレなければそれだけで相手は迷います。
知っておきたい「やり直し(レット)」
サーブがネットに触れてから相手コートに入った場合は、反則ではなくやり直しになります。点は動かず、もう一度同じサーブ権で打ち直せます。あわてて取りにいかず、いったん止めて出し直しましょう。回転や打ち方に行き詰まったら、点数の数え方やサーブ権の交代も含めた基本の流れを一度初心者ロードマップで整理しておくと、練習の優先順位が見えてきます。
よくある質問
まとめ
サーブは練習量がそのまま結果に出ます。多めのボールを用意して反復練習するのがおすすめです。記事の中ほどで紹介した練習球(10ダース・120球)があると、拾いに行く回数が減って練習量が一気に増えます。



